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学習体験を決めるのはコンテンツではない

優れた学習体験は、我々の脳の神経回路網を組み替える。脳内情報空間のベクトルの数が増え、それらのベクトルによって張られる空間次元が増大する。それによって、我々は様々なものごとに対する、より適切で、複雑度、自由度の高い内部モデルを構築し、利用することができる。

極端に言えば、「コンテンツ」は何であっても良い。上記のような変化は、我々がその後別のコンテンツを享受する際に、全く新しい視点や分析手法、意味付けを与えてくれる。

優れた学習体験は、一斉授業であっても実現できる。教授者がコンテンツをどのように認識しているか、その「認識のあり方」が、学習体験の質を決める大きな要因である。それと同時に、学習者がコンテンツをどのように認識しているか、その「認識のあり方」もまた、学習体験の質を決める大きな要因である。

優れた学習体験が生じる時、これら二つの「認識のあり方」は一致することが多いが、必ずしも一致しないこともある。

教授者は、たとえ同じコンテンツであっても、コンテンツに対する自身の「認識のあり方」がどのようなものであるかによって、学習者の学習体験の質が大きく変わることを意識すべきである。

一方、教授者がコンテンツを提供する際に想像だにしなかった「認識のあり方」を学習者が持つことで、同じコンテンツであってもその学習体験は大きく異なる。


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