第2節 サンフレッチェ広島戦(3/7)Review
こんにちは。前回の川崎戦のレビューをマリサポをはじめとするJリーグサポーターの方々や友人に思っていた以上に読んでいただけていて、感想もかなりいただけたので非常に嬉しかったです。ありがとうございます。こういうものは継続性が重要だと感じているので、今後も毎節何かしらの内容を発信していこうと思います。
(写真:https://www.f-marinos.com/tricolore_plus/article/33)
今回は横浜F・マリノスのホーム開幕戦の振り返りです。水曜日のルヴァン杯ベガルタ仙台戦に勝利して迎える今節は、昨シーズンまでマリノスに所属していたジュニオール・サントス選手を擁する広島。ホームということもあり、初勝利で勢いに乗っていきたいところですが簡単な相手ではありません。さて、どのような試合となったのでしょうか。
・現地観戦の感想
今回は数年ぶりにバックスタンドで観戦。5000人制限試合のためチケットが確保できるかが不安でしたが、年間チケットの優先権のおかげでゲット。スタジアムへ向かうときのワクワク感、スタジアムグルメ、試合前練習、選手紹介。これでもとは取れたようなものです。サポーターズシート2階に作られた「奪還」のコレオグラフィーも素晴らしかった。
応援ができないため物足りなさは多少あるものの、その分ピッチ上の選手の声がよく聞こえたり、より試合を集中して観ることができたりするのでそういう面でまた別の良さもあります。まあ応援が恋しいのは事実ですが。(いつになったら、、、)
さあ試合の振り返りに進みましょう。
・試合詳細
スタジアム:日産スタジアム
入場者数:4,906人(制限試合)
天候:曇 気温:9.4℃ 湿度:37%
主審:今村 義朗 副審:山内 宏志、浜本 祐介
第4の審判員:大坪 博和
VAR:佐藤 隆治 AVAR:相樂 亨
DAZN実況:下田恒幸 解説:松原良香
・スタメン発表
サブメンバー
マリノス #1高丘、#15伊藤、#25小池、#26渡辺、
#7エウベル、#18水沼、#35樺山
広島 #1林、#10森島、#18柏、#25茶島
#29浅野、#30柴崎、#23鮎川
ホーム横浜F・マリノスについて。注目点としては3点。1点目はやはり今季から10番を背負うマルコス・ジュニオールの復帰。仙台戦では20分ほど出場して試合勘を取り戻した。スタメンに名を連ねた今節では中盤の司令塔として活躍できるかが試合の鍵を握りそうである。2点目は中盤、ボランチの位置に入った岩田智輝。同ポジションに入った仙台戦ではボールの散らし役として素晴らしい活躍。新境地を開拓した24番は今節どのようなプレーを見せるのか。また、岩田と仙台戦でボランチを組んだ渡辺皓太にも注目だ。今節はベンチスタートとなったが、熾烈となった中盤のポジション争いに食らいつくためにも正念場。途中出場でチームを勢いづかせたい。そして3点目は初めてベンチ入りした新ブラジル人エウベル。どこまでの能力を見せてくれるのか楽しみだ。
アウェイのサンフレッチェ広島は開幕節から両ウイングを変更。スピードのあるエゼキエウ、藤井智也でマリノス のライン裏を突くことが狙いか。ベンチに控える森島、柏、浅野なども途中から出てくるのは怖い選手たち。
・前半総括:不運な形からの失点がチームを狂わせる。ただ、、、
前半終了。スコア1-3で広島リード。スタッツは以下の通り。
シュート6-6(枠内4-4)
支配率 67%-33%
パス(成功率) 417(84%)-115(58%)
オフサイド 1-1 CK 3-2 ファウル 12-5
①良い立ち上がり。先制点さえ取れていれば。
試合開始。想定通りではあるがマリノスが基本的にはボールを握り、広島はカウンター、サントスの個人技で攻撃しようという意図。立ち上がり良かったのはマルコス、前田大然といったところか。
まずはマルコス。中盤でフリーポジションをとる彼は積極的にボールを受け、司令塔として機能した。天野純や渡辺皓太とは異なるリズムをもたらしてくれるところは流石である。ただ、コンディションはまだ完全ではないため次第にトーンダウン。前半30分すぎにはイエローカードももらい、イライラ。
そして前田大然。開始20秒でシュートまで持ち込み、守備でも2分、7分にそれぞれ素晴らしいプレス。ドリブルは得意としていないため、左ウイングとしての遠藤渓太、マテウスのような働きは期待できないが、このスピードスターの好調さを感じさせる立ち上がりのプレーであった。
それなりにテンポ良くボールが回せていたマリノスであったが、不運な失点がチームを狂わせる。1失点目は前半12分。後ろの繋ぎからチアゴにミスが出て、焦ったチアゴがPK献上。あーあ。サントスが決めて広島が先制。2失点目は前半27分。セットプレーのこぼれを東に押し込まれる。
得点とともにマリノスの攻撃に慣れ、守備に自信をつけた広島。攻めきれずボールを回すだけになっているマリノス。
広島の守備はコンパクトに構え、ボランチの青山が指示を飛ばす。特にティーラトンに対峙する藤井に関してはかなり指示が飛んでいたような印象。逆にマリノス右サイドに関しては松原のところをエゼキエウが積極的に狙うというよりも、仲川のところに誘導。そしてこの前半で特に厳しかったのは岩田のところ。DAZN解説の松原さんも触れていたが、岩田に対してサントス、青山が睨みを聞かせているため、アタッキングサードで岩田がボールを受ける回数が非常に少ない。完全に広島の守備のリズムに合わせてしまう形となり、マリノスとしては攻撃が手詰まりになりかけていた。
②次の得点は思わぬ形。マリノスが息を吹き返す。
完全に広島の流れ、マリノスとしてはボールを持たされている時間が続く中、点が動く。
前半34分、マリノスの今季リーグ戦初ゴールは#38前田大然!
岩田が広島ディフェンスラインにラフに蹴ったボールに対し、相手と競り合って抜け出した前田が落ち着いて流し込みスコアは1点差に。
これ以降、マリノスの攻撃陣は息を吹き返し、自分たちのリズムで攻撃を組み立てる。35分には前田のクロスに始まる一連の攻撃から扇原の決定機。37分にはティーラトンのCKから畠中のヘディングで再び決定機。しかしこれは広島のGK大迫に防がれる。ただ前田のゴールをきっかけに明らかに停滞感は払拭された。
③不安な右ウイング。そしてまたしても…
息を吹き返したマリノス攻撃陣であったが、この人だけは別である。#23仲川輝人。明らかに不調であった。チームにフィットせず、特に38分のシーンなど、攻撃のスピードを止めてしまうプレーが多々。試合後「自分は何もしていない」と語っていたように、本人にとってももどかしい時期。テルには一昨年の輝きを取り戻してもらいたい。
試合はアディショナルタイムにまたしてもマリノスに不運。松原のハンドが今季から導入されたVARによるチェック、主審によるオンフィールドレビューによって確認され、広島にその日2回目のPKが与えられる。まあ明らかなハンドではあった(見返してみると)ので、妥当なPKだろう。個人的には現地でVARの使用を初めて見たため新鮮であった。PKはヴィエイラが決めて再び2点差に。前半終了直前だったのもありサポーターには落胆が色濃く出た。
・後半総括:勝ちきれたら完璧だった。
①渡辺皓太、ありがとう。
後半開始3分、岩田智輝にアクシデントがあり、#26渡辺皓太と交代。岩田の出来が上々であっただけに、負傷の度合いが心配である。
ただ結論から言おう。渡辺皓太は素晴らしすぎた。中盤では間で受ける動き、攻撃のスイッチ役として機能し、ハーフスペースを積極的に狙って縦横無尽にピッチを駆け回る。岩田の登場でさらに中盤のポジション争いが熾烈になった現状、彼にとっても勝負の試合であったことを鑑みると、この活躍は筆舌に尽くしがたいものであった。1試合、1プレーが自分のサッカー人生を左右するかもしれない上、運も求められる厳しいプロサッカーの世界。試合に向かう選手の心情、覚悟を想像し、応援できるのもまた、Jリーグの魅力と言える。
試合は後半9分、渡辺のクロスからオナイウが決め、1点差に迫る。
ルヴァン仙台戦に続いて2戦連発となったが、CFとしてのプレーはまだまだ物足りない。実際それ以降はボールロストでチャンスを潰すことが多かった。ポストプレーは成長を見せているが、ポテンシャルはこんなものではないはず。
後半17分には浅野のシュートをオビがビックセーブ。川口能活さん(U23日本代表GKコーチ)が視察に来ていたが、良いアピールになったのではないだろうか。
②大然、覚醒の2ゴール!
同点ゴールは後半21分。前田大然がダイビングヘッドで今日2点目。スピードスターが覚醒した。シーズン開幕前、完全移籍で獲得したことに疑問を投げかけるサポーターも多かった。(実際私もそうであった。)まずはそう思ってしまったことを謝りたい。本当にありがとう大然。外見ではあまりそう見えないがまだ23歳。東京五輪世代の若い逸材である。このまま調子をキープして五輪代表も勝ち取ってほしい。
(3点目は5:45から)
そして3点目の起点はまたしても渡辺皓太。ハイボールを完璧にトラップ。サイドに振って自身はハーフスペースに侵入し、ついてきたDFを剥がして完璧なクロス。すべてが素晴らしい同点ゴールであった。
③逆転ゴールへ!ワクワクを与えてくれる選手たち。
後半27分に#35樺山、#18水沼を投入。後半35分にはついに#7エウベルが登場。
エウベルは10分少々の出場でも上手さを感じた。まずボールを取られない。そして速い。後半40分にはクロスに完璧なヘディングで合わせる。残念ながら逆転ゴールとはならなかったが、現地ではあまりにも衝撃的すぎて何が起こったかわからなかった。
樺山も積極的な仕掛けからシュート連発。やはり明らかに高卒のクオリティではない。はやいうちに初ゴールがほしい。
後半37分には右サイドのタッチ側のボールに対し松原が猛烈なスプリント。この時間帯にスプリントできることはやはり驚異的で、このような面からもプロの偉大さを感じることができる。
しかし4点目は遠く試合はそのまま終了。
最後エウベル、樺山にゴールが生まれて逆転できていたら、、、とも思えるが、もったいない形で3失点してしまった前半から、よく後半立て直して同点まで運んだ。結果としてはかなり評価できる試合であったと思う。
・次節に向けて
次節は3/10(水)、アウェイ福岡戦。中二日で福岡遠征と厳しい日程であるが、今シーズンの初勝利をなんとしてでも手にしたい。個人的注目は天野純。今節はベンチを外れ、休養は十分なはず。ポジション争いといった面でも、次節は特に期待したい。中2日はレビューも大変だ。今回は試合の振り返りがメインになってしまったから次回は分析も増やしていきたい。
ここまで読んでくださった方、ありがとうございました!