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ゆっくり夢日記「妖狐愚楽旅噺」2014年3月24日

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記録

2014.03.24
愚楽様という狐に振り回される。愚楽様は、元華族の祀っていた石碑を壊してしまったのでほとぼりが覚めるまで、海に出る。愚楽様の妹は大変な美少女で、限定1000人のサイン会をやっていた。最後の人でギリギリ入れた私は竹姫様にサインをもらい彼女と一緒に学校の授業を受ける、竹姫様に気に入られて周りの人から恨まれる。目に見えない者同士の戦いには作法があって何か境界線を隔てて頭を下げあう。愚楽様の攻撃方法は、相手の体に鈴を埋め込む。(自分も相手も何処に埋まっているかわからない)それから体の一部を奪って相手に投げつける。ハズレだった場合は体は元に戻るが鈴が入っていた場合爆発四散するという攻撃方法。確か愚楽様の目的は祭りに乗じて愚楽様の地位を脅かそうとする者を皆殺しにする、だった気がする。

詩「妖狐愚楽旅噺」

2014.03.24
森で散歩していると、白い狐が躍り出てきた。
狐は愚楽と名乗った。彼は元華族を祀っていた石碑を壊してしまったのでほとぼりが覚めるまで、人に憑いて旅に出たいらしい。丁重にお断りしたが、妖狐が一人で用もなく他の土地に行くということはその地に元から住んでいる者たちへの宣戦布告になるらしくどうしても他者が必要なのだと説明し、断ればこの場でお前を食うと脅した。
渋々承諾して一緒に旅をする。愚楽は尊大な性格で様を付けずに呼ぶと噛みついてくる。普段は影になって姿を隠しているが、必要とあれば人の姿にもなった。

愚楽様がまずどうしても行きたい所があると言うので向かったのが海辺の町だ。そこでは竹姫と言うアイドルが千人限定のサイン会をやっていた。愚楽様がサインを貰って来いという。最後の一人でギリギリ入れた私は竹姫にサインをもらい愚楽様に渡した。
「お兄様」と言う声がした。竹姫は私達を追いかけてきたようだ。
どうやら竹姫は愚楽様の妹らしい。しばらく話して意気投合すると、是非一緒に学校で勉強してほしいと言われた。特に断る理由もなかったので一緒に授業を受けた。
竹姫の勉強を手伝ってやると懐かれて、周りの人から恨まれる。
愚楽様も渋い顔をしている。
竹姫と別れて宿に戻ると、女将が今夜はお祭りがあると教えてくれる。
部屋に入ると愚楽様が「支度をしろ」という。
何か用事があるのかと聞くと、祭りの日は人には見えない者達も隠れて祭りをするものなのだと教えてくれた。この当たりの者達は愚楽様の地位を狙っていて何度か嫌がらせをしたことがあるらしい。
「今夜奴らを皆殺しにする」
愚楽様がニヤリと嗤った。

祭りでにぎわう町を散歩しながら愚楽様は目に見えない者達の係り方を教えてくれた。
彼らの交流には作法があり、初めに何か境界線を隔てて頭を下げあう。
お互いが見えていても認識し合わないと影響し合えないのだそうだ。
もし頭を下げた相手を無視すると無視した者の霊性が下がり繰り返していると消えてしまうので殆どの場合礼をし返すのだという。
ので、通常弱い者は自分より強い者の気配を感じると隠れる。
しかし、祭りの日は無礼講なので皆油断しているのだといった。

人間が山に入って腑抜けになってしまう事があるのは、何者かに興味を持たれた上に何度も境界線に近づき何度も頭を下げられてしまうからだそうだ。人間は生れた時から文字と言葉を使い過ぎて見えない実体が操れなかったり弱かったりする。
だから彼らを見ることができない人が多い。
実体を知る前に言葉と文字で肉と魂を強く結び過ぎて地にしか足を付けられないのだ。

神職なんかは彼らと係りたい時言葉で礼をするのだと教えてくれた。
ただ、実体で礼をしないと言うのは失礼に当たるのでお詫びに酒や果実を供える。

彼らは交流する事を「遊び」という。それは談笑だったり交渉だったり殺し合いだったりする。

愚楽様の攻撃方法は、まず目を合わせる。すると相手の体に鈴を埋め込まれる。この鈴は自分も相手も何処に埋まっているかわからないが、動けば音が鳴る。鈴の入っている間、愚楽様に触れられるとパーツごとでぼろりと落ちる。痛みはない。愚楽様は相手の部品を奪い取って相手に投げ返す。鈴が入っていないパーツならばそのまま体に戻るが、鈴が入っているパーツだった場合、投げつけられた相手は爆発四散し消滅するのだ。

愚楽様は鼻歌を歌いながら墓場を闊歩している。
時々深くお辞儀すると見えないものを千切って空中に投げる。するとチカッと何もない空間が光る。
その光が地に吸い込まれていく。蛍の様だった。
鈴の音があちこちで鳴っていた。

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