シェア
桑原あきら
2024年1月13日 10:06
朝日はすべての物をきらめかせる。裸になったクヌギの木もわずかに残る常緑樹の小さな葉っぱも黄金色に輝かせる。朝日は室内にも潜り込み、キッチンの壁を、包丁や白湯をそそいだグラスや金柑やグラノーラも甘い光の縁で彩る。風呂掃除をし、生物の滓を枯枝コンポストに埋め、野鳥たちの活動に耳を傾け、冷たい空気を胸いっぱいに吸い込んだ。気持ちいい。昨日までの都会暮らしが嘘のようだ、と身体中が感じている。