【食の値段】をしっかり考えた方がいい。
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ここ最近【食の安さ】について声を大にしてくれる人たちをよく見かけます。
堀江貴文さんやジャズミュージシャンの大江千里さん達です。
日本の食に関して一体何が問題なのかを今回は考えてみたいと思います。
【食べる】食の値段
堀江貴文さんが言っていました。
安い食事を取る人にチャンスは巡ってこない。
その言葉の本質は、食は自分への投資でそれができない人間に美味しい話は巡ってこないという意味でした。
コロナ禍でレストランに行けなくなり多くの人がレストランの思いがけない価値に気がつきました。
出会いやコミュニケーションです。
レストランは単に美味しいものを食べるだけの場所ではなく、さまざまな交流の場であったことがはっきりとしたコロナ禍で、
【食べること=つながること】という当たり前なことが当事者の料理人も今まで意識できていませんでした。
昼は鰻を食べろ
という堀江さんの言葉をかいつまんで説明すると、食べることにお金を払うと、
【なぜそんな高いのか】【人件費はどうなっているのか】【素材のためにどのような工夫があるのか】などという料理の背景にまで意識が回ります。
簡単にいうと高い食事をすると人はその値段の分、食事とは別に情報を多く持って帰ろうとします。
つまり情報で元を取ろうというわけです。
その反面安い食事(ワンコイン定食)などの自分にとってそんなに影響のない金額になると、情報を得ると言う行為ではなく腹を満たすという目的が主になります。
その結果上のように【なぜ?】と考えることもなく、食事がエサのようなものになります。
食べる事は自分への投資です。
食べる事にお金を使わないと体も健康ではなくなりますし、なによりも1日3回もある【最速で幸せになれるタイミング】を逃すことになります。
食べる値段については見直したいものです。
【払う】食の値段
ジャスミュージシャンの大江さんはYahooニュースにて下のようなコメントをしてくれていました。
Yahooニュースは一定期間掲載されたら自動的に削除されるため、部分抜粋してご紹介します。
<ワンコインランチって常軌を逸していると思います。500円のお弁当の背後には、おかずをせっせと詰めている人がいるわけです。その人たちはちゃんとした時給をもらえているんだろうか。心配になります。日本の物価の安さの裏側にあるのは、やっぱり賃金の問題じゃないでしょうか>
モノやサービスが安いことは消費者にとってありがたいことだが、そのしわ寄せは人件費にきている。「実質賃金指数の推移の国際比較」(全労連作成)によると、1997年を100とすると、2016年は日本が89.7,アメリカ115.3、フランス126.4、スウェーデン138.4と、日本人の人件費はここ20年以上ずっと下落基調だ。
かつて“ジャパン・アズ・ナンバーワン”ともてはやされた日本では非正規雇用が増加、賃金上昇が見込めず、世界的に見て“ヤバイ”状態にあるというわけだ。
yahoojapan 8/26より一部抜粋
日本の食事は確かに安い。
安い=良いではないことは以前の記事にて書きましたが、消費者がお金を払わないとそこで働いている料理人はずっと低賃金のままです。
それは消費者が財布の紐を固く結んでいることが悪いというのではなく、飲食店が適正なお金を頂くことに慣れていないということが原因です。
また実際には適正な値段でも【なんか高い】という何と比べているかわからない常識を持ち合わせていることも事実です。
適正な価格を払えないというのは私はある種の病気だと思います。
それは人を不幸にしても自分の持ち金を減らしたくないというエゴに似たようなもので、
それでもそんな人たちは年末になると我こそはと年末ジャンボは買いに行きます。
お金面で損はしたくない。だけど得はしたい。と考える人のところには良い機会は巡ってこないと思います。
値段から逃げない
今多くの人が食事を安く済ませようと考えています。
多くの人が安さ基準で考えるので、料理人も値段の同調圧力から逃げられずに、そこで働く人たちの給料を少なくしようと工夫します。
食の価格崩壊は料理業界から働く人を少なくします。
それは農業をする人が年々少なくなっているのと同じ理由で稼げないならやらないと言う簡単な理屈です。
今料理人は食事と言う行為から逃げてはいけないと私は思います。
食事と言う行為から逃げると食事を作る人がいなくなり、食事を作る人がいなくなると豊かな食文化はできません。
そして今料理人がやらなければいけないのは食事の値段を適切に頂くことだとおもいます。
食事の値段を適正にいただけると食事を作る人が自由に使えるお金が多くなります。
また食材にかけれるお金の割合が増え、食事そのものも色鮮やかになります。
食事の値段をしっかりと考える事は回り回ってそれを購入してくれたお客様のためにもなります。
なぜならそのお金を利用してさらに良いもの、更に高いモチベーションで新しい一皿を作ることができるのです。
料理人は自身の賃金問題から逃げてはいけないと思います。
そしてそこから逃げないためにはしっかりとした自分の技術由来の市場価値が関係してくるのです。
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