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心理カウンセラーの資格

こんにちは。
オンラインカウンセリングプラットフォームのFlying Rootsです。

一言でカウンセラーと言っても、
一体何をする人なのか、どういうことをしてくれる人なのか、
よくわからなかったりしませんか?

「カウンセラー」という言葉は「相談員」を意味し、
心理のみならずいろんな分野で広く使われる言葉です。
今日は「心理」の「カウンセラー」に限って、
いわゆる心理カウンセラーと自らを名乗る人が
持っているであろう資格のうち4つ、ご紹介したいと思います。

はじめに

早速本題に入る前に、少しだけ前置きを。

自分の困りごとを相談する心理カウンセリングという行為が
珍しくなくなってきた昨今ですが、
それに伴いカウンセラーという職業も
一般的に広く知られるようになりました。

それでも「カウンセラー」という言葉には、なんだか曖昧な、
かっこよく言えば(?)ミステリアスな響きがあるようで、
「カウンセラーです」と名乗ると、
「へ〜、なんだかよくわからないけどすごいね」と
返されることもしばしば。

ですので実際に何かに困って相談しようと思ったとき、
どうやってカウンセラーを探したらいいのか、
どんなカウンセラーを探したらいいのか、わからない
ということも少なくありません。

今回の内容が
「カウンセラーって一体なんなの?」
「カウンセラーってどういう人がなれるの?」
「カウンセラーになるにはどんな資格がいるの?」
という疑問に少しでもお答えできればと思います。

「カウンセリング」 「カウンセラー」とは

厚生労働省の
「こころもメンテしよう〜若者を支えるメンタルヘルスサイト〜」
というウェブサイトで、カウンセリングを以下のように説明しています。

「カウンセリング」の元々の意味は「相談」、「助言」のことですが、こころの診療においては、医師やカウンセラーが心の悩みを聞き、こころの専門家としての視点から指導や援助を行う治療を意味しています。

厚生労働省 カウンセリングについて
 https://www.mhlw.go.jp/kokoro/youth/consultation/counseling/index.html


そして医療福祉分野におけるカウンセラーという職業については、
2020年3月から厚生労働省が運営を開始した職業情報提供サイト
job tag(ジョブタグ)でこんなふうに説明されています。

臨床心理に関する専門知識を活かし、カウンセリング等により、心や対人関係などの悩みを抱えた人への支援を行う。

職業情報提供サイト job tag
https://shigoto.mhlw.go.jp/Occupation/Detail?occupationId=411


ちなみに、以下はスクールカウンセラーという職業に関する説明。

臨床心理に関する専門知識を活かし、学校現場で、児童や生徒及び保護者、教職員に相談・支援を行う。

職業情報提供サイト job tag
https://shigoto.mhlw.go.jp/User/Occupation/Detail/412

上記3つの説明を読む限り、
カウンセリングというのは
心理に関する専門知識を持つ専門家(医師やカウンセラー)が
医療機関や福祉施設施設、教育機関などにおいて
悩みや困りごとを抱えた人に支援・援助を行うこととまとめられそうです。

では次の項から、カウンセラーとして一般的な資格について
ご紹介していきます。

臨床心理士

臨床心理士は、公益財団法人日本臨床心理士資格認定協会が
1988年に認定を開始した民間資格を持つ者を指します。
2023年4月1日現在で40,749名が、臨床心理士として認定されています。

臨床心理士という資格は民間資格でありながらも、
公的機関の任用規程に資格要件として掲げられるなど
公的にも活用されている資格です。
そのような扱いを受けている理由はいくつかありますが、
まず2018年までそれに代わる心理援助職の国家資格がなかったこと、
そして臨床心理士の資格試験を受けるには
原則大学・大学院で規定の科目の履修と実践実習が必須であるという
定められた教育課程のハードルが高く、
資格取得の難易度も高いことが挙げられるでしょう。

今現在も心理職の求人情報を見ると、
資格要件に臨床心理士資格が掲げられていることが多いです。
そういうことからも、心理援助職の資格としては認知度が最も高く、
次に説明する2018年に新たにできた公認心理師資格に次いで
公的にも活用されている資格と言えます。

臨床心理士の活動場所として一般的なのは、
病院やクリニックなどの医療機関、学校などの教育機関、
精神福祉センターや教育センターなどの地方自治体の施設、
それから企業など、多岐に渡ります。

公認心理師

公認心理師は心理援助職として初めて作られた国家資格で、
2017年に施行された公認心理師法に準じます。
2018年に初めての資格試験が実施され、
公式に発表されている登録者数は2020年3月末日現在で34,939名なので、
これを書いている2023年は倍近くなっているかもしれませんね。

心理職初の国家資格ということで、
今まで臨床心理士が資格要件に挙げられていたような求人情報には
ほぼ全て公認心理師も含められるようになり、
かつ行政機関のような職場では、公認心理師のみが必須と
書かれているものも少なくありません。

カリキュラムは臨床心理士のものに似ていますが、大きな違いとしては
臨床心理士の資格試験で求められる学歴が修士課程修了であるのに対し、
公認心理師は学士課程までで良いことでしょうか。
公認心理師は学士でも修士以上でも、
いずれにせよ受験資格が得られますが、
必要となる実践実習時間や実務経験年数が異なります。

公認心理師の活動場所は、臨床心理士のそれに似ています。
心理職の様々な募集要項を見ると、
臨床心理士と公認心理師の両方を資格要件としているところも多いですが、
この分野・職なら必ずこっちの資格が必要、と
日本全国一貫して決まっているものは今のところない印象です。
しかしながら、それも今後数年の状況で両者の棲み分けが自ずと、
あるいは様々な理由から少しずつ明確化され、
この職は臨床心理士の資格がなくてはいけない、
あの職は公認心理師の資格がなくてはいけない、
というのが決まってくるかもしれません。

キャリアコンサルタント

キャリアコンサルタント(略称:キャリコン)は、
職業選択や能力開発に関する相談・助言を行う専門職の資格で、
資格自体は2002年に民間資格として作られたものの、
2016年に国家資格となりました。

相談・助言を行うという点では、臨床心理士・公認心理師に似ていますが、
職業選択・能力開発に関する内容についてということなので、
たとえばどのような職に就いたら良いか、
ある職に就くにはどのような資格を取ったらよいか、
どんなことを学ぶべきか、という仕事に関する
より具体的な相談が向いているかもしれませんね。

キャリコンの資格を取るための試験を受けるには、
厚労省認定の講座課程を修了しなくてはなりませんが、
学歴は問わないので、例えば今まで別の業界で働いていた、
という人でもキャリア変更がしやすいでしょうか。

主な活動場所は、ハローワークやジョブカフェといった職業紹介施設、
職業能力開発促進センターというような職業能力開発施設、
それから高校・大学などの教育機関、企業というように、
職に密接に関わるような場が一般的です。

産業カウンセラー

産業カウンセラーは、一般社団法人日本産業カウンセラー協会が
1922年に認定を開始した民間資格を持つ者を指します。
主には職場の人間関係や仕事によるストレスなど、
働く人が抱える困難ごとをサポートしたり、
または働く人たちが(精神的に)安全に働けるよう
各職場が環境を整えるのを心理的な観点からサポートしたりします。

産業カウンセラーも資格試験がありますが、キャリコン同様に
日本産業カウンセラー協会が実施する養成講座の修了で
受験資格が得られますので、こちらも学歴の縛りがありません。

産業カウンセラーとキャリアコンサルタントは、
共に働くことに関わる支援というところで似ており、
職場または職員の心理的援助職の募集要項には資格要件として
両方が併記されていることも珍しくないです。
そういう意味では、臨床心理士・公認心理師との関係性とも似ていて、
産業カウンセラーとキャリアコンサルタントの明確な線引きは
主に国家資格かどうか、というところで
活動場所は概ね重複しているのが現状です。

さいごに

今回は「カウンセラー」と呼ばれる人たちが
もっているかもしれない資格のうち、
より公的に知られている資格の中の4つをご紹介しました。

この他にも、子どもや学校に関係する心理の資格として、
学校心理士や臨床発達心理士もご紹介したかったですが、
それは別の機会に・・・。

また今の世の中、カウンセラーという職が一般的に知られ、
そしてある程度需要があるという状況から、
今では通信教育で取得できるカウンセラー関係の資格も少なくありません。
それについても、別の投稿で情報をまとめられたらと思っています。

このようにカウンセラーと一言で言っても、
様々な資格があることがなんとなくイメージが湧いたでしょうか。
多くある資格のうち、どの資格が悪くてどの資格が良い、
ということはきっとないと思います。

ですが、誰かに相談をするというのは、
心の鎧を外してもろい部分を見せるという面もありますよね。
だからこそ、相談するということにためらいが生じたりもするわけで。

なので、自分やあるいは自分の大切な誰かの相談先を探す時・選ぶ時、
相談をする相手がどのような資格をもっていて、
どのようなことを学んできた人なのか、
というのを知ることは、心を守る大切な術だと思います。

もし何かを誰かに相談したいな、と今思っている人が
この投稿を目にされたとしたら、

その方が信頼できるカウンセラーに、
あるいは、よき相談相手に、出会えるよう
心よりお祈りしています。

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