歳をとるということ

大好きだった彼と別れてから出来た
マッチングアプリで出会ったセフレ
初めてした告白だった
ごめんね、とあっさり振ったあと
激しく抱かれた
「旅行行こうね」
頷くことしかできなかった

彼と別れてからそんな夜が増えた
年上男性が好きな私は
多分年上男性の隣にいる私が好きだった

友達と飲みに行った帰り
終電を逃して歩く私たちに
声をかけてきた3人組男性
そこからカラオケに行ってお酒を飲んだ
始発で帰ろうとしたら
そのうちの一人の男にホテルに誘われ
昼過ぎの電車で一緒に帰った
そっから月イチぐらい出会うようになった
そんな矢先
「俺結婚したんだよね」
だった
そういう事だったみたい
それなのに時折誘われる
そういう事なのか

彼と別れたタイミングで始めたラウンジの
5つ年上の既婚者客
「抱かれせよ」
誘われたドライブは車を停めて
なんの飲み物も飲まずに
車内キス
それ以上は拒む私に
「○○とやったんやろ？」

別れてから漁るように男と出会った
ほんとに色んな人がいた
付き合おうと簡単に言うくせに出会い系アプリを消さない男
やった後に、化粧が嫌いと振ってくる男

元彼以上の人が見当たらなくて
何度も戻りたいなと願った
擦れていく自分が虚しかった

そんな矢先に出会った8つ上の彼

こんな私の話を一つ一つ聞いてくれる
頷いて泣いてくれる
今まで出会った人みたいに刺激的な非日常は無いけど
無限大の温もりをくれる彼
色んな夜を思い出してはたまに泣いてしまうけど
一つ一つ抱きしめながら聞いてくれるから
彼いい

それでも尚
たまに昔みたいな非日常が欲しくなる
そんな時は既婚者から言い寄られた日を思い出す
奥さんはきっと悲しかった
私は奥さんを傷つけてた
それでも自分では
私も傷ついてるなんて思ってた愚かな日
きっと私は
彼を傷つけてしまう
非日常なんて求めない
彼がいる今が幸せなのだ

どんなに不安になっても
それは彼と話すことで
ほかの男に話してチヤホヤされるのはお門違い
あんな夜を知ってしまった事で気づけたこともあるから
あんなに泣いた元彼との別れのおかげで
出会った色んな夜と男
若かったから
それも楽しかったけど
それは過去

彼のことを信じて幸せになる