生きるための読書について
通勤途中に乗っている電車で、よくベストセラー小説の広告を見かけます。
胸を揺さぶられる、感動する、泣ける、涙が止まらない・・・。
そんなワードが大きく記載されていることが多いですが、自分はずっと、「読書」という言葉に、「感動」「泣ける」という言葉がなかなか結びつかないのです。
あと、スリラー小説でよくある、「驚異のどんでん返し」「あなたは二度驚く」というような、「驚きの体験」を期待させる煽り文句。
こういうのも、なかなかピンとくることがありません。
本屋の平積みの売れている本を見てもあまりときめくことが少なく、どうやら、多くの人たちが読書に求めているものと、自分が読書に求めているものは、違うのかも?という思いをずっと持っていました。
私は物心ついたころからずっと読書を一番の趣味にしていて、学生の時も、社会人になってからも、いつも本と一緒に生きてきたと言えると思います。
ただ、楽しいから本を読んでいるとか、感動したいから読んでいるとか、そういうのとはちょっと違う気がしています。
言うなれば、人生を生き抜くために、本が、特に文学が必要である。そんな関係性だと思っています。
もう少し言葉を補足すると、自分を取り巻く環境、仕事、人間関係、悲しみや痛み、孤独、愛情や思いやり、そういうものを理解し、時には逃げ道を見つけるための拠り所のような存在という感じでしょうか。
いつもそういう何かを探して本を読んでいて、巡り合えた感触があると、人生を豊かに味わうための扉がひとつ開いたような喜びがあるのです。
誰かが次に読む本を探す時のたしにできたら、という思いで、読んだ本についてここにちょっとずつ書いていこうと思っています。
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