「藤の実」の秘密…
物理学者・随筆家・俳人である寺田寅彦の「藤の実」に書かれている内容です。
お付き合いください。
藤の実
寺田寅彦
『昭和七年十二月十三日の夕方帰宅して、居間の机の前へすわると同時に、ぴしりという音がして何か座右の障子にぶつかったものがある。
子供がいたずらに小石でも投げたかと思ったが、そうではなくて、それは庭の藤棚ふじだなの藤豆ふじまめがはねてその実の一つが飛んで来たのであった。
宅うちのものの話によると、きょうの午後一時過ぎから四時過ぎごろまでの間に頻繁ひんぱんにはじけ、それが庭の藤も台所の前のも両方申し合わせたように盛んにはじけたということであった。
台所のほうのは、一間けんぐらいを隔てた障子のガラスに衝突する音がなかなかはげしくて、今にもガラスが割れるかと思ったそうである。
自分の帰宅早々経験したものは、その日の爆発の最後のものであったらしい』
藤の実には思い出があります。
東北の春は遅い。山裾の道を通るとパチンッパチンッパチンッ…音がする。
はて?山藤の実の破裂音と分かったのは随分後の事です。
弾ける…より破裂音がピッタリするほど静かな空気の中、冴え渡り植物の出す音とは想像出来なかった。山に詳しい方が、それが響くと春になると…
新しい年度になる…教員の彼は、また始まる!とこの音で気持ち新たになるのだと話してくれた。
寺田寅彦とはひと味違った藤の実
です。
那須街道赤松林のウォーキングの途中出会った藤の実はまだ弾けてなかった。
持ち帰って、温かい部屋の中でいつ弾けたのか種は家の中で見つからないけど鞘(サヤ)が開いていた。
その日の拾い物もう一つ。
野蚕!
蚕(カイコ)は栽培した桑を食べる家蚕が一般的ですが、クヌギ等の葉を野外で食べて繭を木々に付ける緑色の蚕があります。
すでに蛾になって繭を破って風に飛ばされて枯葉の中に時々落ちています。
濃茶(枯葉)の中に黄緑の繭の色合わせは綺麗で目を惹きます。
しかしながら、気が付かない人もいるので踏まれる…
最近は蛾も以前より少なくなりました。この蚕から蛾が破って出てくる前ですと糸も引けます。
一万歩の森(那須街道アカマツ林)は、約14,000本のアカマツを主体とする那須街道の両側に広がる面積79 haの国有林です。
樹齢100年を超えるものもあり、また猛禽類のオオタカも生息するなど、全国的にも貴重なアカマツの天然林です。
赤松林は林野庁が管理しています。
広大な面積の林を整備するのは毎年いろいろ…
マツクイムシの駆除や枯れた松・雑木の伐採。
昨年は一人の作業員がロボットの草刈りを操作しておりました。つい話し掛けた。
この時期は何人もの方々が手作業でアカマツの間のクマザサを刈り取っていました。
「こんにちは」気持ちの良い声掛けをして通り過ぎる。
アカマツ林まで車で10分。この環境に感謝!
気温8℃の中…
5000歩小1時間を目安に気まぐれにウォーキング。終わる頃には上着のボタンを外します。