BCPにある大きな設定ミスとは?
BCPでは、イザッという時には支援チームを緊急編成して復旧する計画になっています。
しかし、今回は世界的に全滅している状態で支援チーム編成というレベルではありません。
BCPでは、生き残りのための事業構造の変革について全く触れていません。既存事業の強靱化が目的です。
何故なら、BCPの基本指針は「原状復帰」にあるからです。
・・・うん、原状復帰?
この新型コロナの影響で生活様式、ビジネス様式が一変しました。
元の「現状には復帰しません」。
世の中、社会がすでに変わっているからです。
つまり、生活様式が決して元に戻らないということです。
決して元に戻らない?
・・・新しい常態(New normal)に移行済み
あなたが、飲食店で肘・肘が触れあう距離しか開いていない隣の席に、他人であるお客さんが座ったらどうしますか?
・・・店を出て行くに違いありません。
私は店舗スタッフとして店舗目線で観察して、そういうお客さんに実際に何回も遭遇しました。
無言で“非常識”と言わんばかりの形相で睨みつけ、伝票を持ってさっさと出て行きます。コロナ禍の以前ではなかった光景です。
例えれば、インフルエンザ流行時に内科の待合室で“コホン、コホン”と咳き込んでいる患者さんがいたら、私は車の中で待ちます。
元の“密状態”に戻ることはありません。新型コロナはインフルエンザと同じく変異を繰り返し死滅しません。
人間がいる限りです。
人間が宿主ですから。
鶏、豚、牛のように人間を殺処分できません。
【BCPの大きな設定ミスとは・・・】
・BCPでは、原状復帰が前提だが原状復帰はありえない。
→新常態(New normal)に移行した。
・BCPでは、キャッシュの確保対策や資金繰り計画の項目はない。
BCPで触れているのは、災害復旧に必要な資金調達について損害保険の適用や会社資産の売却程度です。
こんなことで、今後を乗り切れると思いますか? 甘いです。
お客様が元の状態に戻ってくるまで我慢する、政府の補助金政策と支援策を期待している。 甘いです。
・・・いずれも夢(ドリーム)です。
血の出る改革をしないで、夢(ドリーム・ジャンボ宝くじ5億円!)買って景気回復を待っている、宝くじ愛好者と同じです。
コロナ禍の社会では、東日本大震災の復興とは違う道のりです。
“事業再構築こそが、生き残りの道”です。
■次の記事へ・・・「BCPにかわり、やるべきこと【売上・経費計画のアップデート】と【主力事業の見直し】」です。
頑張れ外食産業!
参考記事:外食・宿泊産業の生き残り策
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