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錦糸町でのひととき

朝9:30に家を出る。電車の乗り継ぎが上手くいき、20分程空き時間ができそうだったので、乗り換えの御茶ノ水駅で丸善に寄った。読みたい本があり過ぎて、やっぱり大型書店は私には危険な場所だということを再確認した。厳選した上で、発売されたばかりの本を1冊買い、電車の中でパラパラ読みながら錦糸町へ向かう。

錦糸町には、過去に何度か、たしか諸富祥彦先生のワークショップで行ったことがあるくらい。あれはいつのことだったかな?と、これを書いている今、過去のメールを検索してみたら、なんと2009年のことだった。もうそんなに経ったのかと愕然とする。

錦糸町はあまり知らないと下町の繁華街というイメージだが、実際行ってみると、大型の地方都市というか、とにかくなんでもある、かなり住みやすそうな街だ。近くに東京スカイツリーができてから、さらに開発が進んでいるんではないだろうか。

11:00開店のPARCOに、3分前くらいに着いた。20人くらいの人が、ソーシャルディスタンスを保った状態で、開店を待っていた。11:00と同時にエレベーターで4Fにまっしぐら。トイレに寄ったあと、そのままCafé&Meal MUJIへ。今日はそこでランチを食べようと決めていた。


私が1人目のお客さん。かなり昔に他の店舗で1回利用したことがあるのだが、システムに不慣れでメニューを選ぶのにまごまごしてしまった。メイン+3品のデリセットを頼み、コーヒーもつけて1,300円。

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から揚げのスイートチリソース、干し野菜の塩きんぴら、ひじきの和風サラダ、根菜のラタトゥイユ、さつまいもごはん、油揚げのお味噌汁。

味付けは薄味で、素材の味や食感を感じながら食べた。客足は途切れることなく、席はどんどん埋まっていく。みごとに全員女性。1人の人が半分くらい、あとは2~3人連れの人。

店内は自然な色合いの木目基調でとにかく落ち着く。ふっと心がほどけるような感じがある。おしゃべりも弾むだろう。BGMはスコットランド民謡のような、にぎやかに踊る感じの曲が流れている。この選曲も考えられているんだろう。静かだと話し声が響きすぎるからだ。にぎやかな曲の方が逆に打ち消し合ってくれる気がする。

お味噌汁とごはんはお代わり自由なので、途中でお味噌汁をお代わりした。もともとお上品な量しか入っていなかった。20分くらいで食べ終えて、食後のコーヒーを受け取りに行く。基本的にすべてセルフサービスだ。

真正面の席に、ベビーカーで赤ちゃんを連れたママが座った。ミルクの入った哺乳瓶をテーブルの上に置いたまま、赤ちゃんに話しかけながら食事を始めた。ミルクをあげないのは、食べている間にぐずってしまったときのために取ってあるのだろう。ママがゆっくり食べられるよう、赤ちゃんが泣きませんようにと心の中で願う。

コーヒーを飲みながら、モーニングページを書く。家と違って外のお店だと人の出入りや動きがあるし、声や音がふんだんに聞こえてくるので、書けることはたくさんある(それを書きたいかどうかは別として)。

PARCOの4Fは、フロアの大部分がMUJIになっている。私は大学院のブランディング戦略という授業で、何週間かかけて無印良品の企業研究をしていた。さらに、30年後に向けたブランディング戦略を考えて、最終講義でそのプレゼンまでした。その過程が結構大変だったので、結構思い入れや愛着を持っているブランドなのだが、近くになくて、ユーザーとしてはあまり利用できていない。

そういうふうに思い出したことをノートに書き連ねていると、目の前のママが食べ終わったらしく、席を立った。赤ちゃんは1回もぐずることなく、ママはおいしい食事ができたようだ。よかった。


錦糸町に行ったのは、都内で2か所しか上映していない『相撲道〜サムライを継ぐ者たち〜』を観るため。さらに、明日で公開が終わってしまう『82年生まれ、キム・ジヨン』をどうしても観ておきたかったから。両方見られるので、ちょっと遠い錦糸町まで足をのばした。

30分でノートを3ページ埋めて、お会計をしたときは、上映開始時間の15分前。MUJIカフェを出ると、そのまますぐTOHOシネマズに行けるので、今日のランチはここを選んだのだ。

映画代も水曜日のレディースデーで1,200円。たまっていた楽天ポイントで支払ったので、実質タダ。平日を狙っていけるのはフリーランスの特権だ。

MUJIでペットボトルを買って、トイレに寄って、スクリーンに向かった。今日はどんな体験が待っているだろうかと思いながら。

昨日あまり寝ていなかったので、映画の途中で寝ちゃうんじゃないかと心配していたが、無事に2本見届けた。映画についてはまた後日。


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大前みどり
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