生きているカラダそのものが奇跡なのだと感じます
「この施術は奇跡を起こすと確信しています。」
そう私たちに話してくれたのは、ホームケアコースに参加している学院生でした。
セラピスト養成学院に入学した当初は、滑落による足首の大怪我から一生痛み止めを飲み続けることを指示され、痛みでどうしようもない場合は足首の関節を完全に固定する手術を医師から宣告されていたHさん。
小走りなんてもってのほか。普通に歩くにもスピードは出ず、いつも足を引きずるように歩かれていました。
先日ホームケアコースの卒業を迎えたHさんは、学院がはじまった5ヶ月前には想像できなかった姿を私たちに見せてくれました。
その場でぴょんぴょん飛び跳ねたり、院内を走り回ったり…ちょっとした坂を駆け下りることが出来るくらいにまで回復していたのです。
施術家をつづけていると、こういった、ときに奇跡のような出来事に遭遇します。
そんなときは、皆さん口を揃えて「FMT整体の施術が奇跡」とおっしゃってくださいますが…それは事実とは異なるということが、施術をすればするほど、より深くわかるようになります。
例えば、転んで擦り傷ができると、その場で私たちのカラダは出血を止めるために働きます。
傷を作った本人がどう思っていようと、カラダは傷ついたその瞬間から治ろうとします。生きるために動き続けています。この仕組みそのものが、もうすでに奇跡です。
しかしながら、時々この奇跡の力である「治る力」が何らかの理由でうまく働かなくなっていることがあります。そんな状況になってしまったときが、私たち施術家の出番のひとつなのだと考えているのですが…私たちにできるのはきっかけを作ることだけ。
治したり、身体を整えたりするために、何かしら決断をして実際に行動をするのは患者さん自身なのだと思うと、やはり奇跡を起こすのは、そのカラダの持ち主である患者さん自身なのだと感じます。
冒頭に紹介したHさんの、今年に入ってからの改善のスピードは目覚ましいものがありました。
詳細はここでは書ききれないのですが、ホームケアコース内での学院生同士で行う施術練習・自宅でのセルフケア・食事をはじめとする生活習慣の見直しなど、Hさん自身がひとつひとつ取り組まれたことがこの結果を作り出していました。
その回復力に、私たちが驚かされ、あらためてカラダの可能性を学ばせてもらったことは間違いありません。
私たちの活動目的のひとつは、「治らないと諦めてしまう人をひとりでも減らすこと」です。
FMT整体は病院ではないので、「病院に行くまでもない方」「病院に行っても駄目だった方」が来られます。聞いたこともない病名を相談されたとき、少しでも手立てがないかと来院されたとき、「お医者さまに治せなかったものが、私たちに対処できるのか…」と尻込みしてしまいそうになることもあります。しかし、そんな時いつも思い出すのはFMT整体に来院されて奇跡を起こしていった患者さんたちの笑顔。
もちろん私たちは神様や仏様ではないので、すべてを治すことができる、なんてことは言えませんが良くなる可能性が1%でもあるならば、患者さんとともに、あらゆることに一所懸命に取り組むことがプロとしての責任なのだと感じます。
今、ホームケアコースや体の学校セミナーなど患者さんと一緒になって、私たちもあらためてカラダを学んでいます。それぞれが、治る力を持っている自分自身を信じ、大切にできるように。
施術家として精進をつづけながら、私たち人間が持っている力を最大限に引き出すためのカラダについての研究活動も継続して行っていきます。
FMT整体
柴田友里絵