教員生活が終わりが近づいて後悔した たった一つのこと
こんにちは、3月31日をもって仕事を退職した、元小学校教員です。
4月に入り、我が子どもたちも学校・幼稚園が始まり、日中ほんとにフリーの時間という生活になって二週間経ちました。
何をやっていいのかわからず手持ち無沙汰になってしまうんじゃないかとドキドキしましたが、意外とスタバに行ったり、ピアノ弾いたり、役所や銀行に手続きに行ったり、自分の仕事部屋を作ったりと、やることはたくさんありました。今のところ楽しく過ごしています。
さて、退職一発目の更新は早速楽しく過ごしている記事をあげるかと思いきや、退職前にちょっと後悔したことがあったって言う話です。でもこれは今書いておかなければいけないかなと思うので書きます。
今のところ、退職という決断は後悔していません。
では何に後悔していたのでしょうか。
それは「もっと自分の思う通りに仕事していても良かったんだ。」ということです。
⑴退職決断後の気持ち
年明けから、いよいよ気持ちは退職に向かい始め、今のクラスの子どもたちと悔いのないようにしっかり過ごしたいと言う気持ちが強くなりました。教員でいる間にやりたかったことをやっておかなくちゃと言う気持ちもありました。
2020年はコロナで、子どもたちにも我慢させたことがたくさんあったし、それまでのクラスの子達とやっていたのに、今のクラスではできていなかったこともあったので、もう最後だし怒られてもいいからやってみたいと思ったんですよね。
それから、自分が学んできたこと、蓄積してきたことを、他の先生にも少しで良いからお伝えしたい、みたいな気持ちにもなりました。
⑵退職までの3ヶ月でやったこと
①子どもたちとやっておきたいことをなんでもやってみた。
ベーゴマ、ギター、科学実験、やってみたかった授業、お楽しみ会、文集作り、朝の連続小説・・・これまでもやってきたことはたくさんあったけど、ラストの3ヶ月は猛烈な勢いでやりました。コロナでできなくなったことや時間がなくてできなかったこと、勇気がなくて挑戦していなかったこと、それからこれまで大切にしてきたことのやり納めといいましょうか、自分が大事にしてきたこと、全部やりました。やってやろうと思えば、案外やりきれるものですね。もうね、私のネタは全て君たちに出し尽くしたよという感じでした。半分はこっちの自己満ですけど、楽しそうな笑顔がたくさんあったので、よしとします。
②言いたいことは言ってみた。
「これ変だよね」って言うことを私なりの小さな声で主張してみました。今度別記事にして書きたいんだけど、掃除のやり方が学区の小中で統一になったんですよ。9年間指導がしやすいとか色々あったみたいだけど、学校ごと教室ごとに配置も違えば、子どもの発達段階も違う。汚れ具合や掃除場所の配置人数だって違うのに、統一する意味ある?子どもに考えさせなくしてどうするの?と鼻息荒くして怒っていました。で、それを言ってみた。学校評価アンケートに書いたり、清掃担当に訴えてみたり・・・変わらなかったけど、言えたことは良かったです。だって小さなことだけど、考えない子どもを作ろうとしてるのが許せなかったから。そこは譲れない私の教育観ですし、もしかしたらそう言うことが積み重なってもう黙っていられなくて退職に向かっていったのかなとも思います。
③良かったことは紹介してみた。
英語の絵本をたくさん読んできたので、リストにして先生たちに配ってみました。意外と好評で、「もっと前から聞いておけばよかったな〜」なんて言ってくれる人もいました。
雑談の中で科学実験の紹介をしたら、その場で材料を借りていく先生もいました。
良いネタを持っていて、子どもにも評判がよかったなら、どんどん伝えてもよかったなって今では思います。なんか恥ずかしくて言えなかったんですよね。
⑶教員としてやりたいことをやり切った3ヶ月で思ったこと
「まぁ別に最後だし、何を思われてもいいや」っていう気持ちになって、はっきり自分の色を出してみて思ったのは、
「今までだって、もっと自分の思う通りに仕事していても良かったんだ。」
と言うことです。
これまで、勝手に何かに気を使って遠慮してたけど、自由にやってみたところで別に怒る人なんていなかったし、やってみた方がスッキリした。ていうか、怒られたところで子どものためになっているなら堂々としてればいいのです。「これ変だ!」と言って困った顔はされたけど、いち教員がいったところでどのみち組織は変わらないから大きな問題になんてならなかった。資料を渡して迷惑がる先生なんていなかったし、むしろ自分の個性を出したことで面白がってくれる人もいた。
私は一体今まで何を怖がっていたんでしょうか。
それは、「人と違うこと」が怖かったんだと思います。あんなに子どもたちに、「挑戦しよう」なんて言っていたのにね。
本当はもっと前から、堂々と自分らしく仕事をしていて、よかったのです。
こんなことやりました、こんなことが楽しかったです、子どもたち嬉しそうでした、これは変です、本当に子どものためになっていますか?って伝えてもよかったのです。
⑷今、現役の先生方に伝えたいこと
「死ぬ瞬間の5つの後悔」という本があります。
人が死ぬ直前に後悔することは、「自分に正直な人生を生きればよかった」「働きすぎなければよかった」「思い切って自分の気持ちを伝えればよかった」「友人と連絡を取り続ければよかった」「幸せをあきらめなければよかった」の5つに分けられるそうです。
私は最後に思い切り仕事をしてみて、この本のことを思い出しました。
私は教員として、最後の瞬間に向かおうとしている。そして「もっと自分の思う通りに仕事していても良かったんだ。」ということに気づいた。
私が幸運だったのは、やめてからではなく、間際に気づいてやってみることができたことです。だから、この記事タイトルに「一つの後悔」とつけたけど、今は後悔していません。やれたから。
でもね、できるならば、私のように辞める決断をしてから気づくのではなく、子どもたちを目の前にしているそのときから、後悔を残さないような働き方ができたらいいと思います。私の場合、退職が目前に迫ってようやく気づくことができました。だけど、もっと早くに「縛られる必要はない」「自分の意見はきちんと主張していい」「自分らしく仕事していい」ということに気づけたならば、もっと働きやすかったし、子どもたちのためになっただろうと思います。何より、仕事をしながら自分らしくいられたら、こんなに身軽なことってないですよね。あ、逆にもっと早くに辞めることになっていたかもしれませんけどw。
ご自分の教員生活が終わりに近づいたときに、何に気づくことになりそうですか?たぶん、もっと自分らしく仕事していても大丈夫ですよ。やってみたらまた世界が広がるかも。
現役の先生たちが、もっと自分の仕事を好きになって、自分らしく楽しく子どもたちと生活していけることを心から願っています。