なぜ”思い返す”のか。なぜ”まとめる”のか?
僕は最近【Sozai】という新しいマガジンをはじめました。
初めからうまくいくわけなんてない。
初めから雑誌を作れるわけなんてない。そう思いながらはじめた雑誌作り。
そもそも本当に雑誌を作りたいのかというと実は【否】で、この行動は飲食業界において、変わるためのプロセスの一つなんだと思って始めました。
もう少しで発生から一年半が経過する新型コロナウイルスを前に多くの飲食店がダメージを受け、その都度変わろうと多くの思い腰をあげてきたかと思います。
変わるためにはきっと【なぜ?】の気持ちを”持ち続ける”ことが一番重要で、それを思い返すために書き続けるんだということが書いている中でわかりました。
【これから】の飲食業
sio株式会社鳥羽シェフの記事にもありましたが、飲食業界はいまとても大きな局面を迎えています。
そもそもの飲食業という仕組み作り事態に変化が必要で、アルコールが禁止や対面が禁止などというミクロ的な出来事だけではなく、収益の在り方やそもそもの販売物の考え方などというマクロ的な流れ自体に変化が必要だと僕も考えています。
下にご紹介しますが鳥羽シェフの考えている内容や伝える能力が高いのはさることながら、現実をしっかりと把握し次の一手を迷うことなく打てることは普通ではできません。
この場を借りて失礼いたしますが、きっと失敗しても【やっちまったー】と笑いながら修正をかけるような行動の早さが魅力なんだと思います。
レストランを軸足にする今の経営に限界を感じました。レストラン運営はまずは借り入れして返済していく基本的なビジネスモデルがあり、そこにスタッフの雇用、客単価×人数による売上の限界値があります。ある意味では重たい形で、今回のコロナのような予期せぬことが起きると、ストックビジネスではない分、店舗のダメージがそのまま会社のダメージにつながってしまいます。
きっと飲食をやっている人たちはみんなコロナウイルスにおびえています。
それは感染自体だけではなく、やってきたことの在り方を再定義することを今までしてこなかったからの不安なんだと思います。
既存のビジネスモデルを踏襲して、よく聞く売り文句を公開していれば【味で勝負することのできる土俵】がおのずと出来上がってきた時代に突然、
【土俵自体を作り直さなければいけない】という時代に突入し、また戦うことも同時進行でしなければいけないような時代になってきたこと。
しかしそれは正直逃れられない事実で、アルコール禁止などにブーイングを言っている余裕は実はないことが心の中ではわかっているからではないのでしょうか?
でも変わるということは避けられないのであれば、、、と思い僕が始めたのが【Sozai】でした。
料理人は料理を【作る】ことだけでいいのか。その奥のポリシーや考え方などを展開していかないと、料理を基軸にした新しい展開は不可能ではないのかと思い始めたのです。
正直【シズる】とかぶっているところもありますが、、それは偶然。
ただ変わるためには行動が必要で、行動を正しく導くには【思い返す】ことがとても重要だったのです。
【変わる】は”思い返す頻度”で決まる。
変わることには【行動】と【思い返す】ことがセットでついてくると僕は考えています。
変わるために当然必要な”行動”。
その行動が行く先の道をしっかりとナビゲートするための【思い返し】です。
自分は何をするためにこの行動をしているのか。どんな結果を生み出すために今やっているのか。ということは進んでいくためにとても重要な振り返りで、
料理をはじめとして様々なものに興味の多い料理人には自分を律してくれる仕組みがとても重要です。
料理人の目にはフライパンや焼き型、食材などはまるでおもちゃのように見えているので、気が付くと道草ばっかりしていることがしょっちゅうです。
僕もそんな人間なので、食に関する僕の考え方をまずはまとめようと考えて雑誌を作ることを決意しました。
これから僕の作っていく雑誌は不器用でまとまりがないところからスタートします。
ですが都度生地を書いていくことを通して、自分の進んでいきたい理想の形を常に再認識しながら歩みを進めるのでこれほどまでにコントロールしてくれる仕組みはないと思っています。
行動を結果に結びつける速さも質も実は、どんな目的を持っているかを認識できているかが鍵になると思っています。
飲食店のトートバック販売は正しいのか?
最後に一つだけ。
これから先の飲食店の在り方を大きく分ける問題を僕はトートバックを見て感じます。
よくカフェなどでは食べ物のほかに【トートバック】を販売しています。
トートバック自体はエコの流れもあり悪いものではありません。
また食材とは違い物販は腐ることもないし、飲食店が飲食物だけに頼らない収入の幅を広げる行動のように思えます。
しかし私はこれは似て非なるものだととらえています。
きっとこれから先、レストランの構造的にも収益化を高くすることはなかなか簡単なことではありません。
薄利多売なビジネスモデルも相まってしまい、より窮屈なものになってしまします。
しかしレストランの生み出す体験価値がいまだに大きいことは事実で、そこを捨てることはもったいないの一言に尽きます。
たとえそれがレストランでなくパン屋でも同じことで、人が食べ物を求めて移動することはそれ自体が楽しいものであり、美しいものです。
そんな中でこれから先は【シズる株式会社】が行っていくように【食の広げ方】を模索することがスタンダードになってくると思っています。
それはおしゃれな皿をただ販売するのではなく、その先の体験や空間を提供できる仕組みであり想いだと思います。
そう考えると飲食店のトートバック販売は現在【ただ皿を売っている】ような状況になっていると思います。
私たち料理人が今後お客様に提供していかなければいけないのは、食べ物とカトラリーと皿ではありません。
食事セットを販売するのではなく【食事そのもの】を提供していくことが使命だと思います。
空間や雰囲気、音楽や流れなどのように目に見えにくいものまでが料理人の提供しうる可能性に変わっていくと思います。
その点を含めて鳥羽シェフの【食を基軸にして、その中の事業の一つとしてレストランを経営していく】姿勢には可能性しか感じません。
そんな飲食業界はこれから暗く落ち込んだ日本をしっかりとリードしていけると思います。
鳥羽シェフには面識のない中このように記事に勝手に引用してしまい申し訳ございません。
この場を借りてお詫び申し上げます。
働きたい飲食店を目指して目標に進んでいます。