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公園で見つけた子どもの気持ちの表と裏

先日、お友達親子に誘っていただき、息子を連れて初めての公園に遊びに行きました。この日はなんとなくお互い機嫌が悪く、何をしてもケンカばかり。そのまま一緒にいても傷つくコトバを言い合ってしまうなと思い、仕方なくすぐに解散。

朝からものすごく楽しみにしていた息子は大泣き。「遊びたかった」「なんで」「どーして」「僕は悪くない」

残念だったね、遊びたかったね、となだめて、駐車場で息子の気持ちが落ち着くのを待っていました。

声も大きく、力の加減もわからない。すぐに追いかける、あきらめない、しつこい。なかなか押しが強い息子は、女の子には「やめて!」と言われてしまうことが最近多いような気がします。おやつをあげたりもらったり。そんなところもちょっと気を使うのが上手にできない。だから人の少ない広々とした場所でのんびり親と一緒に遊ぶのが、私としても一番気持ちが楽だったりします。

楽しみにしていた息子の気持ちを思うと、切ない。でもこんな風に幼稚園以外で関わりを経験しないと・・・なんて考え始めると止まらない。私までどんよりとした気分。早く帰っておやつでも食べながらコーヒー飲みたい・・・と思っていたら、

落ち着いてきた息子は「やっぱり遊びたい」と言い出し、知らない子ばかりが走り回る、知らない公園にひとり戻って行きました。引きずらない性格で良かった。

あんまり子どもが多いので、私が一緒に遊んであげる必要もなく、少し離れたベンチに座って様子を見ていました。(すでに夕方で寒くなってきたので動けないオバさん)

息子はすぐに知らない男の子と友達になり、何やら話したり笑ったり追いかけっこをしたりしています。

ああ、あの子は自分より少し大きな子の方が楽なのかな。自分より速い子、自分より大きな声の子、自分より強そうな子と一緒の方が気楽なのかな、とぼんやり考えていました。

しばらく眺めていると、大きな小学生の男の子3人組と遊び始めた息子。一人の子が片方の靴を取られ、一番大きな子がそれを遠くに投げました。皆へらへら笑っています。息子も笑っています。

靴を奪い、遠くに投げる、これがしばらく続いていましたが、オバさんはじっと腕を組んで黙って見ていました。

皆遊びながら笑っています。靴を取られた子は、取り返そうと行ったり来たり。でも笑っています。息子も相変わらず笑っています。

そして事件は起きました。

やっと戻ってきた靴を、今度は息子が、我が息子が、自分より大きな小学生の靴を取り上げ、遠くに投げたのです。

ツカツカツカと近づき、突然現れたオバさん、我慢できずに怒鳴りました。

「こらあ!!そんなことやっていいと思ってんの!!!」

息子はこの日、同じ公園で2回目の大泣き。そして小学生男子3人組は棒立ち。オバさんは止まりません。

「楽しいかもしれないけど、こんなことやっていいの?!君も悔しいでしょ?」

と靴を投げられていた子に聞くと、ヘラヘラ笑ったまま。するとすかさず一番大きなボス風の男の子が、

「ぼくたち友達なんで。」

どういうことか、一瞬オバさんは分からなかったけど、一生懸命脳が働いてくれました。

ぼくたち友達なんで、靴を奪って遠くに投げても、楽しんでやってることなんで。邪魔をしないで。オバさんは黙っていてください。誰も傷つけていないし、誰も困っていないし、とにかく遊んでいるだけなんで。

私にはそう理解できました。そうなのかもしれない。靴を奪われた子も全く嫌がっていないのかもしれない。

「じゃあ、その靴の気持ちはどうなるの!」

と、思わず叫んでしまいました。ガクッと笑いだす少年たち。

その靴は、きっとお父さんかお母さんかお婆ちゃんかお爺ちゃんがショッピングモールとかで買ってくれたものかもしれない。もしかしたらメルカリかもしれない。誕生日プレゼントだったかもしれない。兄弟親戚友達から譲り受けたものかもしれない。どんな経由にしろ、靴を大切にしてるしていないに関係なく、その子の親がこんな場面を見たら絶対に悲しい。

それを全て言葉にして言うことはできなかったし、言ってもきっと伝わらなかっただろうね。「なんだ?靴を心配するオバさん、早くあっち行け」と思われただけ。

大泣きの息子を引きずって帰りました。

その場所にはたくさんの子供とたくさんの大人がいました。誰も注意はしなかったけれど、私は息子が当事者になったからついつい言ったまで。あれが全く関わりのない子どもたちだったら、やっぱり何も言わずに「かわいそうだな」と思うだけで見て見ぬふりをしていたと思います。

息子に言いました。

お母さんは、自分の靴をあんな風に投げられたら悲しい。ましてやあなたが公園のたくさんの子どもがいる中であんなことをされていたら、もっと悲しい。どんな遊びでも、モノは大切にしなくちゃいけないし、友達の気持ちはもっと大切にしなくちゃいけない。わかるね?

息子は泣きながら言いました。

「でも、おかーさん、楽しかったんだよ。どーしていけないの?お兄ちゃんたちもみんな笑っていたんだよ。」

言葉が見つかりませんでした。

難しい。本当は笑っていても、心の中ではどんな気持ちなのか誰にもわからない。

そして、こんな経験は普段できるものじゃない。ありがたかったな。と思うと同時にハッと気づきました。イジメとかイジメじゃないとかかなりスレスレの線ではあったけど、そんな遊びはいくらだってあります。私自身も友達とのそういうやりとりの中でたくさんのことを学んできたことを思い出しました。

こういう経験を積んでいく中で子どもたちが成長することを、ゾッとしながらも必要なことなんだと自分に言い聞かせました。

やっぱり小学生くらいになったら、大人は公園にズカズカ入っていってはいけないのかもしれない。

そんな状況になった時、子ども自身が何かに気づくこと、考えること。そういう機会を奪ってはいけない。それでも悲惨な結果がニュースに流れる今日この頃。

大人の目はどこまで必要か。本当に難しい。

今回の場合は、何も言わずに「さー、もう夕方だから帰ろうね」と息子を連れて帰ることもできました。でもやっぱり自分の子が他人の靴を投げたら、怒る。問題は他人の子にまで口出しをしてよかったのかどうか。

大切なのは、そんな場面に遭遇したとき子ども自身が自分の考えや意思を強く持ち合わせていられるような子に育っているかどうか。いざとなったら助けられる度量と知識を持った親でいられるかどうか。

この日は感情が大きく揺さぶられることばかり。親子でドッと疲れてしまいました。帰って一息、コーヒーの美味しいこと。

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seiko
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