店のコンセプトは2度作る。(結構重要)
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飲食店のコンセプトは2度作る。
飲食店を立ち上げるときに一番大変なことは?と多くのオーナーさんに聞くと、資金集めや内装、集客よりも【コンセプト作り】だと答える方が非常に多いです。
【初めての飲食店の作り方】のような本にも、飲食店成功の最大の違いはどれだけ作り込まれているコンセプトがあるかどうかだと書いています。
飲食店におけるコンセプトとはなんなのでしょうか?
【厳選素材】や【季節ごとの料理】などのわかりやすいコンセプトは多くの飲食店を始める人が想像しやすい内容だと思います。
それは飲食店を営んでことのない人がどうしてもたどり着く内容で、コンセプトと言うよりはこんなことをしたいといった意思表示だと思います。
実際に飲食店を営み厳選素材や季節の料理を提供しても、その背景に自分が今後どのようになって行きたいのか、お客様にどのように過ごして欲しいのかというより深い内容は日々の営業を通してわかることがとても多いです。
私も経験しましたが、飲食店としてお客様の目の前に立つ前と後ではコンセプトの内容が大きく変わります。
それはコンセプト自体の変化ではなく、コンセプト自体の奥行きが広がると言うことです。
わかりやすく言うと店を作っている時点でのコンセプトは(何をやりたいか)で、開店後実際に経験して思うコンセプトは(どうなりたいか)です。
開店後のコンセプト作りが一番重要な理由
多くの料理人や飲食店を開業する人お客様にに何を売りたいか、何を食べて欲しいか、を中心に店を作ることが多いです。
それは別に悪いことではなく、その気持ちを中心に店内のキッチン設備や客席を設計します。
何を食べて欲しいのかと言う気持ちを重要視しなければキッチンや客席の導線は作れません。
またこの店は何を提供しているのかと言う基本的なことが伝わりません。
開店前のコンセプト作りはその奥行きというよりかは、その幅広さがお客様にとって1番わかりやすいポイントの1つとなります。
正直開店直前のお客様からするとコンセプトの奥行きはあまり必要ありません。
新しくオープンしたお店に何が置いてあるのかが重要な新規お客様においては、オーナーが掲げる目標など最初は特に意味がありません。
こう伝えるととても語弊があるようにも思えますが、オープン当初なんてそんなものです。
みんな新しい物好きで集まってくるのにコンセプトの深さは購買理由の1つにはならないものです。
しかしながら開店後のコンセプト作りはリピーターとなってくれるお客様のためにはとても重要です。
一度来てくれて、すでにどんなものが置かれているかを理解しているお客様にとっては【店のコンセプト作り】は購買理由の新しい要素になるからです。
飲食店経営は結局のところ人で決まります。
それは接客スタッフの容姿や接客態度などではなく、その店が何のために存在しているのかと言う社会的理由がお客様の最も関心を抱くところの1つになります。
2度目のコンセプトの作り方
店のコンセプト作りにおいて、そのコンセプトがどのようにお客様の利益になるのかを重要視して作らないといけないと私は思っています。
上に紹介したように1度目のコンセプトの作り方は【何にこだわって提供しているか】であることが多いです。
1度目のコンセプト作りは、お客様にとって目に見える利益は何なのかと言うところに焦点を置いています。
こだわり野菜や低価格などは直接お客様の財布や体に影響する大事な要素です。
ここでは開店後一定時間を経過した店舗のコンセプト作りについて考えていきたいと思います。
正直に考えると低価格をいつまでもコンセプトに置いている店はそのうち潰れます。
それはコンセプト自体にお客様の想像力をかきたてる要素や理解を深める要素が全くないからです。
しかしながらお客様の想像力を掻き立てたり理解を深めの様子があったとしても、(地域に根付いた)などと言う漠然とした内容のコンセプトではお客様がピンときません。
また(地域に根付いた)と言う漠然としたコンセプトは、同時に飲食店側のコンセプトに対しての逃げが見えます。
聞いた瞬間に理解ができない、聞いた瞬間に想像できないコンセプト作りはコンセプト作りの意味は特にありません。とりあえず下げているだけに過ぎないのです。
飲食店の2度目のコンセプト作りにおいては、お客様に1度目とは違う何らかの利益がなければいけません。
多くの場合それは(体験や経験)といったものに帰結すると私は思っています。
僕の店は今2度目のコンセプト作りにとても頭を悩ませていました。
僕の店の1度目のコンセプトは(料理人にしか考えられないオリジナリティーなお菓子作り)でした。
他ではあまり見ることのできない珍しい組み合わせや、焼き菓子なのに香りを軸にしての生地作り、それらに自信があったし、それを考えることもとても楽しかったです。
しかしながらそのコンセプトをずっと続けていくにはお菓子作りを広げていくと言う観点からも汎用性がとても薄いです。
そのため私の2度目のコンセプトは(お菓子作りの環境を作る)です。
それは巷で話題のSDGsというファッショナブルなやり方ではなく、飲食業におけるお金が残せない仕組みや、若手が活躍していけない仕組みをなんとかするために土台を作りたいと言うものです。
料理には修行時代にまず第一に一般のお客様が驚くような技術を叩き込まれます。
その技術をベースに鮮やかな盛り付けや斬新な組み合わせをお客様に提供しますが、
お客様の目には氷山の一角しか見えていません。
それは丁寧に作られた土台の上で成り立つ芸術なのであって、私は料理人やパティシエの人たちはその丁寧なござい作りをもう少し理解されても良いのかと思います。
そのように自分も変わりお客様も変わる、その結果お菓子を食べてくれたお客様に新しい知見や見方を提供できる。そんなお菓子作りが僕の店の2度目のコンセプトです。
僕の店はこれから(ちゃんとシリーズ)作っていこうと思います。
それは当たり前のことを当たり前にきちんとできる能力が1番おいしさに近いからです。
そのコンセプトを掲げ、見栄や流行等に左右されない本当のおいしさを理解してもらえたらと思います。
なんだか店の宣伝になってしまいましたが、そんなつもりは毛頭ございません。
結局提供するものが変わらなくても提供する側の気持ちを変えることで、提供された人の見方が変わる。それが店をオープンしてからもう一度作らなければいけない2回目のコンセプト作りだと思っています。
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働きたい飲食店を目指して目標に進んでいます。