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ゆっくり夢日記 「異形の休み所」2014年11月30日
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記録
11月30日
老舗旅館には絢爛豪華な屋根裏があり異形たちが死装束を着て底で眠る。
詩「異形の休み所」
11月30日
老舗旅館に泊まった。
ここは質素で居心地がよい。温泉は誰もおらず貸し切りだ。
中居さんも感じがいい。
大変に美味しいお刺身を食べて、柔らかく清潔な布団で眠った。
深夜、目が覚めてしまい廊下を徘徊していると、昼間見た事ない中居さんが提灯を持って歩いていた。さっきの中居さんと違って無表情な人だ。
こんな人いたかしら?
気になって後を付ける。
中居さんの後ろ数メートルは何故だか景色が揺らぐ。
足音も何だか変だ。部屋の中なのにヒールで歩くような音やずりずりと引きずる様な音が聞こえる。
中居さんは提灯を口に咥え梯子を上る。
ギッギッギッ、コツコツコツ、ズルッズルッズルッ…
どうやら梯子は天井裏につながっているようだ。
「ごゆっくり」
と抑揚のない声が聞こえた。
中居さんが降りてくる。居なくなったのを確認して梯子を上ってみた。
屋根裏は、赤い柱に金の装飾、天井には鳳凰が描かれている。
見たこともない絢爛豪華な空間が広がっていた。
その中心が大きくへこんでおり、淵に毛皮や鱗が転がっている。
中を見下ろすと、一面真っ白な布団が敷かれていて異形たちが死に装束を着て眠っていた。