『スライダーの偉大な滑り方』 #毎週ショートショートnote【才能の開花編】
「平スライダーの偉大な滑り方、さすがでした!金メダルおめでとうございます!」
今や世界規模で開催されるようになったフリースライディング大会後のインタビューを受けているのは私の幼馴染みだ。
かつて同じ団地に住んでいた私と彼女は、公園の石の滑り台で
「バックで滑りまーす」
と、お題を宣言してから滑るという少々危なっかしい遊び方をしていた。
「背泳ぎパターンね」
と彼女の滑りを評する。その頃の私達は、いかにお題に合った滑りができるのかを日々研究していた。
「次はウルトラマンで!」
私は腹這いになり片腕を伸ばして空飛ぶヒーローの如く滑りおりる。
「速度的にパーマンじゃない?」
「うーん…」
「今度は大仏やってみるわ」
と、正座し薄目で大仏の手つきを真似て滑りおりてきた。
「すごい!奈良の大仏そっくり!」
その時には既に才能が花開いていたのだろう。
「滑りの体勢、表情ともに高得点でしたが、どういったお気持ちで?」
「無」
今の彼女は悟りを開いていた。
公園で危なっかしい遊びをしていたのは、私です🙇ごめんなさい🙇なぜか兄といろんな体勢で滑るのを楽しんでました。そんな今の私は瞬発スライディング土下座が出来るようになりましたとさ……トホホ。
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