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#103_街角の鳥居シールと埋め込まれた仕掛け

繁華街など歩いていると、たまに、ちょっと奥まったところとか、陰になったところに、鳥居のマークのシールが貼ってあることがあります。

また、住宅地でも、家の角などに、小さい白い御幣のようなものが刺さっていたり。

これは、外国の人には絶対理解できないものと思いますが、日本の社会・文化という文脈で生活していると、感覚的にわかるものです。

要するに、そこで立小便や犬のフンをしてくれるな、ということです。そして、それがなぜ機能するかといえば、そういう鳥居とか御幣とかにそういったことをするのはバチ当たりだ、という感覚を共有しているからです。

これって、制度や組織を考える際に、非常に重要であると思います。もしこの感覚の共有がなければ、ある行為を規制するために、罰則やモニタリング、インセンティブなど、それ自体コストのかかる仕組みを作らなければなりません。しかし、この共有があればこそ、ほとんどコストゼロで望ましくない行為を規制することができるわけです。

先日もどこかで書いた気がしますが、あるソフトロー(明文化されていないルール)の共有がある社会では、ちょっとした仕掛けを埋め込むことで、コストを掛けずにある行為を促進できる可能性が出てきます。

そして、これは感覚的ではありますが、日本では、(良くも悪くも)かなり同質性の高い文脈を参照して自分の行動を決定しているように思います。そうすると、初めからハードなルール付けを考えるよりも、まずはそこに、何かちょっとした仕掛けを埋め込むことを考えた方が効率的なのかもしれません。

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