【もしも人生】過剰なミラーリングをしてしまったA君の末路【心理学】
まず、ミラーリングというものは何なのかを解説しましょう。
ミラーリングとは相手の言動や姿勢、表情を模倣することでコミュニケーションを円滑にし、親近感を生む技術のことです。
例) 言葉遣い
「相手が敬語で話しかけてきたが、あなたはため口で話しかけた」
「相手が敬語で話しかけてきたので、あなたは敬語で話しかけた」
上の場面では前者より後者の方が、相手に安心感を与えることができます。
それではこのミラーリングを過剰に使ってしまったら...というのをA君のストーリーを参考に考えてみましょう。
A君のストーリー
大学生になったA君は、サークル活動を通じて新しい友人を作りたいと考えていました。
「このサークル、楽しい雰囲気だな。でも、うまく溶け込めるか不安だな…」
サークルのメンバーたちは既に仲が良く、A君は彼らとの距離を感じていました。
そんなある日、A君が新入生歓迎のイベントに参加しました。そこで、先輩たちが楽しそうに話しているのを見て、A君は思い切って話しかけることにしました。
「こんにちは!このサークルって、どういうことをするんですか?」
すると、先輩の一人が微笑んで答えてくれました。
「私たちは色んな活動をしていますよ!一緒にやってみませんか?」
A君は少し緊張しながらも、先輩の優しい笑顔に心が和らぎました。
ふと、A君はネットで見たミラーリングの話を思い出します。その情報によると、相手の仕草や行動を真似ることで親近感を持たせることが出来るそうです。
「彼女が笑ったら、自分も笑う。彼女が話すペースに合わせる。」
次第に会話が弾み、A君はサークルに入ることになりました。
サークルに入ったA君は、先輩ともっと仲良くなるためにさらに先輩の行動を真似ることにしました。
先輩が飲み物を飲むとA君も飲み物を飲む、先輩が足を組むとA君も足を組む。そうやって先輩の行動を細かく真似ていると、ある時先輩がこう言いました。
「どうして私の真似をするの?鬱陶しいからやめてくれる?」
A君は先輩がどうして怒っているのかが理解できませんでした。
解説
なぜA君はミラーリングを使ったのに先輩に不快感を与えてしまったのでしょうか。
その秘密は、過剰なミラーリングにあります。A君が先輩の姿勢や表情を真似たことで、相手は「この人は自分に興味を持っている」と感じ、会話を弾ませることが出来ました。
しかしその後、過剰にAさんの行動を真似てしまったため、ミラーリングの効果よりも先輩の自分が特別であることを確認したい、という自己同一性を侵害してしまったことの方が大きかったため、A君は先輩に怒られてしまったのです。
まとめ
ミラーリングは、私たちの人間関係において大きな力を持つコミュニケーション技術です。
相手の行動を自然に模倣することで、より良い関係を築く手助けになります。しかし、A君のように過剰に使ってしまうと逆に相手に不快感を与える原因になってしまいます。
ですが、ミラーリングを上手く使うことが出来れば新たなつながりを生むことにつながるかもしれません。
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