35歳からの独り暮らし(10)

しばらく経ったある日。私が大学時代に働いていた百貨店に、外資系のブランドがオープンするという話を聞いた。

働いていた店から百貨店は近かったから、仕事帰りに様子を見に行ってみると、確かに百貨店1階の一部分が白い壁に覆われいた。
そして壁には某海外ブランドのロゴが描かれており、開店日であろう数字が書いてあった。

当時、その百貨店には他に海外ブランドのショップは入っていなかったから、ついにここにもブランドが!と嬉しい気持ちになり、開店したら見に行こう、と思っていた。

そして実際に、その海外ブランドのオープン日、私は早番勤務だったから、仕事終わりに見に行ってみた。
この地域で初めての海外ブランド、ということで大変に賑わっていて、紙袋を持った人が大勢いた。

私にとっては金額的に、すぐ買えるような物ではなかったので、短時間で眺めるだけに終わったのだが、それでも十分に華やかな雰囲気を感じることができた。

メンズのバッグ、いつか買おう。と思いながら、その日は帰路についた。

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