『忘年怪異』 #毎週ショートショートnote【ただの積立金編】
「久しぶりやな。今年からか?」
「おぉ」
炊き出しのように配られるしっぽくうどんやひゃっかの雪花といった郷土料理、おでんや稲荷寿司などの値段と手元の小銭を見比べ、首を傾げている顔見知りに声をかける。
「これはどういう仕組みなんや?」
「そのまんまや。手元にある小銭と交換したら飯が食える。ちなみに新年には餡餅雑煮が食えるぞ。でも絶対に最後の分は残しておけよ」
俺の真意がどこまで伝わったのかはわからんが、すぐさましっぽくうどんの列に向かっていった。
また別の知人を見かける