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ゆっくり夢日記「女怪盗」2014年10月10日
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記録
10月10日
私の友人は女怪盗だ。綺麗な真っ赤のドレスで現れた彼女は私をアクセサリーコレクターの家に一緒に招待してくれるらしい。行くと彼女が「どれでも一つ、盗ってあげる。」と囁く。気に入るものがなくて困る。
詩「女怪盗」
10月10日
私の友人は女怪盗だ。ある日彼女は綺麗な真っ赤のドレスを着て私の家に訪ねてきた。
宝石コレクターの家に招待されたので同伴させてくれるようだ。
私が宝石が好きだって事を彼女が覚えてくれていたことが嬉しい。
黒いワンピースを着て彼女とパーティに行く。
こういうのは慣れないから緊張する。
彼女はなんてことはない様子で頼もしい。
パーティは立食形式でシャンパンを飲みながらガラス箱に入った宝石を眺める。彼女がかいがいしく私の世話をしてくれる。彼女は友達と口では言っているが私の事が好きらしい。
美しい彼女に恋慕されるのは
光栄なことなのかも知れないが
私は彼女と友達でいるのが楽しいのですごく悲しい。
もし友達として一緒に居らず、今日出会って愛されるならば
同棲であろうとも付き合いたい。
それほどに彼女は美しく心優しい人間で、
その上私の事をとても大切にしてくれるのだ。
愛さないでほしい、と思う。
時たますごく意識した目線を送られたりするので、
心が苦しい。
優しく頭を撫でてくれるのも「年上としての愛情表現」ではなさそうだ。
コレクションを眺めながらふらふらしていると、酔っていたからか何もない所で躓いた。彼女はさっと私を抱き留め、「どれでも一つ、盗ってあげる。」と囁く。
彼女はじっと私の目を見つめる、私の芯まで深く深く覗き込んでいる。
異性どころか同性でも百戦錬磨の彼女だ、私の全てが見えているのだろうか?
心を覗き込まれているようで振るえた、
だが、それよりも少し彼女の瞳に不安の色が見えた事が
よりいっそ私の胸を締め付けた。
私は何も言えなかった。
永遠にも思える一瞬だった。
あぁ、地獄だ。
少し苦しそうな顔をして彼女は
お姫様を扱うかのように私を優しく立たせてくれてると
微笑み、ケースの方へ手を引いた。
二人で宝石を見て回った。
一言も話せなかった。
今すぐ死んでしまいたかった。
どれを見ても気に入った宝石がなく困ってしまう。
これは地獄だ。
私は、彼女と友達でいたかったのだ。
こんなにも彼女を愛しているのに。