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こんな漫画もどうぞ⑤ うつうつひでお日記 吾妻ひでお
吾妻ひでおシリーズ。
以前取り上げた失踪日記
を、描いているときこんな生活だった、という日記漫画である。
双極性障害&アル中(断酒中)の作者が少ない仕事を必死にこなし、不安になれば抗うつ剤を飲み、病院に通い、ひたすら本を読みテレビ見て、お金がないのであまり本は買えず図書館に通い本を借りる、断酒会の定例会に出る、時々ラブリーな幻覚を見る(以下繰り返し)…な清貧生活。
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終盤に失踪日記の出版が決まるが、それも売れるかなぁ売れればいいなぁ くらいで終わっている。
本人は「こんな奴にだけはなりたくないという意味で皆様の心を癒やす書になるのではないでしょうか。」と語っているが、失踪日記と同じく、ひたすらドライに自身を客観的に見つめて漫画化しているので悲惨さは感じられず、のんびり過ごしているようにさえ感じられる。
また続編で「(本作を省みると)読者のことを考えてもっと起承転結をつけて漫画調にすれば良かった、失敗作だった」と語っているがこの徹底した日記調、あじまひでおの生活を覗き見してる感じなのがたまらないのだ。
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また、当時の流行り(電車男とか!妹萌えとか!)とか喫茶店の価格とか妙なところで当時の風俗/文化史の記録にもなってると思うのであった。