金魚【歌詞】
雨音チラリ、燦(きらめ)いて硝子の跳ねる音がする
その旋律は広大な水の中を生き生きと泳ぐ金魚のよう
水から自(みずか)ら飛び出て、空中ヘ飛んだ
エラ呼吸を捨てて、肺呼吸になって空を飛び回る
尾を動かす度に硝子製の鱗の擦(こす)れる旋律がする
その音はチリンチリンと風鈴のように鳴り響いては振動させて、耳元の空気を揺らす
それは宝箱に隠してた大切な気持ちのようで大事に大事にしまっておいたものに近い
その音色は薄青紫の夕暮れ前の空の通り雨を呼んできて
金魚はエラ呼吸と肺呼吸のハイブリッドになって音を進化させた
通り雨の中を愉しそうに飛んでは泳ぐ金魚
尾を揺ら揺らと動かし、薄い鱗を虹色に輝かせて、眼に虹を魅せる
綺麗な硝子音と奇観を呈(てい)する眼に落ちた虹は身体を無色透明にする
金魚のように呼吸のハイブリッドになって、空へと宙に浮く
見える景色は雨上がりに近い空から差した一筋の光が照らす夕映え
寒暖感が魅せる色のコントラスト
涙が流れる、心の通り雨
その心に金魚が舞い降りる
心にチリンチリンと音色の残響音
金魚が愉しそうに泳いでる
つられて心も愉しくなる
日が暮れる数分前のこと
ふと気付くと雨は上がっていた
金魚は心から昇華して晴れた空に昇っていった
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