【フェイクなチキン南蛮】
先週は台風10号が九州を鹿児島~天草~島原~玉名~黒川~別府と温泉巡りするかのようなルートで長逗留しました。九州の西側を通ったことで雨風は鹿児島東部、宮崎県、大分県に大量に降り被害を拡大しました。
おかげで出かけることも叶わず、自宅でネットサーフィンしていました。その最中に気が付いたのが、宮崎市でチキン南蛮の元祖と呼ばれる「おぐら」の公式X(旧ツイッター)です。
《公式》ファミリーレストランおぐら
水を差すようで大変恐縮ですが‥
当社のチキン南蛮の画像が掲載されておりますが、当社のレシピではございません‥
他社様のレシピだと思われます‥
生みの親より味を直接受け継いだ当社の調理長が取材を受け、ご家庭で作る場合のレシピを掲載していただきましたので、ぜひ参考にしてください
https://x.com/ogura_nanban/status/1830417179168362898
としてパウチした雑誌の切り抜きをアップしていました。
これは、他のアカウントへの返信ポストなのですが、そもそものポストが他のアカウントがクックパッドの「つくれぽ」に投稿したものをコピーしたものでした。さらにコミュニティノートが付いている問題投稿でした。
おぐらさんには悪いのですが、投稿に問題があればネットの運営者にクレームを付けるのが正解だったと思います。
公式ではない写真を紐づけされている点はクックパッドに、インプレ稼ぎの投稿はXにクレームを入れて削除申請するのが良かったのではないでしょうか。
もう一点、公開されたレシピへの回答。自社のレシピが掲載された雑誌記事をアップしている点は良いのですが、少々もったいない話でした。
また、公式ではないとしているレシピは、農林水産省のサイトのものです。
「チキン南蛮」は既に一般名詞化しているので、公式レシピを名乗っても大人げない話なのですけどね。
本家争いをすると、タルタルソースの有無まで議論をはらみますからね、ほどほどで良いのかと思います。
とはいえ、鶏の唐揚げに甘酢を掛けて、タルタルソースを添えたものを「チキン南蛮」と名乗っては欲しくない。というのは考えを同じくします。
『鶏むね肉に小麦粉をまぶし卵をくぐらせて油で揚げます。玉ねぎショウガを入れた醤油、酢、みりん、砂糖、塩を入れて煮たてた南蛮酢に熱いまま2、3分漬け込み味がしみたら盛付け、マヨネーズにキュウリ、玉ねぎ、にんじん、ゆで卵を刻んで入れたタルタルソースを掛けたもの』が正統派のタルタルソースのついたチキン南蛮です。
台風10号の竜巻が、おぐら瀬頭店の大淀川を挟んだ地域に甚大な被害を与えていますが、宮崎空港も「おぐら瀬頭店」も無事に営業しています。
台風復興を支えるのは、皆さんの応援です。本物を食べに宮崎へいらしてください。
農林水産省 うちの郷土料理 宮崎県【チキン南蛮】
https://www.maff.go.jp/j/keikaku/syokubunka/k_ryouri/search_menu/menu/chikin_nanban_miyazaki.html
【プロフィール】
上田和久
kazz@studiowork.jp
スタジオワーク合同会社 代表
1959年熊本県生まれ、京都、福岡で暮らし、都城の単身生活を終え福岡に戻っています。
国際HACCP同盟認定リードインストラクター、JHTC認定リードインストラクター
上田和久 facebookは
https://www.facebook.com/kazz.ueda
経歴と仕事分野
厨房設備施工会社、電機メーカーで冷蔵設備の設計施工営業を担当後、食品メーカーへ転職し、品質保証の仕事を経て、2016年コンサルタントとして独立。
主に、HACCPの認証取得が目的ではない、あるいは安全安心な食品を提供することを目的にした企業に対して、HACCPに基づいた衛生管理の取り組みを支援している。
具体的には、食品工場に対し、これまでの計画施工から現場運営まで経験を生かした新築・増改築についての助言を行う他、製造現場に対して、クレーム対応、異物混入の原因の究明と対策、再発防止の仕組み作りの提案を行っている。
食品工場の抱える問題やこれからますます厳しくなる要求への対応、それらを一緒に解決していくことを使命とし、精力的に活動している。