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乳がん治療の記録⑨:放射線治療1日目
9:00になるのを待って、病院に電話する。
昨晩シャワーを浴びたときに、気が緩んで胸に描いてある線をゴシゴシ洗ってしまったからだ。「あっ」と思ったときには半分くらい消えていた。
前回もらった資料には線が消えそうになったら電話をくださいとある。完全に消えてしまうと復元困難でCT撮影からやり直しになるかもしれない。が、電話受付は平日の日中のみのため、今朝の電話となった。
電話が混雑していて何度かかけ直し、数分待ってやっとつながると看護師さんに「たぶん大丈夫ですよ~。気にしていただいてありがとうございます」と軽やかに言われたのでちょっとほっとする。予約通りの時間に行けばいいとのこと。
前回、車で行って駐車場が離れていてめんどくさかったので、今日は原付で向かう。走っているときは問題ないが、信号待ちをしているときなどは日差しがかなり暑い。これだったら駐車場が遠くても涼しい車でいく方がいいかもしれない。
初回なので更衣室の使い方などを教えてもらう。鍵付きのロッカーに荷物を入れ、上半身裸になって用意してもらったガウンを着る。ガウンの状態で待合室で待つ。
そんなに待つことなく呼ばれ、放射線の部屋に入ってガウンを脱いで治療台に乗る。治療台の上で、前回と身体の位置が同じになるように調整をされる。技師さんに「すみません、真ん中の線が半分以上取れちゃったんですけど……」というと、「ああ、大丈夫です。逆にこれだけ残っているのはすごいです」と言われた。なんだ、私は気にしすぎだったのか。
そんなやりとりをしながら、前回の印を目印に手をおく台の角度を変え、腰を持ち上げられて位置を合わせ、足の下に大きな足枕のような台を入れる。
途中から技師さんは外に出る。映像とマイクはつながっているので、何かあったら言っていただければ聞こえますからと言われる。
放射線が心臓や肺にかからないよう斜めに照射するのだが、深く息を吸ったら胸が膨らんで位置がずれてしまうのだろうか?と思い浅い呼吸しかできない。いやいやそんなはずないでしょ、と思い直して何度かちゃんと深く呼吸をして整えなおす。
途中で技師さんに「順調に進んでいますよ~。もう少しかかりますが動かないでくださいね」と言われる。「初回は位置を決めるので20分くらい時間がかかります」と事前に言われていたのだが、おそらく事前にとったCT画像で照射する範囲を計算し、その角度で放射線があたるように身体の位置を合わせていくのだろう。さらに台を少し上げたり少し横にずらしたりと調整が続く。
バンザイ状態の両腕の感覚はほぼなくなっている。ずっと目を閉じていたからだんだん眠気が襲ってくる。だが、機械が動く音がかなりうるさく、異常を知らせるアラームが鳴ってるんじゃないかと思うくらいだった。
放射線を当てるときには「それではあてますね」と言われるのかと思っていたが、気づいたら「はい、終了です」と言われ、いつの間にか終わっていた。「あててもわかんないと思います」と先生に言われてたけど、本当にまったくわからなかった。たぶんあのうるさい音が鳴っているときがそうだったんだろう。
最後にまた照射の範囲の線と身体の位置がわかるための線を、前回よりたくさんつけられる。更衣室で鏡をみるとフランケンシュタイン博士が作った怪物のようだった(って、見たことないけど)。
着替えとかを入れると40分くらいかかったが、明日からは治療自体は数分で終わる。会計まで入れても30分くらいだろう。慣れるまでは、毎日通うのをうっかり忘れないようにしないといけない。
帰り道、マクドナルドに寄ろうと思ったら、お昼どきでドライブスルーの列と持ち帰りの列がすごいことになっていたので、あきらめて家に帰る。
放射線治療はとにかく眠く、だるくなるという人が多いと看護師さんに言われたが、本当にとにかく眠かった。昼食代わりのバナナを食べて薬を飲み、それから横になったら3時間くらい寝てしまった。それでもまだ寝足りないくらいだった。
夜、メタファシリテーションのオンラインの講座を受けたのだが、あまり頭が働かず、いっぱいいっぱいだった。
1日目はそんな感じ。
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