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ミニマリストに変身する小屋
8月25日
今日は記念すべき日。待ちに待ったコヤキチの棟上げを決行するまさにその日なのである。昨日夕方から降り出した雨が深夜には1時間あたり100ミリに迫る豪雨になったらしいが、(翌朝人から聞いた話だ。僕は爆睡していた。森の夜は10時にもなれば睡魔が襲ってくる)それが嘘のように晴れ上がった。今度は雨のせいで順延か! という悪い予感を裏切ってのピーカンな棟上げ日和になったのである。というのも、当初予定していた棟上げが、仕事を依頼する大工さんたち全員がコロナにかかってしまってまさかの延期となっていたのである。コロナ、天候不順と、時代を感じる棟上げだ。
それにしても、この清々しい深緑の風景をご覧あれ。なにしろ、ここは六万坪のクヌギの森の一角なのである。ステッドサンス由布の森という名前をつけた標高約700メートルの別天地だ。そこにミニマリストに変身する小屋(コヤキチ)を建てようという計画なのである。
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たった◯坪のスモールキャビン。(◯坪なのか?はお楽しみ)そこでまともな暮らしができるのか?という疑問が頭をもたげる人に宣言したい。大丈夫! テーブルと椅子があれはリビングができあがるし、水と火があれば生きていける。しかもこのスモールキャビン、その遠慮がちな言葉の響きからは想像できないかもしれないが、寝室も浴室も、さらには幅2400ミリの造作キッチンやたっぷり収納ができるロフトだって備えているのだ。
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たった◯坪なのに、なぜそんな完全武装のようなことができるのか?それがデザインなのだ! と言えばそれまでなのですが、たとえば上の写真の手前の突き出した部分は下屋(げや)になっていて、それが寝室とウッドデッキを覆い、コンパクトな中にも広がりと暮らしやすさを挿入するという具合で、そんな細々とした仕掛けを空間のそこかしこに潜ませているのである。
クヌギやサクラ、クリ、エノキなどがつくりだす木漏れが気持ちいい。そして、真夏の現場なのだが、涼しい! ほぼ2週間前にはコロナの床にあった大工さんたちも、足場の上をスイスイ移動し、気持ちよさそうに仕事をしている。
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午前中でほぼ骨組みが完了。ちっちゃな家なので、クレーンを使うこともなく、手あげでの作業となった。この後、垂木の上には杉の粗板を貼り、それを野地板とする。床のネダレス合板はいた仕方ないのだが、屋根の野地板は合板は使わない仕様にしている。合理性と自然の摂理に従うその両方をバランスよく行うのも、このスモールキャビンCOYAKICHIでチャレンジしたいポイントだ。
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小屋を基地にする。だからコヤキチ(COYAKICHI)と命名した。ちっちゃいけれど広い! そんな魔法の空間があれば、人はみなミニマリストになれるのか?そんなチャレンジ物語を、これから実証的に発信していきたい。これはまさに、スモールキャビンという新しいライフスタイルの提唱なのであ~る。
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