一人で遠くへ飛べる技術
初めての単独飛行(ファーストソロ)も感動的です。トラフィックパターン戻ってきたら仲間からの祝福を受けてパイロットへの第一歩です。
初めての単独での野外飛行(クロスカントリー)も感慨深いものがあります。クロスカントリーとは出発空港から離れた別の空港へ飛んでいくフライトです。法律的には出発空港と着陸空港が違えばクロスカントリーとして認められますが、パイロット資格取得要件に必要となる条件として50海里(約92km)の離れた空港へ一人で飛んでいくのです。法律的には16歳でできるのです。まだ高校一年生という子供がそんな大それたことをできてしまう。訓練とは素晴らしいものです。
そのような大冒険をした後のパイロットとしての経験値は一気に上がります。単独飛行が航空法でパイロット資格条件の中に入っている理由のとして、一人でやり切る過程を経験させることと自信を持ってもらうこととがあります。当然教官同乗のフライトで技術と経験はある程度習得できます。それを一人でやり切る経験をすることで習得の度合いが一気に上がります。
ラーニングピラミッドを紹介したなぜフライトシミュレーターでも説明しましたが、知識の習得度のレベルが圧倒的に違うのです。しかも間違えたら死んでしまうかもしれないという極限の体験をさせられるのです。
達成後の感動の次元が違います。
免許取得後にはクロスカントリーを楽しむ期間もあります。クロスカントリーの楽しみ方を紹介したスクール選びそれより大事なことでも説明しましたが、飛行機の楽しみであり醍醐味の一つでもあります。
最初の頃は見知らぬ場所へ飛んでいくことはドキドキです。口には出さないいけど、心では「やった!本当にこれまでの経験でできた!」という成功体験がどんどん積み重なっていきます。
遠くに飛んでいく方法
いろいろな方法を駆使して組み合わせて飛びます。これを知った時には「へえ〜」と感心してました。と同時に感動もしてました。これ考えた人すごい!自分も早くやってみたい!という気持ちになったことを今でも覚えています。
一番基本的な方法:地図を見て外を見て飛ぶ方法
地図上に書かれた情報、例えば地形(山・稜線・海岸線・湖・河川など)や、人工物(市街地・障害物・道路・線路・顕著な建物など)を目で見て、その場所と自分の場所の位置関係を把握する。
昔はこの方法しかなかった。地図がない時代には目的地を見失い、おそらくたくさんの不時着があったのではないかとも想像します。なので一気に航空図が作られたのではないかと推測します。高い建物や鉄塔にぶつかることもあったかもしれません。空からも目立つような高い建物や鉄塔には赤く塗られたり電灯がついたりし始めたのではないでしょうか。
つまり視程が悪かったりして外をしっかり見れない時にはやはり危険な状態に陥ってしまう。雲の上にでもトラップしてしまえば下の地形や景色が見えなくなってしまう。
そこで考えに考えたのでしょう。地上でしっかりと計画と計算を立ててその通りに飛んでみること。
予想して飛ぶ方法:飛行機の速度や針路を空気の状態を計算して飛ぶ方法
・目的地に向かって真っ直ぐ線を地図上に引きその距離と方向を調べます。
・自分の操縦する飛行機の速度を確認します。
【速度 X 時間=距離】の公式から【時間=距離➗速度】 と公式を置き換えて、飛ぶ方向と飛ぶ時間が計算できます。
ところがほとんどの場合強さの差はあれ風が吹いています。向い風に向かって飛べば速度は遅くなり、追い風で飛べば速度は早くなり、横風があれば流されていく。速度がどのくらい変化するのか?流されないようするにはどうするのか?それを計算する。
そこまで座学で聞いた時にゴクッと唾を飲みました!何々!そんな計算方法があるの?と思い計算するツールを見た時に感動したのを今でも覚えています。
そうやって目で地上を確認しながら、事前に準備計算した計画を飛びながら、飛行中に判明したズレを直しながら、飛んでいくことで目的地にたどり着く。
それから電子機器が色々と開発され無線装置を使って場所を知り、目的地を知る方法がいくつも開発されてきました。正確なナビゲーションができるようになったのです。
電子機器を活用して飛ぶ方法:これが現代の主流になる飛ぶ方法
一番わかりやすいのは携帯電話にも使われているGPSです。自分が飛んでいる場所が地図上で表され、目的地へのルートも時間も一目でわかるようになっている優れものです。
実は今でもこれら3つの飛び方を組み合わせて飛んでいるのです。いずれかが故障した時、使えなくなった時、バックアップとして組み合わせいるのです。
そんな技術を駆使して一人で見知らぬ場所へたどり着いた時の充実感を想像してみてください。最高です。それが空の世界です。そこに友達家族と一緒に経験してみてください。あなたはスーパーヒーロー・ヒロインです。尊敬の言葉のシャワーを浴びてください。もう空の世界から抜けられません(笑)
実はシミュレーターでもできてしまう
前述した3つの方法を順番を追って一つ一つやってみることも可能。というよりパイロット訓練のクロスカントリー課程においてフライトシミュレーターの活用はもはや必須となりつつあるのです。
一番基本的な方法:地図を見て外を見て飛ぶ方法
離陸して上空に飛んでいくことはすでに楽勝でできるシミュレーターパイロットであれば外の景色を楽しむ余裕も出てきているはず。その景色を頼りに地図を片手に近くの空港へ向かってみる。そうしてトラフィックパターンに入り着陸。
一気に楽しみが倍増します。
これだけでも十分楽しめるシミュレーターでの旅行です。
そしてここからは少し専門的にお勉強するエリア
予想して飛ぶ方法:飛行機の速度や針路を空気の状態を計算して飛ぶ方法
ここからは少しお勉強が必要となりますが、離陸空港と着陸空港を地図上に引いた直線に対して、計算機・ものさし・分度器などの機能を持った専門的ツールを活用して、風の計算を入れて、ナビゲーションログ(航法計算書)を作ります。その通りに飛ぶためには、スロットルのパワー調整、正確な針路保持、時間チェックなどの作業が結構忙しくなります。
電子機器を活用して飛ぶ方法:これが現代の主流になる飛ぶ方法
手っ取り早く携帯のナビと同じように目的地にいく!というのであればこれしかないでしょう。そう入力操作などがわかればもうすでにどこでも飛んでいける!
さあフライトシミュレーターで世界一周の旅へ出発です。
FSOはFAAパイロット訓練の国内唯一の専門施設です。FAA認定のシミュレーターにFAA認定のパイロット教官。本気で遊ぶためのノウハウを知っているプロ集団です。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?