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羽田空港地上衝突事故考察のための基礎知識④ Flight Radar 24

ひとつ前の記事で「Live ATC」について取り上げた。
今回はもうひとつの有名なサービスである「Flight Radar 24」について書いてみる。

Flight Radar 24
https://www.flightradar24.com/

こちらは航空機をリアルタイムで追跡できるサービスである。
PCだけでなく、スマホやタブレットからでも利用出来る。

航空会社や空港のサイトにアクセスしなくても到着時間がわかるのでとても便利である。
筆者も家族や友人の迎えなどに重宝している。
海外の友人が帰国した際も航跡を追い、着陸した直後にメッセージを送るなどしている。

以前は空港近くの撮影スポットには無線機を持って交信をモニターしている人もチラホラいたが、今ではスマホかタブレットでこういったサービスを使っている人がほとんどだ。

昔は交信をモニターして着陸機のキャリアを確認していたが、機材の型式まではわからなかった。
だが今では Flight Radar 24 等のサービスを利用すれば、これから到着する機体のキャリアだけでなく機材の型式まで知ることが出来る。
特定の機材やキャリアを狙って撮影したい者にとっては非常にありがたいサービスである。

航空機は「トランスポンダ」と呼ばれる装置が自動で自機の情報を発信しながら飛行している。
これにより有視界飛行か、計器飛行かや高度、便名や機体の登録番号などの情報をレーダーや管制等が把握できる。
非常時にはハイジャックや緊急を要する事などをコードによって発信する。

「Flight Radar 24」も Live ATC と同様に多くの個人等が発信された航空機の情報を収集し、リアルタイムでネットを介して送っているのである。
なのでこちらも Live ATC 同様に完璧ではない。
場所によっては情報がうまく収集出来ず、情報が表示されない場合もある。
機体は表示されるが、コールサインや便名が表示されない、機体そのものが表示されないなど、ケース・バイ・ケースである。

海保機が表示されなかったことについて

今回の事故を多くの方がそれぞれに検証している。
その中には「Flight Radar 24」を活用している方もいる。
出来るだけ多くの情報を活用して検証や考察の精度を高めることは筆者も大賛成である。
だが一方では海保機が「表示されなかった」ことを「消された!」等々と早合点している方々も見受けられる。
それだけなら良いのだが、「消された!」「陰謀だ!」などと荒唐無稽な自説を振り撒く人々もいる。
こういった根拠のない自説はどうかと思う。

少し考えていただければわかることだと思う。
政府専用機、自衛隊機、軍隊機、戦闘機やエアフォースワンなどの航空機はそもそも表示されない。
それは当然であろう。
Flight Radar 24 側でフィルタリングをして非表示にしている。
実際には自衛隊機などがコールサインなし、機体情報なしなどで一部表示されることもあるが、基本は非表示である。

海保機も同様で、そもそも非表示対象である。
元々表示されていたものを「消した」わけではない。
そこを確認もせずに早合点するのは検証、考察の根本をずらしてしまう。

こういったサービスを提供しているサイトやアプリは他にもある。
ご興味のある方は自分の使いやすいサイトやアプリを探すのをお勧めする。

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