折り紙惑星儀で学ぶ太陽系の大きさ(前編)
宇宙は規模が大きすぎて感覚がつかめない…
そんな方のために、折り紙を楽しみながら惑星の大きさを実感できる折り紙惑星儀を使った学びをご提案したいと思います。
折り紙の風船という折り方で、大小さまざまな8つの惑星の型紙を折りながら天体ごとの大きさの違いを実感できるものとなっています。
惑星そのものの大きさだけでなく、太陽系の壮大さだったり、天体の動く速さの違いなどについても学べるようになっていますので、少し知識を持っていて、もう少し学んでみたい、という方にもおすすめです。
型紙は、公式オープンチャット『「折る宇宙」協議会』に参加するとダウンロードできるようになっておりますので、この機会にぜひご参加ください。
一緒に楽しめる本・アプリ
概要の説明が終わったので、いよいよ今回の太陽系探索の下準備を進めていきたいと思います。ということで最初に、一緒に使うと10倍楽しめる本・アプリをご紹介します。
アプリのほうはWebアプリで、今回自作しました。初公開ですので、ご利用いただいた感想等をコメント欄で頂けると嬉しいです。
まず本のほうは、以前一度ご紹介した「宇宙のはかり方」です。
今回は惑星の距離や大きさなどに絞ってお話を進めていくのですが、この本ではいろいろな視点から星を比べているので、きっと参考になると思います。この本はやっぱりすごいと思います。
この本を出されている方は結構有名な方なので、信頼できるかと思います。
そしてアプリのほうは、今回自作した新アプリ「太陽系散歩」です。webアプリになっているのでパソコンからでもスマホからでも使えますが、アプリの持ち味はスマホのほうが生かせると思います。(理由は後述)
このアプリは指定された縮尺で惑星の軌道をマップ上にプロットするアプリです。太陽が中心となります。まだアップデートの予定もあるので、使い方を簡単にだけ説明しておくと…
最初の画面で「シミュレーションモード」を選択
中心位置(太陽の位置)にしたい地点をダブルクリック
縮尺を入力。今回の折り紙で使用する縮尺は2億分の一と20億分の一なので「億分の一」をとって「2」や「20」と入力してください。
「宇宙のはかり方」で紹介されている1000万分の一スケールで出力したい場合は「0.1」と入力してください。その縮尺にしたときの、惑星の軌道が表示されます
といった感じです。ゲームモードは、位置情報を利用し(現在地を太陽として)、移動した経路が線で表示され、各軌道に到達するとマーカーと軌道で表示されるようになっています。
ぜひスマートフォンとこのアプリを組み合わせて、自分がどのぐらいまで来たのか確かめながら散歩を楽しんでみてください。
実際に折ってみる
それでは実際に作っていきましょう!!
型紙は下のファイルをA3サイズで印刷してください。少し大きめのサイズなのでコンビニ等に行かないと厳しいかもしれません。
https://drive.google.com/file/d/1uUIF6U8Dt_PyGgKQqxrNk3CzZ-U4rQUu/view?usp=drive_link
折り方は一般的な「風船」の折り方と同じです。大小さまざまな正方形の型紙が8つあるので、切り離してそれぞれ折っていきましょう。
折り方がわからなければ、公式サイトにある「作り方」やほかのわかりやすい解説などを参考に折ってみてください。
かなり小さい型紙もありますが、頑張って作っていきましょう。
あ、そうそう、土星にはわっか(の型紙)をつけているので」上の公式サイトを見ながら作ってみてください。
完成したら上の図のようになります。
あれ、木星って地球の10倍ぐらいのサイズじゃなかったっけ?
と思ったそこのあなた、なかなか鋭い勘をお持ちだと思います。
実は内側を回る水金地火星は2億分の一、木土天海王星は20億分の一、と10倍違いの縮尺で分けています。こうでもしないと、木星の直径が70cmとかいうとんでもないことが起こりかねないので…。
まあ、内側4つと外側4つの惑星の大きさが桁単位で違う、というのは覚えておくといいかと思います。
あっ、ちなみに今回、メ~(冥王星)は用意していません。羊ファンの皆様、申し訳ございません。
…こんなこと書いてたら、いつも行ってる科学館がばれてしまいますね。
2億分の1太陽系(水~火)
ということで、まずは小さいほうの内側4つの惑星から解説していきます。とりあえず作ったはいいけど、どれがどっちのグループかわからないという方は上の写真を参考に分けてみてください。
これら4つの惑星は岩石型と呼ばれており、岩石からできていて密度が高いのが特徴です。その中でも一番小さい天体が水星、一番内側を回る惑星です。
その次を回るのが金星。ひときわ黄色い天体です。私たちから見えるのは分厚い雲をかぶっている姿なのですが、今回は丸裸にしてあります。この分厚い雲が布団のような役割を成しており、いわゆる「金星温暖化」が進んでいます。表面温度は水星よりも高い460℃。
そして次が我らが太陽系第三惑星、地球です。見てもらうとわかる通り、先ほどの金星とサイズはほぼ同じです。このことから、金星と地球は姉妹惑星なんて呼ばれます。一方で地球のみに生命が存在できているのは、液体の水の存在が大きいといわれています。
最後に4つ中一番外側を回る火星。地球に比べサイズが小さく、重力も低いです。かつて液体の水があったとされており、現在再び海を作って人が住めるようにする、「テラフォーミング」という構想もあります。
という感じの特色あふれる4惑星が並んでいます。興味があるものがあれば調べてみてください。
また、今回話に出てきた金星雲ありやテラフォーミングイメージ図の型紙は公式オープンチャット『「折る宇宙」協議会』にて配信中ですので、この機会に是非ご登録ください。
ということで大きさ等については勉強できたと思うので、次はこれらを使ってミニ太陽系を作ったらどうなるのか考えていきたいと思います。
要するに、太陽系のサイズを2億分の一にしたら各惑星の軌道直径はどのくらいになるのか、ということです。
ちょっとみなさん想像してみてください。火星を直径3cmにしたら、太陽からどのぐらいのところを回っていることになると思いますか?
あんなにちっちゃいんだから長くても50mぐらいかなあ…。いろいろ考えてみてください。
Thinking time
それでは、答え合わせです。
先ほど紹介したwebアプリ「太陽系散歩」にアクセスし、最初の画面で「2」と入力してみてください。
どうでしょう、予想通りでしたでしょうか。
軌道同士の感覚等も含め、じっくりと観察してみてください。すごいなあ、と思った方、これはまだ序の口です。
次回、木~海王星篇、楽しみにお待ちください。
(以下、次回予告です。)