そうだ、京都、行ったじゃないか。
「あ」から順番に、東京の地名にまつわる記憶を思い出しながら、エッセイっぽいものを書いています。
ちょっとでも縛りがあったほうが書くことを絞り出せると思い(そこまでして書く必要があるかどうかは置いといて)、「五十音順の頭文字」&「東京の地名(駅名)」という縛りでここまで来たわけですが、「そ」で行き詰まりました。
「乗り換え案内NEXT」というサイトによると、東京都には駅名が655か所あるらしいです。このサイトで「そ」の駅名を見ても、そこにまつわる記憶がない……。
今度は「東京の地名」という縛りを外して、国内の市区町村名を調べてみたものの、記憶に電気は走りません。世界の国名や都市名に広げてみても、同様で。
困りました。もともとの縛りに無理があったのかしらと思いつつ、東京は脇において、「そ、そ、そ……」と考えながら、いくつか強引に絞り出しました。
●埼玉県の大宮駅に「ソニックシティ」というビルがある。地方都市にある一番大きなコンベンションホールのようなもの。以前は、埼玉県民のパスポートはここまで申請に行かないといけなかったので(今は市役所でできる)何度か行ったのだが、記事を書けそうなエピソードが思い浮かばず、断念。
●父が新しもの好きで、私が小学生の頃に「ソニー」のベータのビデオカメラを買った。でっかくて重いカメラだ。誕生日会やクリスマス会をそのビデオでよく撮影していた。その後、ベータは企画戦争に敗れたので、もはや幻のものになっている。もしかしたらマニアの中ではすごく価値があるのかも?
●神奈川の「相武台(そうぶだい)」という駅に、仕事の打ち合わせというか営業に行ったことがある。依頼をしたいということだったので、片道2時間、往復4時間かけて訪問したのだが、30分もかからずに終了。単に話を聞きたいというだけだったようだ。「なんだったんだ、、、」という徒労感を抱えて帰宅。個人で事業をやっていると、打ち合わせや営業はいつも結構な負担になる。これは7~8年前の話。今後はZOOMで何とかできそうだ。
●埼玉県という海のない県に生まれた宿命で、海水浴はとても特別なイベントという意識がある。家族で行くのは大体、江の島だった。あとは千葉県の海水浴場。友達とは伊豆に行くことが多かった。高校生のとき、はじめて彼氏と「外房(そとぼう)」の御宿に行った。
というように、いくつかひねり出してみたものの、記憶の細部がなく、単独の投稿になりそうにありません。
そこからまた考えて……、連想して出てきたのが「そうだ、京都行こう。」というJR東海のCMコピー。
これまで修学旅行やプライベートの旅行で京都には何度も行っているけど、書けそうなエピソードが浮かばないなあ……と思っていたらピピっと電気が走りました。「そうだ!仕事で伺ったことがあるじゃないか!」と。
***
京信ジュニア・オーナー・クラブ(京信JOC)という、「次世代を担う経営者としての素養と見識を探求するとともに、クラブ会員相互の啓発向上と親睦をはかること」を目的とした組織のある部会から依頼をいただいて、講演会の講師をしたことがあったのです。これを読まれている方は、「なんでおまえが講師なんかに呼ばれるんだ?」とお思いになるかもしれませんが、一応、私の本業は企業の「経営理念の浸透」をお手伝いする仕事なのです。
こんな会場で、緊張に足も声も震わせながらも、無事に話を終えました。
当時のfacebookにこんな投稿をしています。そのまま載せます。
昨晩は京信JOCさんでの講演終了後、理念創造委員のみなさまといろいろお話させていただき、とても豊かな時間を過ごせました。同年代の経営者の方々がこれからどんな風にご活躍されていくか、とっても楽しみでもあり、自分ももっと自分の道をしっかり進んでいかなくては!と思いました。写真は祇園の街並み。京都らしさを満喫しました!
京都の方は、こういう花街で遊ぶのかあと、大人の社会科見学のような気持ちでご一緒したのを思い出します(残念ながら写真がボケてますけども)。
その後、講演会のビデオ収録も入った、「理念創造ツール」というDVDと資料を、部会の会員の方にお配りしたのですが、その監修もさせていただきました。
このときもfacebookにこんな投稿をしています。なんか、文章が若い。
今日は事務所にこもり資料作成中。
今年1月に講演をさせていただいた京信JOCさん制作の「理念創造ツール」のDVDを見返していました。このツールは、理念をベースにした感動体験ムービーのつくりかたが詳しく解説されていて、私は監修をさせていただいたのですが、資料もわかりやすく、実践に使えるワークシートもついていて、さらにDVDにはサンプルも入れさせてもらっていて、あらためて拝見してよくできてるな~と思いました。これ、このまま少し改良して出版できないかしらと思ったりして(笑)
自分が書いたものとか、自分が話したことって、はずかしかったりすごく不十分な気がしてなかなか見返さ(せ)ないものですが、今年は本当にそうも言ってられなくって、よりわかりやすく、より伝わりやすく、そしてより実践しやすく、形にしていかなくちゃなあと、思います。
しばらくたって、講演会の運営メンバーのお1人が、西陣織で作った屋号を送ってくださいました。これは今でも事務所に、大事に置いてあります。
西陣織の額が事務所に到着(^-^)/
モーブ系のおさえた色味がとってもいい感じ。事業スタートから丸4年、今年は心機一転、新たな5つのeでいこうと思ってます。
当時はすごく懸命に取り組んだはずなのに、何年も経つとすっかり記憶のなかに埋もれていってしまうものなんだなあと驚く一方で、こういう風に書くことを続けている中で思い出し、掘り出せてよかったなあと思います。
今日は「そ」じゃなく「き」じゃないか!とか、これのどこがエッセイなんだ!というツッコミの声も自分の中でこだましていますが、これもまた、文章を編むための実験なのです(と思うことにしよう)。