桑原あきら
建築デザイナーの僕は、福岡と湯布院で2拠点生活を実践している。 森の中に建てたたった7坪のスモールキャビンCOYAKICHIでミニマリスト生活 にチャレンジしながら。そこで感じたこと、発見したことをお伝えしたいと思います。
素敵なご家族だなぁ 写真を撮らせてください。 根菜サラダのような僕のお願いに、 はい、いいですよ。 ご快諾をいただいて 僕はさあっと 風みたいにシャッターを切り、 ほらこんなに素敵な笑顔たち。 ここを写す幸せスナップ。 家たちも楽しそうではありませんか。 湯布院の森のほんのひと時。 お寒いなか、ありがとうございます。
この季節は、森が晴れているときにコヤキチのオープンハウスを開催しています。 とは言え、森は積雪や路面凍結で近づくのが困難!という時があります。 やまなみハイウェイに慣れている方でも、森に入るなだらかな坂道がスリップするから森に入るのを断念する、ということがあるのです。 すなわち、四駆×スタッドレスが必須となります。 オープンハウスを開催するときには、上記のことをご理解の上、 状況によってはお車に必要な装備を施してのご来場おお願いしています。 このコピーを書いている今は、
朝日はすべての物をきらめかせる。 裸になったクヌギの木もわずかに残る常緑樹の小さな葉っぱも黄金色に輝かせる。朝日は室内にも潜り込み、キッチンの壁を、包丁や白湯をそそいだグラスや金柑やグラノーラも甘い光の縁で彩る。 風呂掃除をし、生物の滓を枯枝コンポストに埋め、野鳥たちの活動に耳を傾け、冷たい空気を胸いっぱいに吸い込んだ。 気持ちいい。 昨日までの都会暮らしが嘘のようだ、と身体中が感じている。 早い物でコヤキチでの二拠点生活も一年を過ぎた。 いろいろあった。 同じ森の中に
2月の11日12日の土日は、2週間前の大雪が嘘のようなうららかな晴天に恵まれました。 『啓蟄 けいちつ』とはよく言ったもので、〝冬籠りの虫が這い出る〟ように、気温が高まるとそわそわと人も動き出すのですね。 お陰様で、コヤキチをご見学されたい方や、家づくりのご相談、この由布の森に土地を購入して2拠点生活をはじめたいという方などにご来場いただき、森も小さな賑わいに包まれたのでした。 森のオモテナシは、焚き火です。 そこそこに温かい陽射しがあったので、外で会話していても、焚き火が
よく聞かれること。 「これで本当に7坪なんですか?」 いつも答えること。 「そうなんです。デザインした僕も不思議なんですけど」 僕も含め多くの人は、思い込みという〝ボックス〟に取り込まれていて、 本当の事実が見えていないことがよくある。 厄介なことにそのボックスはガラスの壁で出来ているから、自分が〝箱入り人間〟だということに、ほとんどは気づかずじまいなだけなのに。 ちっちゃいから狭いとは誰も決めていない。 ちっちゃいから安っぽいとは誰も決めていない。 そうしなければならな
この日は2つ目の枯枝コンポストづくりに着手しました。 コヤキチで出た生ゴミは最初のコンポストに入れています。上に腐葉土を乗せていますが、うまく発酵までつながっているかは、まだ寒いので未知数。 でも匂いもないし鹿たちにいたずらされることもないし、 それに何といっても枯枝を積み上げたいくこと自体が楽しいのです。 何だか手作り積み木で遊んでいるみたいです。 というわけで二つ目の製作になったわけですが、他にも数カ所で建設予定! 前の所有者が森の樹木を整備した際にできたと思われる腐りか
2拠点生活の意義は、普段の生活とは異なる「他の暮らし方」を体験できるところにあるのではないでしょうか。 それはもしかしたら、「パラレルワールド?」とも思えるくらいの全く異なる世界を体験すること。そしてその体験から、新しい生き方を発見することかもしれません。 今日は、2拠点生活の意義についてお話をしようと思います。 今朝、福岡の自宅で三つ折りのマットレスをたたんでいて気づいたことがありました。 日によって、素早く三つ折りできることもあれば、うまく折り畳むことができずに中途
朝の4時に目が覚めて気づいてしまったのです。僕はこのコヤキチに「火の番」をしたいがために来ているのではないか、と。 そこから、妄想に火がつきました。 目の前で炎となりやがて燃え尽きていく薪たち。 その赤々とした末路をじっと見ていると、ふと思いました。 この薪たちは、長いこと風雨にさらされ、間引き競争からも生き残ってきたツワモノたちではないか。だとすれば、薪ストーブとは、まさにツワモノたちの夢の跡に違いない。 あれほど固く、物によっては深く捻れ、重々しい存在感のある薪たち。
昨日の朝は2日遅れの御来光を拝むことができました。 その輝きに圧倒されたので、思わず二礼二拍手。 朝焼けのコヤキチもいい感じです。 朝食の後に、野鳥たちに餌やりをしました。 今日はコガラやシジュウカラも顔を見せてくれて、本当にこの森は野鳥の楽園です。 屋外のテーブルの上に置いた餌はみんな食べに来るのに、 手のひらに置いた餌はヤマガラしか食べにきません。 ゴジュウカラは近くまで来るのですが、どうも様子をみているようです。 野鳥にもいろいろと性格があるのですね。 人間の気配を
年明け早々コヤキチへ。 北斜面にはまだ雪の残るやまなみハイウェイを軽快に走って 由布の森へやってきました。 この森は南斜面なので、雪はほとんど残っていません。 斜面地の場合、方位がとっても重要なのだと改めて肝に銘じました。 さっそく薪割りをし、薪ストーブに火を入れて今夜の暖を確保。 車から荷物をおろしたりしていると、 なんだか野鳥たちが近くに寄ってきている気配。 お隣りのカフェがお休みなので、ここ数日は誰も餌をくれる人がいないのでしょう。ひまわりの種を手のひらに乗せた
コヤキチも静かに冷たい空気を深呼吸しているようです。 庭のあちらこちらに、サンタクロースの足跡を発見してしまいました。 福岡の弊社ギャラリーで開催した『都会の森のちいさなお店』に出店されたILMWさんのクリスマスリースも、雪に埋もれて、幸せそうです。 枯枝コンポストも雪に埋もれています。 どうやら鹿たちは、何もいたずらしなかったみたいです。 コヤキチの表札も、雪を映してなんだかクール。 お部屋の中はポカポカですが、薪が湿っていて、火を起こすのに、いつもより時間がかか
薪名人と出会った。 お隣のカフェ『森の交茶店』加藤さんの紹介です。いや~、加藤さんは地元だけあって本当に顔が広いんですね。本当に助かる! 我が家の薪はストーブが小型なので30センチの長さのものしか燃やせない。ところが、世の中に出回っている薪はほぼ35センチ以上、40センチが普通といってもおかしくないくらいなのである。 コヤキチでの暮らしをスタートしたのが11月だったので、薪を手配するのに出遅れた感があって、ネットで検索しても「今年の薪は売り切れました」という告知ばかりが
薪名人と出会った。 お隣のカフェ『森の交茶店』加藤さんの紹介です。いや~、加藤さんは地元だけあって本当に顔が広いんですね。本当に助かる! 我が家の薪はストーブが小型なので30センチの長さのものしか燃やせない。 ところが、世の中に出回っている薪はほぼ35センチ以上、40センチが普通といってもおかしくないくらいなのである。 コヤキチでの暮らしをスタートしたのが11月だったので、薪を手配するのに 出遅れた感があって、ネットで検索しても「今年の薪は売り切れました」という告知ばかり
見よう見真似で枯枝コンポストをつくってみた。 この森の所々に積んであった枝打ちした枯枝の山。それが気になっていて、何かできないかと考えていたのだ。 その枯枝の山の下の方は、おそらく腐っているから、それを堆肥づくりに応用することも含めて、何かできないか、と。 するとある日YouTubeを観ていると、北海道の人がガーデンづくりで枯枝を使ってコンポストを作っている映像が紹介されていて、これはやってみたいな、と即行動にうつしたのだった。 枯枝をポキポキ折りながら、多角形に組んで積み
12月11日 目が醒めると、静かに寝床から抜け出し、薪ストーブをチェックした。外はまだ暗かった。テラスドアを開けてウッドデッキに出、軒下に積んでいる薪を数本とって急いでドアを閉めた。外はかなり冷えている。 熾火の上に焚き付け用に細く割った薪を井げたに組んで置き、その上にあまり太くない薪を乗せ、着火材に火を点けた。 窓をすこし開け、空気が薪ストーブの半開きになったガラスの扉から炉内に入り込むように気を配り、炎が立ち上がるまで仄かに暖かい床に座り込む。炉内に勢いよく炎が回り始め
12月8日 今度の土日は、久しぶりに森に行く。 体調を崩して気分まで落ち込んでしまい、森に行こうという意欲が沸かなかったのだ。 それが現金なもので、体調が戻るにつれ、心がふつふつと泡立ちはじめる。ベランダで陽を浴びていると、ゆるやかな沸騰のようなものが起こり、情熱の泡が頭の中の活気を呼び覚ますのだ。 このお決まりの復活プロセスは、思考に支配される人間ならではものだと思う。 これが植物だったらどうだろう? 植物は思考に支配されないから、体調が芳しくないと悩んで落ち込んだりし