【読書セラピー】人はどう悩むのか|人生の悩みにはパターンがあった!
悩んだっていいじゃない
それが人生なんだもん。
どうも、読書セラピストのタルイです。
突然ですが
「人生100年時代」と言われる日本は
今や世界有数の長寿国となりました。
しかし、長寿を得ることは
必ずしも生涯を幸福に過ごすことを
意味するわけではありません。
特に高齢期には
多くの課題が待ち受けています。
長生きするということは
「老いる」ことであります。
身体機能の低下や容姿の変化
そして病気や介護への不安
さらには死の恐怖が
現実の問題として立ちはだかります。
このような背景から、
高齢者の6~7人に1人が
うつ状態に陥っているそうです。
高齢者のうつは
老化現象と見分けがつきにくく
以下のサインがあります
これらの症状が現れた場合
うつを疑う必要があるそうです。
さらに、
うつが原因で認知機能が低下する
「仮性認知症」の可能性もあります。
治療によって
改善することが多いため
早めの対応が大切です。
さて、本題です。
高齢期に心の健康を保ち
幸福感をもって生きるためには
私たちはどうすれば良いのでしょうか。
もちろん、
身体を鍛えるなどで
「老化に抗う努力」も方法の一つです。
ですが老化は避けられない
自然なプロセスです。
老化に抵抗し続けるよりも
その現実を受け入れて
「自分にとっての充足」を見出すほうが
心の健康を保つためには
合理的でしょう。
今回ご紹介する書籍には
幸せな老後を過ごすために
最も大切なのは
「精神的な充足感」
精神が満たされていれば、
経済的な状況や
家族関係の有無にかかわらず
日々の生活に
幸せを見出すことができると
書いてあります。
精神の健康…
言い換えるとメンタルヘルスとは
毎日を穏やかに過ごせる状態
のことです。
悩みや不安に囚われることなく
社会的にも
家庭においても
健全に生きることこそが
「幸福」であり
年齢や財産に関係なく
人生で最も重要なものです。
本書では、
この精神の健康(メンタルヘルス)
を保つために
各年代に特有の悩みを解説しています。
目次も各年代特有の悩みごとに
章立てしてあるので
とても読みやすいです。
ではここからは、
高齢期、中高年期、青年期、
思春期、学童期、幼児期・乳児期の
各ライフステージにおける
悩みのパターンと
どうやったら悩まないで
いられるのか?
について
ちょっと長いですが
まとめてみました。
◆人はライフステージごとに何を悩むのか?
⚫️老年期(65歳以上)
お釈迦さんが唱えた
「生老病死」の四苦のうち
「老病死」の三つが
襲いかかってくるのが高齢期です
老年期ライフステージの
キーワードを挙げるとしたら
「喪失」です。
人間はこの時期に
「三大喪失体験」をするそうです。
①身体機能の喪失
老眼、聴力低下、歯の欠落、
筋力低下、性的不能、尿漏れ
などなど
さらに免疫機能の低下で
「病気のデパート」
と呼ばれる状態になったりします。
②社会的・経済的喪失
退職や引退で仕事をやめると
社会的な地位
および家庭での立場が失われ
収入も減ります。
前もって心の準備をしておかないと
思いがけない喪失体験に
苦しむことになります。
③性格の変化
一般的に歳を取ると
性格は丸くなるなどと言われるが
それはせいぜい70歳くらいまでで
それ以降は体力の低下とともに
キレやすく
弱音を吐いたり
少しの我慢もできなくなったり
もするそうです。
これはそうかもしれません。
私の親父も死ぬ一年ぐらい前から
同性として嘆かわしいくらいに
キレ弱老人になってました。
本書に書いてある
耐えるための秘訣は
現実を受け入れ
状況に逆らわないこと
失ったもの
いやなことばかりに
意識を向けるのではなく
残っているもの
よかったことを思い出し
満足する気持ちになれれば
少しは悩みも解消するそうです。
これはすなわち
「感謝の気持ち」と
「足るを知る心」のことですね。
著者もそれ以外の妙案は
思いつかないそうです。
老害にならない対策は
「感謝の心」と「足るを知る」でした。
⚫️中高年(45歳〜65歳)
いま現在の私がこのライフステージ
です。
このステージのキーワードは
「危機」だそうです。
あぁ、わかるわ〜
会社人間が抱えるジレンマとしては
年功序列が崩れて
実績が重視される現代では
実力がないと
「働かないおじさん」に
カテゴライズされ
順調に昇進しても
部下に甘い顔をしては
業績があがらず
厳しく指導すれば
すぐにパワハラとみなされる
仕事だけではありません。
中高年の危機は
家庭にも危機が潜んでます。
オジサンだけではありません。
熱心な母親が陥るのは
「空の巣症候群」
これは雛鳥が巣立って
空になった巣に取り残された気持ちに
なることを云うそうです。
子供がこのような母親を
見分ける方法としては
母親に彼氏か彼女を紹介したとき
「あんな子のどこがいいの」とか
「もっとましな相手はいないの」
などと言われる。
就活のとき、
自分が希望する企業をけなす
母親です。
いずれもケチをつけることで
息子や娘が自分から離れていくのを
阻止したいという気持ちが
表れているのです。
私も経験ありますが、
中年の危機の真っ只中にあると
性格が腐りかけるんですよね。
中高年の危機の乗り越えかとしては
こういう緊急事態に直面したとき
逆に浮ついた気持ちを抑え
現実対応に向かう
態度を示すことらしい。
ヒマだから…
これは胸に刺さる言葉でした。
そういう状況で
なんとか現実的な危機を回避できれば
新たな「自己信頼感」が生まれ
精神面での健康を
取りもどすこともあります。
また、
老いていない余力のある時期から
孤独に耐える力を身につける
ことも重要とのことです。
⚫️成人期前期(25歳〜45歳)
世間では「大人」として
扱われる時期です。
個人的責任と社会的責任を
果たしながら
生き甲斐や幸福を追求する
人生の中心となる時期でもあります。
この時期のキーワードは「圧力」です。
具体的には
「職場という圧力」
「人付き合いの圧力」
職場で心の健康を
損ねやすいタイプとしては、
次のような特徴があげられます。
これらをまとめると
不満を抱きやすい人
理想と現実のギャップを
受け入れづらい人
他人の評価を気にしすぎる人
完璧主義な人
気分転換が苦手な人
以上の特徴がある人は
仕事で精神的に
負担を感じやすいようです。
これを逆に考えると、
心の健康を保ちやすいタイプは
と書いてある。
まさにそうですね!
誰もがドクターXの大門未知子
のようだったら生きやすいです。
でもそれができないから
葛藤があるわけですよね
この問題に関する私の解答は
ニーチェ型よりアドラー型の生き方です。
⚫️結婚生活の秘訣は「一に努力、二に辛抱、三にあきらめ」
四十年を超える結婚生活で
著者が学んだことが書いてあります。
それは相手を変えようと思っても
無理だということ。
著者はこれまで何度も
喧嘩、言い争い、懇願や苦情を
繰り返しましたが
いくら頑張っても
相手が自分の望むように
変わることはありませんでした。
それなら不愉快な思いを
するだけ無駄なので
不満を口にしなくなりました。
すると平和が訪れたそうです。
結婚生活をうまく続ける秘訣は
ちなみに著者がこの話を学生にすると
「先生は不幸な結婚を
しているんですね」
と同情されたりするそうです😆
これに対し
著者は言い分としては
学生がそう思うのは浅はかさで
幸福には相応の代償が必要
ということを理解していないから
と喝破してます。
まぁたしかに
私は著者の主張は理解できます。
でも、
わざわざ学生に言わなくても
良いことだとも思います。
⚫️仕事と家庭のバランスの鍵
仕事と家庭の両立は、
多くの人にとって大きな課題です。
しかし、
完璧を求めすぎず
バランスを取ることが鍵となります。
〈理想的な職場環境〉
・定時帰宅
定時で帰宅し、休暇を取りやすい環境。
・柔軟な働き方
産休や介護休暇を遠慮なく取れる体制。
〈理想的な家庭環境〉
・サポート
家族が理解を示し、
忙しいときもサポートしてくれる。
・コミュニケーション
仕事の愚痴を聞いてくれる家族。
現実では理想通りにはいきません。
厳しい現実の中で
心身の健康を保つために
バランス感覚と優先順位が重要です。
バランスを取るポイントは3つ
1. 自己受容
少しの不完全さを受け入れる。
2. 優先順位をつける:
家庭と仕事のどちらが大切か
その場その場で判断する
3. 少欲知足
欲張らず、現状に満足する心構えを持つ。
これらを意識することで、
仕事と家庭の両立が少し楽になるかもしれません。
自分に合った方法を
見つけたいですね。
⚫️青年期(19歳〜25歳)
このステージのキーワードは
「決断」でした。
モラトリアムは、
人生の重要な決断を先延ばしにする
猶予期間のことです。
青年期に多く見られ
自分を見つめ直し
成長するために悩む時間とも言えます。
⚫️モラトリアム期のさまざまな症候群
青年期には、未熟さと不安定さからくる
精神保健上の問題が多く現れます。
以下はその代表的な症候群です。
青い鳥症候群
自分にふさわしい理想の状況を探し求め
現実に向き合わない状態です。
就職や人間関係で不満を抱え
転職や不満を繰り返します。
シンデレラコンプレックス
いつか自分を幸せにしてくれる
王子様が現れるという幻想にとらわれ
現実に向き合えず
他人に依存してしまう状態です。
かぐや姫症候群
自分を高く評価しすぎるあまり
男性に過度な要求をし
健全な交際に発展しにくい状態です。
ピーター・パン症候群
大人になりたくない男性が
社会的責任や決断を回避し
自己中心的な行動を続ける状態です。
ウェンディジレンマ
他人に尽くすことで自分を二の次にし
精神的バランスを崩す状態です。
スーパーウーマンシンドローム
仕事、家庭、子育てを
すべて完璧にこなそうとする女性が
ストレスで心身のエネルギーを使い果たす状態です。
触れ合い拒否症候群
親密な人間関係を避け
表面的な付き合いで済ませる状態です。
アパシーシンドローム
特に男子大学生に多い無気力症候群で
社会に対する絶望や
虚無感から無気力に陥る状態です。
リストカッティングシンドローム
自傷行為を通じて
精神的な痛みを和らげる行動で
早期に専門家の治療が必要な深刻な状態です。
これらの症候群は
適切なサポートと対応が必要です。
⚫️自分探しの罠
自分探しは理想の人生や
やりがいを求める動機から始まりますが
実際には仕事がうまくいかない時や
やる気がない時に始めがちです。
生活費の問題や
見つけた自分が
現実に役立つかは不透明です。
「ほんとうの自分」は目の前にあり
それを探すのではなく
受け入れることが大切。
自分探しをしても
新しい自分が見つからなければ
元に戻るリスクが高いです。
現実を認め、
今の自分に打ち込むことが
最善の方法とあります。
⚫️思春期(13歳〜18歳)
思春期のキーワードは「成長」です。
アイデンティティが芽生え
自己理解が深まると同時に
悩みや葛藤を抱えやすい時期です。
この「成長」のプロセスでは
「自分はどんな人間か」
「何ができるのか」を模索し
友人やモデルとなる
大人の影響を受けながら
理想と現実のバランスを学びます。
また、
クラブ活動などの実体験を通じて
「集団の中での自分」を認識し
リーダーシップや責任感が育まれます。
これらの経験が自己の価値観を形作り
豊かな大人への礎となります。
また思春期には、
体の変化とともに
外見への関心が強まり
髪型や服装にこだわるようになります。
外見の違いに敏感になり
自己嫌悪を感じることもあります。
外見に強い不安を抱えると
「醜形恐怖症」に至り
日常生活が難しくなる場合もあります。
外見だけでなく
内面を磨くことの大切さに気づき
勉強やスポーツに打ち込むことで
自己成長する若者もいます。
また、
この時期には性別不合が
顕在化することもあり
LGBTQへの理解が進んでいますが
家族や周囲に打ち明けにくいと
感じる人もいます。
性別不合は本人のせいではなく
自然に受け入れられるべきものです。
⚫️学童期(6歳〜12歳)
この時期のキーワードは「船出」
社会生活を学ぶスタートラインであり
子どもが社会生活を学び
自己形成を始める重要な時期です。
学童期(6歳~12歳)は
社会生活を学び
自己形成を始める重要な時期です。
友だちとの遊びを通じて
リーダーシップや協調性を学びます。
この時期の成功や失敗は将来の糧となり
倫理感や道徳心の発達に影響します。
近年はいじめや学級崩壊といった
問題が増加しており
特に高学年では反抗心が強まり
教師の権威が低下する傾向が見られます。
親が家庭で教師への不満を
子どもに伝えないことが重要です。
⚫️幼児期・乳児期
この時期のキーワードは「初体験」
乳幼児期から幼児期は
「初体験」の連続で
人格形成に重要です。
この章には
著者の面白い仮説が紹介されてます。
うそつきと正直も、
幼児期の経験によって分かれる説です。
何かで叱られそうになったとき
うそで叱責を免れた子どもは
うその効用を実感します。
逆にうそがバレて二倍怒られた子どもは
うその弊害が身に染みて
正直になるのではなるというのです。
あくまでも著者の仮説ですが。
「うそ」と「正直」に関する葛藤は
子どもが成長する中で
抱える悩みの一つです。
その意味では
大人はこの時期の子どもへの対応を
疎かにできませんね。
ちやほやするだけとか
十分な関心を向けないとか
感情に任せて気まぐれな対応をすると
子どもの将来に影響する可能性がある。
この時期は
親も子育てに悩みまくりです。
ここで一旦
悩みのキーワードをまとめると
・老年期は「喪失」
・中高年は「危機」
・成人期前期は「圧力」
・青年期は「決断」
・思春期は「成長」
・学童期は「船出」
・乳幼児期は「初体験」
です。
こうしてまとめてみると
人生悩みっぱなしですね😅
◆どうやったら人は悩まないのか?
本書では、まず前提として、
と示されてます。
しかしそれでも
と提言されてます。例えば、
・くだらないこと
・些細なこと
・忘れてしまえば問題ないこと
このような日常の悩みで
悩むのはもったいないとのことです。
・傷ついたとか
・上手くできないとか
・ムカつくとか
・嘆かわしいとか
たしかに本人にとっては重要でも
他人からみたら
割とどうでも良いことです。
とにかく著者の言い分では
「避けられる悩みで
悩んでいる人は暇な人」
なんです。
これにはパスカルも
同じようなこといってますね🤔
こういった避けられる
悩みの対策として
3つ提言がありました。
①期待値を下げる
ムカついたり失望したりするのは
期待値を下げることで
現実との差を小さくし
悩みや不満を減らせる。
②心の準備の問題
老化や困難に備えるため
最悪の事態を想定して
心の準備をしておくことが重要。
そうすることで
実際に問題が起こっても
冷静に対処でき
不満や失望を減らせる。
期待値を下げ
次善の策を考えておくことで
現実とのギャップによる
ストレスを和らげられる。
③全ては比較の問題
中国の思想家である
老子の言葉が紹介されてました。
これは、
「対立するものは
互いに存在することで成り立つ」
という意味です。
難しいことと簡単なことが
一緒にあることで
バランスが取れます。
長いものと短いものが
一緒にあることで
違いが明確になります。
高いものと低いものが
互いに引き合うことで
全体が成り立つということです。
すべてのものは
対照的な要素によって
成り立っているということですね。
つまり、
いろいろ悩む人というのは
自分でよりよいものと比べて
悩んでいるだけと著者は伝えています。
これはつまり、
「悩むより考えよ」ということでしょうか。
悩んでもしょうもないことは悩まない
その一方の最悪の事態を想定して
心の準備を深めておく
それで、
悩みや怒りを小さくできれば
なんとなく賢明な判断をしたと思える
全ての悩みを
消し去る方法はなくとも
小さくすることはできるのです。
◆〈まとめ〉人はなぜ悩むのか?その根本的原因
本書の内容はいかがだったでしょうか?
最後に私の感想も書いておきます。
「人はどう悩むのか」を読んで
「人はなぜ悩むのか」が理解できた。
人が悩む理由それは
「不確実性」の中で
生きているからです。
人間は安心を求めながらも
未来は常に予測できず
変化し続けます。
この「コントロールできない状況」が
不安や悩みを引き起こすのです。
不確実性と期待のギャップが悩みの根源
未来がどうなるのか
何が正解なのかといった問いは
尽きることがありません。
自分自身が本当に何を望み
何を目指すべきか確信を
持てないことが
悩みを一層深めます。
さらに
他者との関係も変わり続け
その中で自分にとっての
「正しい道」を見つけることが
難しいのです。
しかし
悩むことにも意味がありました。
悩む過程で得られる気づきや学びが
自分をより深く理解し
新たな視点を持つ
きっかけとなるのです。
成長の源「自己信頼感」
本書が伝える重要なテーマのひとつが「自己信頼感」です。
これは、自分が持つ力や特長への信頼
「自分は大丈夫」という感覚です。
この信頼感は、
悩みや挑戦を乗り越える中で
少しずつ積み重なり
「自分ならやれる」
「困難に対応できる」
という確信へと育っていきます。
たとえ失敗しても
その過程で得た経験や知見が
未来の自己信頼感の土台となります。
こうした真の自己信頼感があれば
他人の評価に左右されることなく
自分に誇りを持って歩めるのです。
悩みは尽きませんが
不確実な世界の中で生きるからこそ
そこから得られる成長や
気づきがあること
これが人生なんですね。
最後までお読みいただき
ありがとうございます。
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