緊張しないで、演奏ができるようになるには、どうしたらいいの?
緊張を克服する
家で一人でうまく吹けるのに、発表会やレッスンでは緊張してしまって、うまく吹けない。
なぜだろう?緊張する、しないは、その人の正確なのかな?
緊張さえしなければ、とてもうまく吹けるのに。
と思ったことはありませんか?
今日は、そのことをお話しします。
緊張を克服する方法は、2つある。
1,腹式呼吸
2,イメージトレーニング
イメトレとは、体を動かさず、頭の中で具体的かつ鮮明に行動を想像(イメージ)することです。
目を閉じて自分が演動作を思い浮かべることも、
こうしてイメージを浮かべることで、準備をすることができます。また、心を落ち着ける効果もあるといわれています。
頭に浮かべるイメージは映像的なイメージです。
イメージトレーニングの効果
イメトレによって、本番に高いパフォーマンスを発揮したり、集中力を向上させたり、技術力を向上させたりできるといわれています。
これらの効果は科学的にも証明されているものです。
パスカル・リオーネ博士ら楽器経験のない人を集めてグループにわけ、ピアノ演奏の実験をおこないました。グループは以下の3つです。
①ピアノの一定の実践練習をしたグループ
②実践練習をせずイメージトレーニングだけしたグループ
③実践練習もイメージトレーニングもしないグループ
この3つのグループの中で、最もピアノが上達したのは①のグループです。
②、③のグループは実際にピアノに触れていません。それでもイメトレだけをした②のグループの方が精度の高い演奏を披露したそうです。
イメトレの効果が実証されたこの実験の結果は1995年の論文で発表されました。
なぜイメトレにこのような効果があるのでしょう?
それは、脳が「実際に行動した経験」と「鮮明にイメージしたもの」を区別することが苦手だからです。これにより、脳はイメージしたことも実際の経験と勘違いして記憶していくのです。
たとえば、発表会など、人前で演奏するシーンを繰り返しイメージしておくと、実際にその発表会が来た時、脳は記憶の中から咄嗟にイメージで浮かべた反応を選んで体に指示を出します。
イメトレでは体を動かしませんが、脳は体を動かすための命令を発信しています。これにより、実際の演奏においても脳はスムーズにフルートが演奏できるように、命令を出せるようになるのです。
イメージトレーニングのポイント
実際にイメトレをおこなうためのポイントや注意点をお伝えします。
大切なのは継続。1日5分でOK
イメトレは集中して脳を使うため、あまり長い時間おこなうと脳が疲れて効果が出にくくなります。短い時間で良いのでしっかり集中してできるだけ鮮明なイメージを浮かべるようにしましょう。
そしてそれを毎日繰り返すようにしてください。記憶が定着することで、大事な場面でイメージが自然に生かされるようになります。
また、繰り返すことでより鮮明で詳細なイメージを浮かべやすくなります。
五感を意識して細部までイメージする
イメトレをするときは、過去の経験の中から五感(視覚、聴覚、嗅覚、味覚、触覚)の感覚まで引き出してイメージをつくるようにしましょう。
たとえば、発表会の会場の風景、ステージの感じ、ピアノがあって、譜面台があって、周りに先生や、伴奏の方、演奏する他の生徒さん、なリアルにイメージするのです。これによって、脳は類似した経験だと錯覚しやすくなります。
良い演奏が出来た、というイメージを強く持つ
また、自分がおこなった演奏で「成功した」「うまくいった」という演奏を繰り返し思い出し、イメージすることも良い方法です。成功した体験をイメトレで繰り返すことにより、成功体験が強化され、良い演奏パフォーマンスを発揮することができるようになります。
まとめ
イメトレもトレーニングが必要なのです。
毎日、コツコツと継続していくようにしましょう。