自ら水に沈んでいくスマホ
ニューロンと人間
人間は鬱になる。鬱は甘えではないといったり、甘えだと言ったりする人がいる。しかし、普通に考えて、鬱は甘えではないことはあたりまえの事実で、鬱が甘えだと言っている人の知識量のほうが心配になる。人間の脳はニューロンという細胞で構成されており、ニューロン同士の反応の結果、人間は特定の行動をする。つまり、ほとんど人間と機械は構造が同じだ。
機械はそれぞれの部品の反応や動きの結果として複雑な動きを出力する。人間も、脳のニューロンの相互作用の結果、複雑な動きを出力する。人間にあると言われている「意識」はニューロンの反応の結果そこに何かがあるように見えているものの呼称でしかなく、人間は自分のニューロンの勝手な反応を操ることはできないから、ニューロンの反応から出力される鬱という症状は人間には防ぎようがない。防水機能がないスマホを風呂に落としたら壊れるのと一緒で、ある特定の環境に置かれるとニューロンが反応して人間も壊れるのだ。特に、人間にとっての水はパワハラや長時間労働で、日本の労働環境はスマホにとっての水であふれている。
就活の面接で聞かれる「残業が結構あるが大丈夫か」、説明会で見せられる「8時半出社21時退勤の1日のスケジュール」。しかし、これでもましといえるほどネットにはもっとひどい労働環境の口コミがあふれている。日本企業に就職するということは、スマホが自ら水の中に沈んでいくことのように思えてならない。