#8 “Sing2“と最高の音楽が聴けるあの映画についての話
いやぁ、とうとう公開されましたね、“Sing 2”。思い起こせば数年前、なんとなく映画館に観に行った最初の“Sing“に思いのほかブッ飛ばされてしまってからもう結構経ちましたが、当時あまりにヤラレてしまったせいで、今でもあのコアラのムーンを見かけるだけでもちょっと涙腺が緩んでしまう感じなんですよね。
様々な動物がキャラクターに扮して登場するビジュアルも含め、子供向けな感じがするかも知れませんが、さすがは“ミニオンズ”の制作チームの映画だけあって、僕みたいなおじさんにもグッとくるギミック満載で。スカーレットヨハンソンがパンキッシュなハリネズミに扮してオリジナルのロックソングを歌い上げてたり、チョイ役できゃりーぱみゅぱみゅの曲が使われてたりする最初の“Sing“、中でも好きなのが、タロン・エガートン(そうなんです、あのキングスマンのハンサムな彼です)扮するゴリラのジョニーがピアノを叩きながら歌うエルトンジョンの“I’m still standing”がとにかく最高なんでこちらをどうぞ。
エネルギーに溢れてカッコよかった頃のエルトンジョンの曲(原曲のMVもイカしてるのでぜひ)のチョイスも最高やし、本人歌うますぎやし。タロンエガートンはその後、エルトンジョンの自伝的映画にも本人役で出演、そのなんともスウィートな歌声を披露しまくってます。
で、明らかに映像のスケールも出演者も大幅にパワーアップした“Sing 2“がまあまた良いんですよねぇ。片田舎の劇場が舞台だった前作から、明らかにラスベガス的な街を舞台にして映像のスケールも爆上げの今作、前作のキャストに加えて、ワガママ社長令嬢のオオカミに扮するホールジーがアリシアキーズの“Girl on Fire”を歌い上げたり、ちょい役ながら象に扮したファレルウイリアムスあの裏声を聴かせてくれたり、んで極めつけは復活を遂げるライオンのロックスター役でボノまで出てきてスカーレットヨハンソンとU2の曲を歌っちゃう始末。もうてんこ盛りでマジ最高です。それ以外にも、トレーラーを観るだけでも新旧様々なポップソングが使われててニヤニヤが止まらないこと請け合いです。
“Sing2“の余韻もあって、“そういえば今までにも、音楽がテーマになってるサイコーの映画って色々あったよなぁ“なんて思いを馳せてたんですよ。
そしたらパッと思いつくだけでもSchool of Rockとか、Sing Streetとか、Northern Soulとか色々思い出します。今も昔も挙げればキリがないですよね。
中でも僕が1番好きなのが、”Young @ heart”っていうドキュメンタリー映画なんですよ。この映画は、今も活動を続けている、定年を過ぎたおじいさんやおばあさんがメンバーのコーラスグループ“Young @ heart”に密着したものなんですけど、まずはちょっとこのトレーラーを観てくださいな。自分の両親よりも明らかに年上の人たちが、ソニックユースだのJBだのクラッシュだのの曲を体を揺らしながら生き生きと歌い上げる姿がもうたまりませんので。
この映画、配信とかされていないみたいなのでDVDでしか観られなさそうなのですが、無茶苦茶笑えて、気づいたら涙が止まらなくなって、アホみたいに“いやぁ…音楽って、本当に最高なものですね“とか淀長さんも真っ青になりそうなストレートなこと言いたくなるんです。いやホントに。
いい歳したおじいちゃんおばあちゃんがコンサートでいい顔して歌う姿… 病気がひどくなって参加できなくなったり、亡くなってしまったり、出会いと別れを繰り返しながら、それでも音楽を通して前を向いて生きる姿… 映画の後半で披露される、本来は2人で歌うはずだったのにパートナーが亡くなってしまって、自分自身も闘病のさなか、悩みながらもステージに立って歌い上げるコールドプレイの“fix you”、こんなに感動的な音楽を、歌を、僕はあんまりたくさん知らないかも知れません。