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リストラとは戦争である

大企業である日産自動車が中間決算を発表し、営業利益が前年同期比90%減の大幅減益である事、更にはグループ全体で9000人規模のリストラを含む合理化案を発表しました。

企業が大損害を負い、経営危機に陥ると必ずと言っていいほどリストラの予定を公表します。
日本という国の特徴かは知りませんが企業のリストラというのはただのニュースであり、従業員は黙って退職を受け入れているというのが恒例行事となっています。
最近では船井電機でも倒産による2000人の解雇も起きており、このままの流れが続けばコロナ過明けにも関わらず、日本には退職者があふれる事になります。


抵抗しなくなった日本人

さっさと転職する現代人

こういったリストラ方針を受けて、現代の従業員はどのような動きを見せるのでしょうか。
抗議する? 嘆く? 助けを求める?
大抵の人は【仕方ない】と悟ってとっとと転職する動きを取るのではないでしょうか。
なにせ現代は転職サイト全盛期。放っておいても転職サイトの登録勧誘メールが届いたり、ⅭⅯが目に付いたりする時代です。
そういう意味では企業側もいちいち従業員の反発や動揺を気にすることなく
リストラを発表し、スムーズに大量の人員整理を行えるドライな関係と言えます。
しかし私はこの流れに大いに反対です。
なぜならリストラとは解雇であり首切りであり企業としては最後の手段であるからです。

50年前であれば労働組合が火を噴いた

皆さんは労働組合という存在をご存知でしょうか。

はるか昔、大企業のリストラなどとなれば、労働組合が黙っていませんでした。
【大団結】【大闘争】【一人の首切りも断固として許さず】などのスローガンを掲げて暴れだし、本社を取り囲むような大騒動に発展したのです。

が、今や労働組合などというのは化石のような物であり一部の偏った人たち
が群がる利権集団か宗教団体のようなイメージで見られています。

なぜかと言えば、50年前は全国的に【闘争】がブームでありとにかく巨大な存在に対して弱い立場の人間は【集団を形成し抵抗する】のが当たり前の世の中でした。
その存在と思考法は権力者や経営者には非常に脅威でした。
しかしそのブームはあまりにも物理的・暴力的かつ勢いに任せすぎた物でありました。その為、警察に制圧されるか社会的に反発を買い抹殺されるかして急速にしぼんでしまい、ブームが過ぎ去った後に日本人の殆どは戦う事を忘れてしまいました。

解雇される事すらキャリアプラン

ひるがえって令和の時代。労働者の思考は180度変わりました。
集団ではなく個人。社会や会社が悪いのではなく実力の無い者が悪いという感覚。
働くという事は

  • スキルを磨き

  • キャリアを積み

  • 人脈を広げ

  • キャリアプランを形成する

という何とも華々しい物となりました。社内で努力して出世するのは当然として、一つの企業に残る事じたいが遅れた考えであり、いかに自分の市場価値を高めて業界や世界を渡り歩くのがスタンダード。
そんなスタイルが脚光を浴びる世の中ではリストラなど痛くもかゆくも無いでしょう。
だがそのスタイルに乗れない、その他大多数によっては地獄です。

リストラとは人生のリセットである

3つのゼロ

リストラされる、すなわち解雇されるという事はどういう事か、定義すると
❶収入がゼロになる(雇用保険を除く)
❷社内のキャリアがゼロになる
❸社内の人間関係がゼロ(リセット)される
という事になります。
翌日から気持ちを切り替え、個人のスキルとキャリアで引く手あまたという人間を除き、無職という立場に突き落とされるわけです。

仕事を必死で探さなければならないのはもちろん、毎日の生活リズムが崩壊し、キャリアとしてはプラスではなくマイナスであり、リストラされるような価値の低い人間であるというレッテルが一生張り付きます。
社会的な信用も失われるだけでなく、習熟した環境を手放す事による精神不安や生涯設計の乱れなど被る被害は多岐に渡ります。

経営者とはいえ、リストラとは軽々しく口にして良い言葉ではないのです。

お利口すぎる人々


自分に不利な情報のみ集めない

現代人は変に賢すぎます。
【企業の経営状況から見てリストラはやむおえない】
【業界や時代は苦しい状況にある、別の業界へ移らなければ】
【コロナ後遺症や世界情勢の悪化で経済そのものが大変なのだから
個人の力で生き残らなければ】

なるほど、ネット上にはリストラを肯定する情報があふれています。
ですが一従業員、一労働者にとってそんな知識は不要です。
世界や経済の状況などどうでも良く、まず自分自身と周囲の同僚の事を考えてください。

経営者にとって【自ら退職を選ぶ者】は非常に都合が良い存在です。
雇用しているのではなく、いつでも削除できるデータの一部かゴミのような価値しかありません。

家族に【リストラされました、受け入れました】と伝える事は【自分は解雇されるだけの無能・無価値な人間である】と宣言しているのです。
家族からすれば【あなたが悪い】という事になり【何故もっと努力して評価されなかったのか】と非難される事でしょう。

悪いのはリストラを宣言された労働者ではありません。
少なくとも経営を悪化させた経営陣です。
首を斬られるのは経営陣、収入を減らすのも経営陣なのです。

誰でも出来る

記者会見をしよう!

今や個人で存在を発信できる時代です。
個人で記者会見を開いてネットに流す事も出来ます。
会社に抗議の声を上げるなり、個人加盟の労働組合に加入するなり
抵抗委員会を立ち上げるなりいくらでも手法はあります。
(筆者も2度会社を訴えて和解を勝ち取っています)

会社の発表を黙って受け入れるのではなく抵抗しましょう。
周囲の同僚や世間でも協力してくれる人は必ず現れます。

企業もリストラが大きな批判を浴びるようになれば
簡単に口に出来ない社会常識が形成されるでしょう。

我々日本人はあまりにも羊でありすぎました。
リストラするなら社長と経営陣が全財産を出せ。
【死ぬのはヤツラ】だ。






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