メキシコから世界へ チーノ夢への第一歩
現地時間1月7日、メキシコシティの空港には多くのサッカーファンが駆けつけた。
その目当てはセサル・ウエルタ。
彼は近年噂されていたヨーロッパ移籍を実現させ、多くのメキシコサポーターの期待を背にベルギーへと飛び立った。
特徴的なその髪型からチーノの愛称で親しまれるウエルタ。(メキシコでは縮れ毛をチーノと表現することが由来だという)
2018年、チーバスでプロデビューを果たすと、マサトランなどで経験を積み、2022年プーマスへ移籍。
2023ー24シーズンは、37試合11ゴールの活躍でチーム得点王になるなど、頭角を現した。
持ち味は、サイドを切り崩すドリブル。
スピードとテクニックを兼ね備えた彼のドリブルと彼の髪型が、リヴァプール所属のモハメド・サラーに似ていることから、「メキシコのサラー」との呼び声も高い。
↓ 2023年のチーノプレー集
そんなチーノが加入するクラブは、ベルギー1部のアンデルレヒト。
元ジュビロ磐田の後藤啓介選手が昨年契約を結んだベルギーの名門クラブの一つだ。
チーノはプーマスで活躍を魅せた2023年頃から、複数のヨーロッパクラブとの噂があったものの、移籍金など交渉が難航し、実現しなかった。
そんな中で、実現したアンデルレヒトへの加入。
本人のコメントにもあるように、幼い頃からの夢見た舞台にようやく辿り着いた。
自身のインスタグラムに幼少期の写真とアンデルレヒトでの写真を載せ、”De los sueños a la realidad”「夢が現実に」と喜びを表現した。
この投稿からわずか1週間後。
チーノはさっそく、ホームでデビューを果たした。
1点リードで迎えた後半アディショナルタイム、逆サイドからのクロスを合わせ、デビュー戦ゴールを記録。
出場時間は19分であったが、持ち味のドリブルも披露するなど、内容、結果共に最高のインパクトを残した。
このデビュー戦に現地メディアも、「完璧なデビュー戦」と高く評価。試合後、チーノとアンデルレヒトサポーターが勝利を祝う姿がクラブのSNSにアップされた。
コメント欄には、メキシコからのメッセージで溢れた。
“¡Vamos!” 「頑張れ!」
“Orgullosos de nuestro Chino”「我らの誇りチーノ」
ベルギークラブのSNSに寄せられたスペイン語のコメントからは、母国のサポーターからの期待の高さが伺える。
チーノ本人は自身のSNSに、初ゴールを喜びつつ、こういったコメントを残した。
順調なスタートを切ったチーノは、まだまだ先の夢を見据える。
彼の挑戦は、メキシコサッカー界の期待も背負っている。
メキシコから世界へ、
大舞台で夢を切り拓くため、彼の挑戦は続いていく。