『所変われば品変わる』と言いますが・・・
今日もご覧いただきありがとうございます。
今日はちょっと面白いコーヒーが手に入ったので、そのお話になります。
タイトルにもある通り、『所変われば品変わる』と言いますが、これって本当だったんだなって話です。
それでは、本日もよろしくおつきあいくださいませ。
エチオピア産のスペシャリティコーヒー モカ・イリガチェフェ
コーヒー発祥の地とされ、事実コーヒーの木の原種である『アラビカ種』の原産地であるエチオピア。
そのエチオピアのスペシャリティコーヒーと言えば、『モカ・イリガチェフェ』です。
『イリガチェフェ』は、独特の柑橘系の風味を持っていて、特徴的な香りと共に、柔らかな酸味のある非常に美味しいコーヒーです。
私も『イリガチェフェ』は大好きなコーヒーのひとつで、時として無性に飲みたくなる時がある、癖のある(笑)コーヒーの一つです。
そういう時は、いつものお店にお願いして手に入れてもらっています。
そのお店には常備していないんですが、兄弟店が常備しているので、そこから流してもらっています。
さて、そんな有名な『イリガチェフェ』ですが、そのコーヒーをエチオピアではなく、ブラジルで作ったらどうなるか?
それが今回手に入れた『サントゥアリオ・スル・イリガチェフェ』です。
違う国の豆を栽培するのは良くあること
今回手に入れた、ブラジル産の『イリガチェフェ』のように、特産のコーヒー豆を別の国で栽培するのは、特に珍しいことではありません。
上島コーヒーが年に一度販売している『ブルボン・ポワントゥ』もその一つです。
この『ブルボン・ポワントゥ』は、150gで12,000円(+税)もする、超高級スペシャリティコーヒーで、上島コーヒーが独占販売しているように思われています。
確かに、フランス領のレイユニオン島で取れる『ブルボン・ポワントゥ』は上島コーヒーが独占販売をしています。
でも、『ブルボン・ポワントゥ』と同じ種類のコーヒー豆は、他の土地でも栽培されているのです。
私も一度だけ手に入れたことがありますが、価格は上島コーヒーのそれの1/3以下でした。
名前は『ブルボン・ラウリーナ』ですので、気になる方は一度調べて見られてはどうでしょうか?
ブラジル産『サントゥアリオ・スル・イリガチェフェ』の特徴は?
さて、ブラジル産の『サントゥアリオ・スル・イリガチェフェ』ですが、エチオピア産の『イリガチェフェ』とは大きく違っていました。
特に、エチオピア産の特徴である、柑橘系のフルティーな香りがほとんどしないのです。
ですが、フルーティーな香りとは対照的な、非常に香ばしいナッツ系の深みのある香りがするのです。
同じように味の方も、エチオピア産のフルーティーな香りとマッチした酸味ではなく、香ばしい香りとは対照的な、柔らかな甘味のある深い味わいになっていました。
元々、エチオピア産の柑橘系の香りが好きな私としては、「確かに良さそうな感じはするけど、これはハズレかも知れない」と思っていたのですが、左にあらず。
エチオピア産の『イリガチェフェ』は、特徴的な柑橘系の香りと、独特の酸味が楽しめるのですが、そのバランスが非常に微妙な時があります。
それぞれが特徴的であるがゆえに、バランスが悪いと、味同士がケンカを始めてしまという欠点があるのです。
それと共に、ベテラン焙煎士のハンドピックでも見つけ難い死に豆の多さがあるので、時々死に豆が混じってしまうことも起こってしまいます。
その味を表現するなら、非常に癖のある『ピーキー』な味だと言えます。
対して、ブラジル産の『イリガチェフェ』の味は、香ばしい香りと相まってバランスが取れた深い味わいがなんとも言えないコーヒーなのです。
しかも、何とも言えない柔らかな甘みが、全体を覆っているので、コクのあるボディが感じられるのに、決して重くないという絶妙なバランスです。
エチオピア産の『イリガチェフェ』と比べて、特徴的な香りはほとんどなくなりましたが、その分非常にバランスの良いコーヒーになっていたのです。
エチオピア産『イリガチェフェ』のギリギリのラインを狙った特徴的な美味しさも確かに良いですが、今回のブラジル産『イリガチェフェ』のようなバランスの良さもまた、対照的でなんとも言えない美味しさがありました。
ホントに所変われば品変わると言いますが・・・
『所変われば品変わる』とは言いますが、今回のように産地が異なるだけでここまでの違いが出るとは驚きでした。
とは言え、コーヒー単体の入れ方にしても、ドリップコーヒーとespressoコーヒーは全くの別物のような違いがありますし、私がオススメする水出しコーヒーも、国の違いと入ってくるコーヒーの違いから生まれたものです。
このように、本来は同じものであるはずなのに、その違いが生まれてくるのを楽しめるのも、コーヒーの楽しみ方の一つです。
今回、ブラジル産の『イリガチェフェ』を飲んで思ったのは、改めてエチオピア産の『イリガチェフェ』との飲み比べをして楽しみたいって事ですね。
基本的には同じ豆であるはずの両者の違いを、あえて比べてみるというのは、これは非常に面白いことになりそうです(笑)。
何れにせよ、その農園の土壌の違いや、気候の違いが、コーヒーの味にこれほど影響を及ぼすというのは、改めて面白い発見でした。
また、違う産地のコーヒーが手に入った時は、ここで報告したいと思います。
ということで、本日も最後までお読みいただき、ありがとうございました。
では、では。
本日の一言
『所変われば品変わる』は楽しんでナンボですな(笑)。