ゆっくり夢日記 「赤い女」2012.11.20
朗読動画
記録
11月20日
薄暗い道を歩いていると女に追けられている。その女は歌を歌っていて怖い。逃げようとするけど追いかけられる。全力疾走で走っているのに耳元に息遣いと歌が聞こえる。
捕まると急に車に乗ってるパートになる。十字路にあぐらをかいている坊主がいる。坊主を撥ね殺す。坊主は轢かれるのを知っている。こっちをじっと見ている。何度坊主を見る。あ、危ないという気持ちと轢き殺さなきゃって気持ちが入り混じる。いろんな視点が切り替わり続ける。
詩 「赤い女」
11月20日
薄暗い道を歩いていると女にあとを付けられている事に気づく。
振り返らなくてもわかる。はっきりと気配を感じる。
三つ後ろの電信柱の陰にかくれているという確信がある。
私が一歩進むとコツリとハイヒールの音が追いかけてくる。
振り返ると、誰もいない。
電柱の陰から赤い布がちらりと見えた。
姿が見えないのに何故か、女が長身な事がわかる、長い黒髪だとわかる、ぞっとする位肌が白いのがわかる、赤いワンピースを着ているのがわかる。
冷たい汗がにじみ出る。見なかった事にしよう、思い違いだ。
前を向いて歩き出す。
コツリ、コツリ、コツリ、すこしずつ足音が近づいている。
背後から女が何かぼそぼそと何か言っているのが聞こえてきた。
全身の肌が泡立つった。
一歩一歩進む度に日が暮れていってしまう。
もうすぐ夜になってしまう…。
私は耐えきれなくなって一つ目のかどを曲がった瞬間に走りだした。
女も走って追いかけてくる!カツカツカツカツとヒールの音が路地に響く。
女は走りながら聞いたことのない歌を歌っている。
何を言っているか聞き取れない。甲高い声でゆっくりと歌っているのにヒールの音は力強く早く、そのアンバランスさが不気味だ。
全速力で走っているのに足音が歌がどんどん近づいてくる。
心臓がバクバクと全身に波を打ち、喉は完全に乾きはりついて何度も咽た。あぁ、角が見える!曲がってしまえば…!
後一歩の所で、耳に温い息が触れた。
左肩を捕まれ引かれた、ぐるりと景色が回る。湿度の高い腐敗臭。
彼女と目が合った。
ハッと気が付くと車の助手席に乗ってる。さっきまで真っ暗だったのに空が明るい。
運転手は灰色の作業服をきた中年男性。帽子を目深に被っているので顔が見えない。
暫く車を進めると遠くの十字路にあぐらをかいた坊主がいる。
このままでは坊主を撥ね殺してしまう。運転手は止まる気はなさそうだ。
坊主は轢かれる未来を知っているようだ。こっちをじっと見ている。
何度坊主と運転手を交互に見る。あ、危ないという気持ちと轢き殺さなきゃと言う気持ちがいりまじっている。
私、運転手、坊主の視界にグルグルと切り替わり続ける。