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#196_非公開化は最善の打ち手なのか
昨日の日経の夕刊に、大要、「非公開化してもその資金を出したファンドからの圧力を受ける以上、経営陣は結局プレッシャーを受けるのでは」という記事がありましたが、たしかにそうだなと思います。
いわゆる「物言う株主」からの圧力が高まると、非公開化して株式市場から降り、長期の視点で戦略を立てよう、という声も出ますが、そのように非公開化しても、資金の出し手が全て経営陣でない限り、単に「アクティビスト」が「買収ファンド」に置き換わるだけのような気がします。
というのも、洋の東西を問わず、結局金主がエライわけで、その金主はたいていの場合おカネを稼ぎたい人たちなので、出した資金に見合うリターンを当然に要求してきます。
とすると、経営陣からしてみれば、アクティビストにあれこれ言われることと、本質的には変わらないオーダーを、買収ファンドからも受けるのではないでしょうか。
まあ、当然ながらそれなりの時間をかけて方向性をすり合わせたうえで決定するでしょうから、その時点である程度気ごころは知れている、というメリットはあるでしょう。しかし、どこまで行っても他人であることには変わりありません。
そう考えると、非公開化という打ち手には、世上いわれているメリットがどこまであるのか、単にそれを鵜吞みにしないでよく検討する必要があるように思います。