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TOC(制約理論)で行政を改革する by Kristen Cox ③

こんばんは。
『行マ研サポートライター』の狂さん(Linkedin HN)こと、山﨑です。
今晩もよろしくお願いします。
いつもお知らせしている『行マ研(全体最適の行政マネジメント研究会)』の4年ぶりのリアルセミナー
『仕事の生産性は上がってますか? 行政課題解決セミナー』
まであと4日となりました。

お申し込みがまだの方は、是非お申し込みいただければと思います。


クリステン・コックスさんが日本に来られて講演された動画を、今日もご紹介したいと思います。
この動画ですが、TOCクラブの会員(登録無料)であれば誰でも見られるものなのですが、YouTubeなどでの一般公開はされていません。
ただその内容は、正に『TOC(制約理論)で行政を改革する』という、とてつもなく大きなチャレンジそのものであり、そしてそれを成し遂げられた実践報告でもあります。
発表の中でクリステン・コックスさんがいくつかの章に分けて発信されていますので、その章ごとに分けて記事を書いていきたいと思います。



動画の視聴方法

目が不自由でありながら、米国のユタ州の行政改革をリードし、Business & Enterprise Awardを受賞した米国を代表する女性経営者の一人、クリステン コックス・エグゼクティブディレクター。
納税者から託された貴重な、そして限られた予算でいかにして住民のためのマネジメントをするか、この課題に真正面からTOCで取り組んだ事例を紹介しています。
コンテンツはもちろんですが、明るい人柄と目が不自由であることを感じさせないプレゼンには、いつも圧倒され、勇気をもらえる素晴らしい内容となっています。

TOCクラブ『TOCで行政を改革する』動画紹介文を引用

この動画に行き着くには、まずTOCクラブの会員登録(登録無料)をしていただいてから、トップメニューにある
[TOCクラブ・アーカイブ]
を選択してもらい、そこにドロップダウンリストがでるので、下から3番目の
[行政・社会貢献]
を選択してもらって、その後で開かれるページの一番下。
[TOCで行政を改革する by Kristen Cox]
を選んでいただくと、動画が視聴出来ます。
と、とりあえず紹介させていただきましたが、コレってどれだけ興味がある方でも、TOCクラブのサイトに行って、会員登録をして、その後動画まで辿り着くのに、これだけの数のリンクをクリックしなきゃならないというのは、余りにハードルが高すぎると思ってます。
(だから記事にしようと思ったってのもあるんですが・・・(😅))
しかしその内容は、特に行政職員の方であればあるほど、一見の価値ありとオススメ出来るものです。
また民間の方であっても、会社が官僚的な組織になりつつあるなどのお悩みがある方にとっては、本当にヒントになる内容が満載です。
1時間少々の動画ですが、ぜひ一度、ご覧いただけたらと思います。



「TOCの素晴らしいところは、我々をアンビシャス(意欲的)な目標に向かって考えさせるところです。」

「可能であると仮定して、シンプルに「どうやってやるの?」と尋ねるだけです。
 できるか、できないかを考えるのではなく、求める成果を得るために、何をすればよいかを、逆算して考えるのです。」

TOC(制約理論)の様々な考え方とノウハウを使うことで、

  1. Can we improve?
    改善は可能なのか?

という一つ目の問いに対して、
「人々は改善可能である」
「人々はできる」
という答えを、クリステン・コックスさんはしめされたのです。



改革のロードマップ 4つの誤り

TOCクラブ「TOCで行政を変革する」動画より抜粋引用

『SUCCESSフレームワーク』を作った彼女は、その後24人の閣僚を前に、全ての領域で25%の改善を進めると宣言します。

それは彼女にとっても、勇気のいることでした。

続いて彼女は、改革のロードマップを示します。

それは、

2.How do we improve?
  どのように改善するのか?

を現すものでもありました。

そのロードマップとは、『4つの誤り』を示すものだったのです。
その『4つの誤り』とは、以下のそれでした。

  1. 組織変更

  2. もっとお金が欲しい

  3. 単に自動化しよう

  4. 研修を徹底しよう

では一つずつ、クリステン・コックスさんの講演をお伝えしましょう。



1.組織変更

「政府組織がしばしば陥り易いことで、もしかしたら民間でも同じかも知れません。
 私の州政府での経験では、変革を進める際に、往々にして組織変更という手段に飛躍してしまうのです。
 組織をいじり回すことで、あたかも問題が解決したかのように思うのです。
 組織変更ばかりするのです。
 やれ『中央集権』だ。
 いや『権限委譲』だ。
 といって人を動かすのです。」

2.もっとお金が欲しい

「『もっとリソースが必要なのでお金を増やして欲しい。そうすればもっと良い仕事が出来る』といった話です。」

3.単に自動化しよう

「プロセスが複雑怪奇なのに、とにかく自動化しよう。そうすれば、全てうまく行くといった話です。」

4.研修を徹底しよう

「職員の研修をもっと進めれば、問題は自ずと解決するという話です。」


これらのことは一見すると、決して間違ってはいないように見えます。
全て問題を修正しようとしている訳ですから、悪いことではありません。

ですがココで何度もお伝えしているように、まずは問題を定義する必要があるのです。

クリステン・コックスさんも同じ発言をしています。

「これらのことは決して悪いことではありません。
 でも最初に問題の本質を見極める必要があります。
 根本原因。すなわちみんなの仕事の流れを阻害しているものは何かを見極めることです。」

TOC(制約理論)の教えの通り、彼女はまず「問題を明確に定義する」ことから始めなければいけないと言っているのです。

「これらのことを語るのはその後です。」

彼女が語ったように、多くの人が間違えているのは順番なのです。

「でも行政では、とにかくこれらの取り組みに、流されてしまいがちです。
 そこで私たちは、『まずプロセスや制約を見てみよう。それからこれらを語ろう』と考える手助けをするのです。」

彼女はこの点をかなり厳格に強調しているそうです。
やはり各部局と仕事をする時に、一番大切なのは『プロセスと制約(ボトルネック)』であるという共通認識を持つ必要があるのでしょう。



ものごとをシステムとして捉える

「一方で、人々がこれから述べる考え方を理解し、実際に運用し始めたら、とても有効なものになります。
 今日お集まりのTOC関係の皆様には、これらのことはシンプルだけれどもパワフルであることはお分かりと思います。」

ものごとをシステムとしてとらえるという重要な考え方です。」

行政組織は、どうしても縦割りになりがちです。
でもこの縦割りを打破して、横のつながりを組織全体に作り出さねばなりません。

仕事というものは基本、横に流れていくものです。
つまり、横の流れがなければ、仕事の流れが滞ってしまいやすくなるのです。

なので、クリステン・コックスさんは、物事を一つのつながったシステムとして捉える方法を考え出したのです。

「システムのどこまで深く入っていくかによりますが、システム思考に積極的に取り組んでいます。
 時には部分最適の考えをやめて、考え方を入れ替えてもらわなければならないので大変です。」

「私たちはゴールについて度々話題にします。
 これはシンプルなことに思われます。
 特に民間の場合は明確なゴールがあります。
 社会的なゴールもありますが、とどのつまりは利益を出すことがゴールですよね。
 では州政府におけるゴールとは何でしょうか?」



次回予告

民間企業であれば「利益を出すことがゴール」という、明確なものがあります。
ですが、行政府・州政府であった場合はどうでしょう。

「これが州政府のゴールである」と、明確に提示できるでしょうか?

そのことについて、明日じっくりと、クリステン・コックスさんの講演内容をお伝えしたいと思います。



仕事の生産性は上がってますか? 行政課題解決セミナー


行マ研では、クリステン・コックスさんのメッセージに支えられ、『セミナー』や『オフ会』を通じて、TOC(制約理論)の問題解決を学び、それを現場に活かしていきたいと考えています。
『全体最適のマネジメント理論』TOC(制約理論)を一緒に学び、実践する仲間を一人でも増やしたいと考えています。

そしてこの度、「仕事の生産性は上がってますか?」というテーマで、
4年ぶりにリアルの『行政課題解決セミナー』が以下の予定で開催されます。

12月15日(日)13時30分~17時00分
会場:明治大学駿河台キャンパス
TOC(制約理論)を活用し、イベント参加者が知恵を出し合って問題解決に取り組みます。

参加費無料/行政・企業の方にかかわらず参加できます。

『セミナー』のお申し込みは、
こちら(👇)からお願いいたします。

この4年ぶりのリアルセミナーに、1人でも多くの方が集まっていただきたいと、切に願っております。

官・民の枠を超えて、メンバーを募集していますので、是非このセミナーにご参加いただきたく思っております。


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