~「つなぐ」① 人生IROHAさん~
こんにちは。
Low-FODMAP の簡便調理食品ブランドのFodyouです。
誰もが活き活きと暮らし自己実現できる世の中に変える為に。
そんな活動をされている方の想いを世に発信する為の
インタビューコラム「つなぐ」をスタートします。
第一回は、Fodyouでもファンディングをさせていただいた
臭いの悩みを持つ人が集えるカフェ、『ゆあのあ』の開店を
4月に控える、人生IROHA さんをお迎えしました。
1.ゆあのあ開店を控え
― 『ゆあのあ』の開店準備を控えてお忙しい中、
お時間をいただきましてありがとうございます。
本日は、過去の経験でしたり、ゆあのあ開店を決意するにあたっての
想いなどをインタビューできればと思います。
宜しくお願い致します。
IROHA 「こちらこそ、宜しくお願いします。」
― クラウドファンディング、目標金額達成おめでとうございます。
70名に迫る方から130万円を超える金額の支援を集めました。
今の率直なお気持ちは?
IROHA 「多大な支援をいただき本当に有難く思っています。
4月15日オープンを目指して、色々準備を進めています。
現在(インタビューは3月下旬に実施)は内装工事中で、
自分が選んだ壁紙を貼る作業が今まさに行われているのですが、
素敵な仕上がりで。ながく続けられるように頑張らないと、
と改めて感じています。」
2.症状を自覚した時期
―まずIROHAさんご自身が抱えていた悩みについて訊かせてください。
悩みを持ち始めたのは、いつからでしょうか?
IROHA「中学二年生の時です。
とあるきっかけがあり、自身のにおいを自分で感じるようになりました。
学校のクラスメートなど、周りの人から私のにおいについて直接指摘を
受けた事はありませんでした。 一方、自身のにおいに悩むクラスメートが既に他にいて。そしてその生徒が周りから『くさい』と言われていたり、
避けられたりしているのを私は目の当たりにしていて・・・。
周りが鼻をすすったら『私のせい?』と気になって仕方がないし、
他人に迷惑はかけたくないし・・・。幸い、他人から心無い言葉を
浴びせられたり、いじめられたりという事は無かったですが・・・・・
どんどん内気になり、人を避けるようにもなっていきました。
ですから進学する高校を選ぶ際も、
『女子高』
『電車に乗らなくて済む、自宅から自転車で通える範囲内』
を絶対条件にしました。」
3.「一緒にお弁当食べよう」手を差し伸べてくれた友人
― 進学する高校を選ぶ事は人生における大きな選択な一つ。
それに深く影響するのですから、深刻で辛い悩みだと改めて感じました。
自宅から程近い女子高を進学先に選択されたとの事ですが、中学校からの友達・知り合いは
進学先にいたのでしょうか?
IROHA 「中高一貫校ではなかったので、クラス全員みんな、
誰も知っている人がいないところからのスタートでした。
周囲が徐々に打ち解け始める中、
自分はやっぱりにおいの心配があるから友達作りに積極的になれず。
昼休みのお弁当も一人で食べる日々が入学後しばらく続きました。
でも入学してから1か月くらい経ったある日の昼休み、
いつも通り一人でお弁当を食べようと思っていたら、
『一緒にお弁当たべよう』
とクラスメート2人が誘ってくれたんです。
ちょっと驚きましたが、OKして、一緒にお弁当を食べる事に。
そこからすぐに意気投合して仲良くなりました。
最終的にはその仲良しグループは6人になりました。
当時はお笑いがブームになっていた時代で。ウッチャンナンチャンとか、
ダウンタウンが当時まだ若手の頃で。
彼らのテレビを観て、「掛け合い」というのでしょうか。
ボケとツッコミを真似てみたり。そのグループで過ごす時間は
本当に楽しかった。
においの悩み自体が綺麗サッパリ消えたわけではありません。それでも、「素」の自分を受け入れてもらえる喜びや
素晴らしさを本当に感じられた。
彼女たちに本当に救われました。
この6人グループでは連絡先を交換していて、
今でも時々やり取りがあります。」
4.カフェをオープンしようと決意した背景
― さて、ここからはカフェの事についてお訊きします。
近年はZoom等を利用したオンライン会合も増えてますが、
『においで悩んでいる人たちが集える場所』に、
『カフェ』という形態を選んだ背景をお聞かせいただけますか。
IROHA 「私は一年前からSNSを初めて、昨年5月にレンタルスペースを
借りてオフ会をやりました。同じ悩みの方々に集まっていただきました。
そのオフ会では情報交換だけでなく、あくまで希望者限定では
ありましたが、お互いのにおいの状態を確認しあう機会も設けました。
においに悩む人は、自身のにおいがどうなのか常に
気になって仕方がないものです。しかし親しい人、例えば家族に相談して「におわない」と言ってもらえても、安心出来ないのです。
本当はにおっているのに、気を遣っているのではないか、と。
でも、同じ悩みを持つ者同士なら忖度無しで感じた事実を
伝えてくれるはず、という信頼感があるし、その信頼感が
安心感にもつながります。
そういう機会を設けたのも含め、参加者からは好評なオフ会でした。
でも、『においの確認し合い』が前面に出てくる会合を続ける、
それだけというのも何だか違和感があったと言いますか。
どのように表現したら良いか難しいのですが・・・・、
リラックスした状態で過ごしてもらい、その中でお互いの悩みの
打ち明けなどが出来る、そういう空間を提供できないかと。
なのでカフェという形態を選んだのです。
― そういう想いがあったのですね。
情報交換だけならオンラインで気軽に出来ますが、
今仰られた想いの具現化をするなら、実店舗である必要がありますね。
また、においは「目に見えない」からこそ、怖く、
気になってしまうものだ、と改めて思いました。
ヒット商品で、汚れが見えるマウスウォッシュという商品があります。
製品を口に含んでゆすいだあと、吐き出すと液の中に固形物が浮かぶ。
メーカーさんによるとその固形物が汚れだそうですが、
その固形物を確認して、『口の中が綺麗になった』と安心感を
おぼえる方が多かった。だからヒット商品になりました。
これは「目に見える」事がいかに人を安心・納得させるかの良い事例です。
逆に、「目に見えない事」がいかに人を不安にさせるかということも、
示す事例でもあると思います。
IROHA 「そうです。繰り返しになってしまいますが、においの状態は常に気になります。」
5.つむぎたい想い
― 最後に、ご自身と同じ悩みを持つ方々へ、伝えたい願い、
つむぎたい想いを教えてください。
IROHA 「悩みを持つ方に一番お届けしたい想いは、
『思いやりをもって手を差し伸べてくれる人が近くに現れた時に、
その手をとる勇気を出してほしい』
でしょうか。
本当に辛い思いをしている時、悩んでいる時って人との関わりを
断ちたくなる。自分の殻に閉じこもりたくなります。
一旦殻に閉じこもるとその殻を自らやぶって外に出るのは
本当にハードルが高い。
でも手を差し伸べてくれる人が現れたら、
心の扉を優しくノックしてくれる人が現れたら、
それをはねのけず差し伸べられた手をとって欲しいな、と思います。
悩みを分かち合える仲間、素の自分を受け入れてくれる仲間は、
かならず、かならず、この世の中にいるので。
自身のにおいで悩む方々がそんな仲間と出会えるきっかけづくりを、
ゆあのあでお手伝いできればと思います。
そして、一歩とは言わない、半歩、前に踏み出せるきっかけも、
つくっていければなと。」
― IROHAさんの活動、並びに、ゆあのあを心から応援しています。
本日はありがとうございました。
~了~