『リトルキャプテン』 ⑧ 〜ちっぽけな僕の壮大なストーリー〜
メアリーと男性客の会話にジョーイは聞き耳を立てていた。すると、会話の内容が昨日の強盗の話に切り替わり「ドキッ」とした。「あの人が常連さんでも、昨日の話をして大丈夫なんだろうか?」とジョーイは心配した。そしてメアリーが急にこう言った。「あそこに座っているジョーイ君も昨日の現場にいたのよ」「ジョーイくん紹介するわ!こちらバトンさん」ジョーイはいきなり常連さんを紹介されたのでびっくりした。「あ・・は・はじめまして、僕ジョーイって言います」「バトンです、よろしくお願いします」バトンの口調はとても穏やかで紳士的だった。「昨日は大変だったみたいだね」「はい、まさかあんなところを目撃するとは思いませんでした」メアリー、ジョーイ、バトンの三人はこの後三十分ほどおしゃべりした。「じゃ、お先に失礼するね」バトンはこの後用事があることを二人に告げて颯爽と店を出た。その後ジョーイはメアリーから、バトンが超がつくほどのお金持ちであることを聞かされた。
ジョーイは「億万長者の紳士」と言う言葉がバトンにぴったりだと思った。相手の目をしっかりと見ながら相槌を打ち、真剣に話を聞こうとしてくれる姿勢がジョーイにはとても嬉しかった。また、バトンはユニークな言い回しでジョーイとメアリーを感心させたり和ませたりして楽しませた。ジョーイはこの二日間でとても刺激的な人達に出会えてなんだか嬉しかった。そして変な話だが「これも強盗に入った男のおかげかもしれない」と考えている自分がいた。
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