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【レビュー】W杯最終予選日本対中国 圧勝の中に課題あり
遂にW杯最終予選の始まり。去年はかなりの苦戦を強いられましたが、史上最強と言われる日本代表が果たしてどんな戦い方を見せるのか
結果は7-0の圧勝。完璧な試合のように見えますが、以下記事で守田選手も話すように前半は停滞していた感があり、改善余地のある試合だったと思います。試合を振り返ります
まずは基本フォーメーションから
3バックでロングボールを跳ね返す日本
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日本は343。最近の試合と同じく3バックを採用。アジアカップでの敗戦を受けて相手チームがロングボールを放り込んでくることが予想され、その中でDFラインの選手を増やす判断は賢明だったと思います
対する中国は442。5バックで守備を固めてこなかったのは意外でした
中国はやはりボールを持ったらとにかくロングボール。日本はスピードと高さがあるサイドのCBを中心に跳ね返します。アジアカップの反省もあってか危なげなかったです
前も後ろも数的優位でボールが運びやすい
ボールを跳ね返した日本は長短のパスを織り交ぜてゴールに迫ります。中国が2トップで日本の3バックが数的優位になり、DFラインからかなり楽にボールを運べました。DFラインがドリブルで積極的にボールを前に運んだ点もとても良かったと思います
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また、日本の前線はWBも上がって5トップのような形になり、中国の4バックに対して数的優位になりがちでした。中国は必然的にボールサイドと逆サイドの相手WBをフリーにさせる形に。そこに日本がロングボールを蹴って攻め込むパターンも見られました。この辺りは意図された戦術だったと思います
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即時奪還して押し込み続ける
日本は相手を押し込み、突破力があるサイドの選手を起点にゴールを狙います。その後、ボールを失ったら即時奪還を試みる形。この即時奪還の日本のプレッシャーが速く、中国はなかなかボールを保持できません。日本のCBがコーナーポスト付近までプレッシャーをかける場合もあるなど、かなりの圧力でした
ゴール手前で攻撃が停滞
しかし前半の攻撃はゴール手前で停滞した感がありました。個人的にはサイドの選手の一対一での突破に頼り過ぎた印象を受けています。相手はサイドハーフも戻って守備をしており、サイドだけで見れば数的不利に陥ってしまったため、サイドの突破に頼るのは得策でなかったと思います
せっかくDFラインに対しては数的優位だったので、中央への縦パスや、相手のDFライン裏へのパス・クロスをもっと出して良かったと思います。特に左サイドは南野選手や上田選手が裏を狙う動きを繰り返していて、これをシンプルに使って良かったかな、と。逆に右サイドはもう少し裏を狙って良かった気がします。裏抜けが足りないので相手のポジションが崩れにくかった印象です
全般的にボールを大事にしようとする姿勢が強過ぎたのかもしれません
また、守備面では以下の課題も見られました
442化が間に合わず相手のSBがフリーに
日本は守備時、堂安選手と久保選手がやや下がり目、三笘選手が上がり目の442に近い布陣を敷いていました
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このように、三笘選手が前に上がる前に中国の右SBにパスを出され、フリーでボールを蹴り込まれる場面が何度かありました
343は4バックのDFラインに対して守備時には数的不利に陥ります。これではプレスがかかりにくくロングボールも蹴られがちです。442化してプレスの圧力を高める試みは見られましたが、より練度を高めることが必要と感じます
WBへのクロスボールを狙われる
中国の数少ない攻撃の中で、堂安選手の方にクロスボールが蹴り込まれた場面がありました。堂安選手は守備が本職の選手ではなく、ヒヤッとした場面です
カタールW杯でもWBの伊東選手が狙われて失点する場面がありました。WBへのクロスボールは今後も狙われると考えられ、対処が必要だと思います
より強い相手と戦ってどうか
後半は中央への縦パスや裏抜けをシンプルに使う意識が見られ、攻撃が改善したように感じます。中国か5バック化した後も、数的優位を作るためにボランチが前線まで上がったり、サイドハーフが居なくなったスペースをシャドーが使ったりと、ポジション取りの工夫があって非常に良かったです。日本代表の対応力を感じました
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個人的には守備の問題が気になりました。敵が強くなった時にはこの問題がより強く出てしまう気がします。WBで守備に秀でた選手は少ない印象で、この問題は解消し切れないのかもしれません。アーセナルやシティのように全員CB的な4バックが守備面では最強なのかな、と感じます
いずれにせよ、次戦のアウェーバーレーン戦は本当に大事。リアルタイムで見るのが辛い時間ですが頑張って見て応援したいと思います