学ぶことは、まねぶこと
「どうやったら体の力を抜くことができますか?」
これは患者さんと話をしている中で、かなりの確率で出てくる質問です。
痛みやしびれなどを改善するためだったり、パフォーマンスの向上であったり、体に向き合いより良い形を目指すための取り組みをつづけていくと必ずと言っていいほど、ぶつかる問題だと思います。
自分では力が抜けていると思っている方であっても、痛みやケガなどの症状が起こっているということは、思うようにコントロール(意識)できていない部分があるとみて、ほぼ間違いありません。
と、施術家として偉そうに話してみましたが…最近そんなことを自分自身に感じています。
力が抜けない。正確には、ある動作の中で自分に力が入っていることが自覚できないのです。自分の体なのに、コントロールができない。
わからないから、うまく修正することができない現実に少々落ち込みます。
なぜこんな事になっているかというと、昨年末あたりから人生で一番やりたくない、一生やらなくて良いなら避けて通りたいと思うくらい苦手意識がある「走る」ことに関する挑戦と、それに合わせた身体の使い方に関する検証をはじめたからです。
細かいことは今回割愛しますが、正直走りに関しては学生の頃から良い思い出がひとつもない。そんな私が、約10年ぶりにまともに動き始めて10ヶ月。
おかげさまで高校生の持久力を測る体力テスト5点以下レベルだった私も、10点を目指せるかもしれない、そう思えるところまでたどり着いた今。
ぶつかっているのが前述した問題です。
さて、自分のカラダの力を抜きたいとき。
まず大切な一歩は、自分の状態やパターンを知ることだと感じています。
例えば、どんなときに力が入ってしまうのかがわかるとそこに対する具体的な策を講じることができます。「どんな良い方法があるか?」
私たちは早く解決したいと思うと、どうしても最初に方法を調べがちですが、自分の状態が正しくみえていなければ、適切な方法を選択することができません。
しかしながら、自分の状態は自分ではみえないものです。
それが当たり前であればあるほど、長年のパターンにはまっており、私たちは気づくことができませんから、まず鏡を使ってみることをおすすめします。
ここでいう鏡とは、誰かと比べてみたり、真似をしてみること。
上手くいっている人や自分の理想とする形を観察して、自分との違いを探します。違いをみつけたら、それを埋めるための方法を考えることで適切に修正ができます。
よく、誰かと比べる必要はない・そのままで良い、なんて言われることもありますが、学ぶの語源はまねぶ(真似をする)ことだと言われています。
比べるからこそ、得られるものがあるんだと思います。
私も現在、「まねぶ」ことからさまざまなことに取り組んでいますが、とても奥が深い世界だと感じています。走ることから施術のレベルアップまで。ひとつの事柄からたくさんのことが得られています。
ぜひ、まねぶことの深みを、みなさんも感じてみてくださいね。
ここでは書ききれない気づきや、文章ではお伝えできない体験もたくさんありますので、今後体の学校セミナーや学院講座などで皆さんに還元していく機会を作っていきたいと考えています。
楽しみにしていてください!
FMT整体
柴田友里絵