35歳からの独り暮らし(5)

色々と考えることもありながら、やはり正社員というものに縛られていた当時の私は、結婚式場の仕事を見つけ、入社した。

募集枠はプランナーだったのだが、実際入社すると私が男だったからか、最初は経験を踏んでから、という考えからか、配属されたのはサービス部門、披露宴準備から当日の料理のサーブ等を行う部門だった。

その式場は、大規模会場が2つ、小規模会場が1つ、併設でフレンチレストランもある大規模な所で、披露宴も最大5回行われるような所。

そして、準備時間に限りがあるからして、怒号が飛ぶような所で、披露宴が行われる土日は、朝7時から夜中の1時まで勤務という所だった。金融機関での雰囲気が、まだ緩く感じられるような所だった。

様々な圧に、耐える気力が私に備わっているわけがない。だから職を変えて、この場にいるのだから。

仕事中に過呼吸で倒れてしまった。

土日ではなく、平日の準備の時だったのはまだ幸いだった。
数日休んだのち、病院へ行った。

パニック障害との診断だった。

診断書と共に、私は退職となった。

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