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乳がん発覚の経緯③:診断結果までの右往左往の2週間

針生検を受けたあと結果がわかるまでの2週間、右往左往している様子をevernoteに日記的?雑記的?に書いていたので、診断結果について書く前にそのプロセスをまとめておきたいと思います。

11/13「日常は変わるのか」

朝起きても普通の感覚。痛み止めの副作用なのかお腹がゆるい。1日のなかで、ときおり不安が襲ってくる。

それにしても「意外だ」という気持ちがある。
自分はがんになるとしても、乳がんではないと思っていた。痛みや違和感に弱く、我慢がきかないたちだから、病気になるとしてもひどくなる前に気づくだろうと思っていた。

今回は、胸の痛みがあって、胸の張りもあった。だけど、「触ればわかるしこり」がないから大丈夫だと思ってしまっていた。

まだ乳がんと決まったわけではないので、がっつり乳がんの本はなんかまだ読みたくないと思い、コミックエッセイを読んだ。

今恐れているのは、転移の程度だ。手術は免れないとしても、抗がん剤治療をするとしたら、どのくらいの期間で、どんな副作用があって、どれだけのお金がかかるのか。髪の毛が抜けたら人前に出る仕事はできないだろう。オンラインも難しいだろうか。


11/17「やったこと、読んだ本」

夜おふろに入るとき鏡を見たら、生検で細胞をとったであろうあたりに、あざができていた。先生から「青たんみたいなのができることがある」と聞かされていたのでびっくりはしなかったが、もし何も言われていなかったら「これは、がん細胞か!?」と思ってパニクったのではないだろうか。

あざの部分を触っていると、固い部分にふれた。これか……。初めて触ってわかった、腫瘍だ。まだ少し怖くて、あまりじっくりさわることはできなかった。現実を受け入れたくないと思っているのだろうか。

マインドフルネス瞑想療法の講座に通っている最中にこの状況になっているというのは、不幸中の幸いといえる。まさに今起こっている心の不安や症状に対して、呼吸法を実践できるのだから。そう考えると、病に対してのレディネスができたタイミングだったのかもしれない。

ここ数日で調べたこと。

・ステージと余命(生存率)
・標準治療とは何をするのか
・画像検索で、乳がんのエコーの画像(自分の検査のときに見た画像と比べたかった)
・入っている保険(がん保険)と、いくらくらい入るか

乳房の喪失とか髪の毛などの喪失とかは、その先の話だ。

今回、発見は早かったのか。もっと早く気付くことはできたのか。乳がん検診を2年に1回ではなく毎年受けていたら、昨年の4月に気づいたのだろうか?それともそのときはまだがん化していなかったか。考えてもしょうがないのに考えてしまう。

ここまでで読んだ本:

『貧乳さんの乳がん記』
『27歳のニューガン・ダイアリー ~ボクの美紀ちゃんが乳がんになった話~』
『乳がんになったけど私もおっぱいも元気です』

こんな感じなのかーと想像しながら、軽い気持ちでちょっとずつ読んでいる。

『乳がんと診断されたらすぐに読みたい本 ~私たち100人の乳がん体験記』は購入したものの、なんだかリアリティがありそうで、診断を受けてからにしようと思い、読まないでいる。


11/19「ゆらぐ日々」

だんだん左胸に痛みを感じるようになってきた気がする。単に気にしているから気になるだけかもしれないが。。。

脇の下のリンパに転移をしているのなら、最低でもステージ3。他の臓器などに遠隔の転移をしていたらステージ4。この時点で一番おそろしいのは遠隔転移だ。

リンパのしこりが良性ということはあるのか?いやたぶんないだろう。いずれにしても手術だけでなく、抗がん剤治療をするのだろう。

副作用はもちろん心配だが、脱毛がやはり、人にも自分にも影響が大きいのではないかと思い、帽子やウィッグについて調べる。

乳房を全摘したとしても、再建はしなくてもいいんじゃないかと今はまだ思えるけれど、いざなくなってみたら深い喪失感があるのかもしれない。

などと、あれこれ考えることはつきない。
経験者の本を読んでもっと知った方がいいかな。

結果を聞くまではどうにもできないのだから、今できることをしようと思うけれど、何をやっても手につかない。

心を強く、いや強くというんじゃなくて、がんと闘うんではなくて受け入れる、共にあるような心でありたいと願う。


11/20「診断結果を聞く日が近づいてくる」

Kindle Unlimitedで読めるものや、AmazonでよいコメントがついているものをDLして読んでいる。

『乳がんでもなんとかなるさ~独女マンガ家闘病記~』
『乳がんでもなんとかなるさ~いのちのエリー編~』
『マンガでわかる乳がん』
『明るく前向きになれる 乳がんのお話100』
『がんが自然に治る生き方』
『がんになって止めたこと、やったこと』
『乳がんですが、それがなにか?』
『ガンと宣告された日』

そのなかでちょっと衝撃を受けた本があった。

『癌と闘わない: 私の選択 私の人生、私が選んではいけませんか?』

この著者の方は、「治療をしない」という選択をし、余命と言われた期間を過ぎても元気に過ごしている。「治療をしない」という選択もあるのかと考えながら、本の中で出てきた「花咲乳がん」の画像を検索してみる。もし治療しなかったとして自分がこのような状態になったとしたら、、、と考えると、乗り切れるような気がしない。

生活習慣ががんを作っていることはたしかだから、今からでもできることをしよう。

でも、本を読んでいて温熱療法がよいらしいと書いてあると、すぐに情報に踊らされそうになる。情報に踊り疲れてしまうのは目に見えている。ちょっと方向を変えよう。

手術で入院するとしたら、前開きのパジャマや下着が必要だろう。帽子、ウィッグも用意しなくてはならないだろう。乳房再建についてはお金もかかるし、切除に加えて再建手術をするのだとしたら体にWで負担がかかるから、あとで治療が落ち着いてからでもいいんじゃないか。

手術で脇のリンパ節をとったら、腕をしばらく上げられないだろうから、洗濯や料理の工夫も必要だ。

リンパ節をとったら、「リンパ浮腫」になる可能性も高くなる。その副作用はおそろしい。以前、左ひじを骨折したとき、むくみで痛くて痛くて大変な思いをした。2週間肘を固定しただけでまったく曲がらなくなってしまいリハビリも大変だった。そんな大変なことばかり想像し、不安になる。

手術でなにかあったときのために、最低限の情報をまとめておかないとと思うが、まだ心の中で「良性であればいいのに」という期待もあって、手をつけていない。結局、あれこれ考えるけど何もしていないという中途半端な状態が続いている。

重大な事態かもしれないから、できることはどんどん終わらせていきたいと思っていたけれど、意外と何もできないものだ。とりあえず、診断結果を聞いたら、すぐにやることの最低限のリストだけは作った。

11/24「告知前日」

聖路加国際病院のサイトで公開している「乳がんの治療を受けられる方へ」という冊子を読んだ。

診断から治療後までに一通りやること、流れなどがわかって、逆に少し安心した。見えていないと漠然と不安だが、見えてくると形のある不安になるというか、何をやるべきかが具体的に考えられる気がする。

続けて、『乳がんと診断されたらすぐに読みたい本~私たち100人の乳がん体験記』を読んだ。

なんか勝手になまなましいものを想像していたのだけれど、思っていたよりも体験談が中心で細かな情報(かかったお金とか、毛が生え始めた時期とか)もあって、この本も、読むことで少し安心した。乳がんはさまざまなタイプがあるとはいえ、この中の誰かと同じパターンに自分もきっと当てはまるのだろうという、不思議な安心感。形を変えた帰属欲求なのか?

そのあとはNHKオンデマンドで、映像を3つ観た。

矢方美紀さんのドキュメンタリーを2つ。

途中、ウィッグの試着のシーンで髪の毛のない姿が出てくる。元アイドルが、テレビで髪の毛のない頭をさらすことは勇気がいっただろう。20代の若さで、乳房全摘、再建、卵子凍結、お金のこと、仕事のことなど、どれだけのことを背負って、限られた時間のなかで決めて、向き合っていかなければならなかったのだろうと思うと胸が痛かった。だけどそんな彼女が映像ブログという形で発信し続けた姿勢に、励まされた人は多かっただろう。


夜はプロフェッショナルで、昭和大学の乳腺外科医の明石定子先生の回を。

手術のシーンなどは怖かったし、ステージ4の方がどんな風に治療に向き合っているかなどを重く受け止めながら、自分も納得して選択をしていこうと思った。

明日結果がわかると思うと神経が高ぶって眠れないかなあと思っていたが、案外しっかり眠れた。

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大前みどり
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