一枚の写真 核なき世界訴え
休日、インターネットを見ていたら一枚の写真が目に止まった。原爆投下後の長崎で撮影された「焼き場に立つ少年」。以前、本紙で見た記憶があり、あまりにも衝撃的だった。少年は10歳くらいだろうか。直立不動ではだし。
命の尽きた赤ちゃんを背負い、唇をかみしめている姿から戦争の悲惨さが伝わってくる。この写真から見る限り両親はどうなったのだろうか。
「1000の言葉より人の心を動かし得る」と、ローマ教皇フランシスコを2019年、広島と長崎に導いたとされる写真だ。教皇は夢も希望も一瞬で奪う戦争はいらないと訴えた。
この写真は「核なき世界を」と伝えている。
何も罪のない子供や老人が犠牲になってはならない。理不尽さに胸が締め付けられる思いだ。だか悲惨な戦争は今なお起き続け、終わりが見えない。
焼き場に立つ少年は夢を持てただろうか。その後、どうやっで生きたのだろう。夢や希望などなく、今日を生きるのに精いっぱいだったのではないか。自分ができることとして世界の平和を考え、願い続けなければならない。
終戦記念日に思う2023年8月20日新聞掲載